『マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)(キンドル版)』
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マイケル・ルイス、2013、『マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)(キンドル版)』、早川書房
なぜか、下書きのまま(2017-07-22 14:02:40)だったので、公開しておこう。
この本をよむうち、思い出してきたことがある。子供の頃、多分小学校の中学年頃だったと思う。クリスマスプレゼント(だったと思う)として「野球盤」を買ってもらった。一人では面白くないので、近所に住むひとつ歳上の親友のみっちゃん(何度も引っ越しをしたから、中学校以来、縁が切れているのだが、どうしているだろう)を家に連れてきて、よく遊んだ。はじめのうちは、野球盤でゲームをしながら、野球の実況中継のような真似事をしていた。しかし、みっちゃんは野球マニアだったので、スコアシートを付け始めた。たかが野球盤だが、具体的なチーム(プロ野球団)と選手名(当時のプロ野球選手)を二人で贔屓のチームを用意して遊び始めた。たぶん、わたしは巨人で、みっちゃんは阪神。すごく面白かった。野球盤が壊れてしまって、この遊びは潰えたのだが、しばらくたって、わたしは、自分ひとりで遊ぶ方法を考えだした。サイコロをたしか四つ同時に投げて、その数字に従って、ストライクとかヒットとかを記録し始めた。確率なんてものはもちろんわかっていなかったけれど、これはこれなりにおもしろかったから、しばらくはこれで遊んだ。秘密の箱の中にこのセットをいれていたが、のちに、名古屋に引っ越すときに高校時代に付けていた日記とともに焼却してしまった。いまからおもえば、日記も含めて残念なことをした。
本書は、アスレチックスの革新的なGMのあらたな球団マネジメントについて、素人(野球のデータにこだわった)と玄人(慣習からの脱皮に苦労した)との競合にくわえて、統計的な手法を用いる最新の経済学と理念的なホモ・エコノミクスの経済学の対立という重ね合わせの妙をくわえ、さらには、MLBの選手たちのリアリティをくわえて描かれたドキュメンタリーで、ブラッド・ピットの主演とプロデュースによる映画化という華やかかさ付け加わっている。これを読むと、日本のプロ野球や高校野球、大学野球は何回もの脱皮を必要としているように思える。
わたしの子供の頃の遊びが、もう少しリアリティと結びついていたらと思うが、確率の芽生えのような思いつきがあったことは、とりあえずは、良しとしておこうか。
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