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South Is. Alps
South Is. Alps
Coromandel
Coromandel, NZ
Square Kauri
Square Kauri, NZ
Lake Griffin
Lake Griffin


『ぼくは猟師になった (新潮文庫)』

千松信也、2012、『ぼくは猟師になった (新潮文庫)』、新潮社

日本人口の高齢化、過疎化とともに、農山村の農地には鹿やイノシシが侵入するようになる。いわゆる食害の顕著化である。しかし、そのことは、そもそも耕地が野生の領分を侵略したからお返しであるとも言えるが、ことはもっともっと複雑である。
我々の現代における食資源は野生食への依存はほとんど皆無で、たいがいは栽培・飼育された食資源から来ている。野生とは空間的に隔絶されるべきであった。しかし、その隔絶はあくまでも、文化が自然を支配する状況において初めて自由であり得た。日本の現在の農山村の状況のように人口が減り高齢化が進むと、静々と野生の侵略が開始される。
もともと、人類は農耕牧畜を始める前には、野生の食資源に依存し、人間の食も生態系の中にあった。しかし、農耕牧畜の成立によって、あたかも、自然からの独立王国が生まれたかにみえた。しかし、完全に人為的な食資源に依存していた人類も、人口が減って農地の維持が困難になると、かつてのような共存のシステム(たとえば、野生の食資源をも食のレパートリーにとりいれるなど)の文化伝統が失われているとひとたまりもない。

本書は、大学出身の若者がふとしたことから罠猟による猟師になった学習と経験の蓄積、彼のライフスタイルの記述である。都市近郊といえども、既に野生はすぐ近くにまで押し寄せている。そうした都市近隣山地に猟場を持つ猟師の生活の記録である。しかし、残念ながら、彼の猟は現代人の食生活と直結している訳ではなく、友人と共食をするにとどまる。野生食の伝統はまったく再現されていないのである。の問題や流通の問題、衛生管理などなど、さまざまな規制が野生との共生を不可能にしている。

日本人口は、現在の女性の生涯出生数を基準にすると西暦3000年には日本人口はゼロになるという。やがては、都市のアスファルトを鹿やイノシシの群れが駆けぬけるのだろうか。あらためて、野生と現代生活の共存がイメージされてみいいかもしれない。


ぼくは猟師になった (新潮文庫)
千松信也
新潮社

2013-05-08 21:58:47 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


豚バラ肉の煮込み

豚バラ肉の煮込み(豚バラ肉を水からあくを取りながら茹でて、タマネギ、人参、レンコンを一口に切って加えて煮込む、何を入れるかそのときの気分。クミンシード、粒こしょう、赤唐辛子、塩、ローリエを加えてしばらく煮込む。フレンチマスタードとともに食する)

2013-05-08 21:54:29 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


5月7日(火)のつぶやき


2013-05-08 04:34:36 | tweets | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )