BMWが繰り出したサスティナブル・アーバン・モビリティ。それが、電気自動車「i3」である。
その車両本体価格は、税込499万円。
だが、今年の8月7日まで延長された「EV補助金」を活用すれば、実質40万円引きとなる。
4010mm×1775mm×1550mmのスリーサイズは、欧州Bセグメントの範疇といえましょう。
カーボンファイバー強化樹脂(CFRP)とプラスティック外板を組み合わせて、軽量化したというボディ。
そのルックスは、AppleのIT機器を、なにか彷彿とさせる。
観音開きのリヤドアは、かつてのマツダRX-8や、ミニ・クラブマン、トヨタFJクルーザーと同様の開閉ロジックである。
シューズはBSのエコピア。
155/70R19という特異なサイズで、SUVサイズの外径に、軽自動車なみの細さのタイヤを組み合わせているのだ。
これは、いわゆる「電費」を稼ぐための措置なのであろう。
なので、BMWお得意の、ランフラットタイヤではない。
ちなみに、ラゲッジには、救急セットが置かれ・・・
床下にはモーターがあるため、スペアタイヤは未装着である。
一見ではわかりにくい、操作系のロジック。
私は「スタート/ストップスイッチ」を探すのに、数十秒を費やしてしまった。
また、BMWお得意の電磁スイッチ式のワイパーやウインカーも、使いこなすのに慣れを要する。
まあ、これが次世代のモビリティツールなのだと、人間の方で対応するしかないのであろう。
さて、電気自動車を運転するのは、三菱i-MiEV、日産リーフに引き続き、3台目である。
スペース的には、前後席とも、レッグルーム・ヘッドルームともに、まったく問題ナシ。
明るいグレー基調の室内は、視界良好で気持ちイイ。
走り出してみる。モーター駆動ゆえ、スロットルを踏み込むと、無音でスピードだけが乗っていき、気付いたらかなりの速度になっている。
スピードメーターを注視していないと、免許証が、何枚あっても足りなかろう。
スロットルを離すと、急激に回生ブレーキが作動し、ブレーキを踏まずとも減速する。慣れればスロットルのみでの「ワンペダルドライブ」も可能なのだという。
また、そのようにブレーキペダルをまったく使わない走り方をしていても、減速度が0.3G以上になると「ブレーキランプが点灯」して、後続車に追突注意を促すようになっているとのこと。
メインの試乗ステージは、例によって手稲山のワインティングロードだった。
リヤモーター・リヤ駆動のRRながらも、前後重量配分は、BMWの哲学である50:50。
電気モーターは登坂でも力強く、シームレスに加速し、きわめてスポーティ!
ステアリングにも正確性があり、自信を持ってコーナーに侵入することができる。
やはり山道においては、ブレーキペダルをある程度使った方が、スローイン・ファストアウトな、メリハリのある走りが愉しめる。
その瞬間は、まさに、駆け抜ける歓び!
BMWi3。エコカーというよりも、いっぱしのスポーツカーだ。
The furure,now.まさに、未来が、ココにある。
BMWi3には、純粋なEVのみならず、航続距離を伸ばす目的で発電用エンジンを積んだ、「レンジ・エクステンダー装備車」も用意されている。
レンジ・エクステンダー車の車両本体価格は546万円と、純EV車との差額は、47万円。
だがしかし、例の「EV補助金」を組み合わせると75万円が補助されるので、実質的には純EVプラス12万円(=差額47万円―プラグインハイブリッド補助75万円+純EV補助40万円)で、レンジ・エクステンダー車が手に入ることとなる。
とくに、北海道のような降雪寒冷地においては、冬期間ヒーターや熱線ウインドウ、ヘッドライト等電装品を多用するので、購入すべきは、レンジ・エクステンダー車であろう。
まあ、我が家の経済力では、どっちにしても難しいかもしれないが・・・(^_^;)