暖竹を使って籠を一つ試作しようと奮闘しています。暖竹の特徴として、ヒゴのもちがとても悪いのです。竹や笹と違って水分を多く含むためか、湿度が高いとすぐに黒カビが生えます。このカビが生えるとより折れやすくなるのです。
そのため、伐採後なるべく早くヒゴにして編む必要があるようです。残っている暖竹のヒゴはどれも黒カビが生えてポキポキ折れて編めません。そのため、再度海岸に行って暖竹を採集しました。今回はなるべく硬い茎を選びました。ただ、その硬い茎は去年伸びた茎のようで枝が分岐していました。そのため、ヒゴにする前に分岐した枝を削り取って加工しました。
底を編み終わると、周囲を立ち上げながら編む
暖竹を伐採中、茎の先端を切り開いてみました。すると、晩秋に咲く花柄ができていました。暖竹は晩秋に箒のような花が咲きます。冬にその種を採取して、来春種まきしてみようと思います。畑で暖竹を栽培できるかも知れません。そうすれば、海岸に行かなくても自宅で暖竹を採集できます。なお、挿し木ができないか今年試しましたがダメでした。種か分げつでしか増えないようです。
暖竹を再度採集 暖竹の小さな花柄 茎を六分割してヒゴに
伐採した暖竹を持ち帰ると、すぐにヒゴにしました。そして、表皮を残すように薄く削りました。やはり節が折れやすいので、ハンマーでたたいて折れないように柔らかくしました。青いヒゴを使って籠を編み続けました。底を編み終わり周囲を立ち上げながら編みました。
表皮を残すようにカンナで削る 底を編み終わり周囲を立ち上げる
先日暖竹を採集した後、笹割り機で茎を裂き皮をカンナで薄くしました。籠にする皮の薄さが分からないため1mm位にしました。さらに余った暖竹の茎を裂いてたくさんの皮にしました。そこで、実際に籠にできるかどうかこれから試作しようと思います。
ひごの状態の暖竹は節の部分が折れやすかったり曲げにくいことが分かりました。そこで、その皮を柔らかくするためにハンマーでたたいて何度もしごいてみました。すると、柔らかくなりました。そこで、籠にできるか試してみることにしました。素人の私がちゃんとした籠を作ることができるでしょうか。
繊維がばらけそうになりながらも籠に加工中
笹や竹ならば皮を薄くするほど曲げやすくなります。ところが暖竹は薄くすると、節がとても折れやすいのです。そのため、あまり薄くすることができません。折れにくくなると曲げにくくなるので相反してしまいます。そこで、ハンマーで暖竹の皮を叩いて強制的に柔らかくしたのです。
ところで、暖竹を笹割り機で裂いている時に勢い余って手を切ってしまいました。血がポタポタ落ちて痛い思いをしました。軍手をはめて作業すべきでした。そんなこんなで、15本位の薄い暖竹のひごを作りました。
ハンマーで叩く やれやれ手を切る 15本位の暖竹のひご
籠を編むため、暖竹のひごを放射状に6本交差させました。中心から12本のひごが放射状に延びていることになります。その中心からひごを巻きました。中心付近は狭いのでひごをうまく通せません。刺したり曲げたり引いたりしているうちにひごの繊維がばらばらになってきました。それでも無理やりぐるぐる暖竹のひごを交差させながら巻き付けました。粗末ですがなんとか籠の底らしい形になりました。
6本のひごを放射状に配置 二本のひごを巻き付ける
今年もケナフを栽培しています。種まき直後にネキリムシが芽生えた葉を食べてしまいました。そのため、1/3位がダメになりました。それでも繊維を採種できるほどに育ちました。
ケナフの良いところは茎が一直線に上に伸び、さらに枝が出ないことです。皮が剥ぎやすく、すーっと根元から上に向かって剥げます。剥いだ皮から採れる繊維を撚って縄か紐にできるはずです。籠を編むための紐にできるのではないかと思っています。
まだまだ背が伸びるケナフ、皮を剥いで繊維を取る
日本に古来からあるカラムシの繊維は、例えば無形文化財の越後上布などに利用されています。歴史が深くとても貴重で高価です。その点、ケナフの主な生産地は東南アジアなど暑い国々です。カラムシの繊維と比べて色に透明感がありません。そのため、衣服よりも紐として生産されています。
古来から日本にこのケナフがあったなら、貫頭衣などの衣服や布・紐に使われたのではと思います。空いた時にこのケナフの繊維の使いどころを探してみようと思います。
裂けた葉の形は大麻に似る 茎の表皮が綺麗に剥がれる
昔から海岸に生えている笹のような背が高い植物は暖竹と呼ばれる植物です。国道や県道に当たり前に生えているため、いつも通り過ぎていました。最近のその暖竹を使って籠を編めることを知りました。ただ、古来から編まれている竹,アケビ,藤,そして葛にはない素材です。友達に聞くとポルトガルで編まれているとのこと。そこで、その暖竹で籠が実際に編めるか試してみることにしました。その第一歩として皮を剥ぐことから始めました。
鎌やノコギリで刈り取った暖竹
暖竹が群生する国道188号線沿いの海岸に行ってみました。そして、いろいろな太さや長さの暖竹を刈り取りました。根元は笹のように硬いためノコギリを使って切りました。10本位刈ったでしようか。あまりに長いものは車に入らないため、半分の長さに切りました。
我家に戻ると早速加工してみました。久し振りに茎を6分割する笹割り器を使いました。八王子に住んでいる頃に笹細工で使っていたものです。ところで、私はナイフを使って上手に皮を剥げないため小型のカンナを使って皮を薄く削りました。
国道脇に群生した暖竹 刈った暖竹を車に積む カンナで皮を薄く削る
暖竹の特性が全く分からないため、籠に編めるようになるまでの加工がよく分かりません。編む前に水に浸すのか、煮るのか、曲げてくせを付けるのかなど分かりません。あるいは、暖竹を冬に採集して使った方がいいのかも知れません。
皮を薄くする過程でカンナ屑のような紐状の皮が出ました。紐か何かに使えるかも知れません。暖竹で籠を編むため、今後いろいろと試行錯誤することになるのではないかと思います。
笹割り器で暖竹を一気に六等分 薄く削った暖竹の皮
苗を植え付けた後、そのまま放置していた洋綿。しばらくぶりに行ってみると、綺麗な花が咲いていました。この洋綿は最初白い花なのですが、しぼむとピンク色になりました。その後、しぼんだ花が散ると実が大きくなり、そして綿の実であるコットンボールが収穫できます。すでに3cm位に膨らんだ実がありました。来週頃には実が割れて綿が収穫できるのではないかと思います。
白く咲いた洋綿の花、散ると実がだんだん大きくなる
今年は肥料などあまり世話をしなかったため、背はまだそう高くありません。ただ、綿は栄養成長する植物です。そのため霜が降りて枯れるまでずっと成長し続けます。大人の身長までには育つのではないかと思います。今年も紡ぎを楽しめるだけの綿を収穫できそうです。
猛暑の中、よく育った綿 しぼみ始めた花 大きくなる綿の実
先日のわら細工民具ほぼろ講習会(第1部,そして第2部)で小学生がほぼろを製作しました。ただ、時間が無くて完成に至りませんでした。あとは手下げ紐か肩掛け紐を取り付けるだけでした。
そこで、おせっかいとは思いましたが、紐を作って取り付けてあげました。単に太縄を取り付けるのではなく、三つに裂いたマオランの葉を三つ織りにした紐を取り付けました。三つ織りにしたマオランは平らな紐になります。そのため、肩に掛けやすかったり手に持ちやすくなります。マオランの葉は長さが1m以上になるため継がないで紐にできます。
ほぼろの肩掛け紐(左)と手下げ紐(右)にしたマオラン
去年周防大島からいただいて来たマオランはまだ葉が短いです。そのため、田布施川沿いに植えてあるマオランの葉を数枚いただきました。その葉を三つに裂いて紐にしました。
隙間なくきっちり三つ織りにしましたが、乾燥すると隙間が空きました。しかし、紐としては十分な強度があります。そのため、子供が作ったほぼろとは言え実用的なわら籠になりました。
マオランの葉を採集 三つ織り加工して紐に ほぼろに取り付ける
わら細工民具ほぼろの製作講習会の1部は平日でしたが、今回の第2部は休日でした。病欠の方や午後帰えられる方もいましたが、多くの方に参加していただき感謝です。なお見学に来られた方もいました。
ただ今回だけで完成に至る方は少なかったため、次回11月上旬に予定している講習会で完成していただこうと思っています。また暇なときに子供達が作ったほぼろの手直しをしておこうと思います。
わら細工民具ほぼろの製作講習会(第2部)に参加された方々
もともと麻郷公民館で開催する予定でしたが、前日盆踊りがありその後片付け予備日として公民館は使えませんでした。そのため、急遽公民館の代わりに高塔公会堂で実施しました。なお、以前公会堂脇の畑で講習会を開催したことがありました。
公会堂のエアコンが一台壊れていたのですが、運よく数日前に新規エアコンが入りました。そのため、新規エアコン初めての利用者となりました。
ほぼろの底を編んでいる子 15:00頃講習会後片付け
クルミの皮を採取して不慣れながら細工しています。もっと細工できるように、クルミの樹を増やすことにしました。そのため、去年の秋にクルミの種をいくつか埋めてみました。すると、三本だけ芽生えました。
今冬伐採したクルミは再生して枝をたくさん伸ばしています。そして、藍の畑傍に昨年四個のクルミを植えたので、合計10本のクルミになります。数年後にはクルミの皮をたくさん採取することができそうです。
去冬伐採したクルミ、再生して枝がたくさん生える
クルミとの最初の出会いは多摩市にある東京都埋蔵文化財センターです。その博物館併設の林に縄文時代の竪穴式住居が復元されています。その住居内で焚火をして煙を出して定期的にいぶします。その住居傍にクルミが栽培されているのです。
その埋蔵文化財センターにたまたま見学に行った時、管理人さんにクルミの実の食べ方を教えてもらったのです。それまではくるみ割り器で割って食べるものとばかり思っていました。しかし、縄文時代は火の中に入れて軽く焼くのです。すると、クルミの合わせ目が割れてきます。その割れ目を開くと、簡単に実を取り出すことができるのです。縄文時代の知恵には感心しました。
一昨年芽生えたクルミ 今年芽生えたクルミ1 今年芽生えたクルミ2
藍を栽培している畑を見回っていると、何とネナシカズラが侵入していました。ネナシカズラは葉がありません。葉緑素が無いため黄色をしており一見ラーメンのようにも見えます。
他の植物に巻き付いて根を差し込んで栄養を吸い取ってしまいます。寄生された植物は全てを吸い取られて枯れてしまいます。そのまま放置しておくと、最悪の場合は畑全体が網で覆われたようにネナシカズラが広がります。
藍の茎に絡みつき、茎に根を差し込んで栄養を吸い取るネナシカズラ
そのネナシカズラが藍畑の1m四方に広がっていました。このまま放置していると藍の畑は全滅となってしまいます。鎌でその1m四方を刈り取っておきました。ネナシカズラは害虫より恐ろしい寄生植物なのです。今度も定期的な監視が欠かせません。
網のように植物を覆うネナシカズラ 刈り取った藍畑の1m四方
3年位前、初期のほぼろ製作講習会では、駒に紐を巻くところから始めていました。その後、コロナ惨禍後だと思いますが巻く時間を節約するために私が事前に巻くようにしています。それは、参加した皆さんにほぼろの製作に集中してもらうようためです。ベテランになれば最初からしていただきたい所ですが、今は初心者が多いため当分は私があらかじめ駒に紐を巻いておこうと思います。
今回も駒に紐を巻いておきました。クーラー無しのクラフト小屋での作業なので扇風機だけでは汗が出ます。ちなみに正午頃小屋内の温度は32℃でした。西日が当たるため、夕方近くはもっと室温が上がります。
ほぼろ講習会のため、あらかじめ紐を巻いておいた駒
今回の講習会では藍染めした紐を使います。出来上がりのほぼろは藍色の紐でデザイン的に締まるのではないかと思います。
さらに、何色かのリボンも用意しました。参加者の皆さんに好きなリボンを選んでもらいます。そのリボンをほぼろの装飾に使えば個性的なほぼろになると思います。
駒に藍色の紐を巻く 全駒に紐を巻く 駒1セット/1人を用意
今月末にほぼろの製作講習会を開きます。年四回のうちの夏の講習会です。麻郷公民館でしますが、平日でもありまた会場がやや狭いためいつもより少ない人数です。大人二人に子供二人の参加予定です。なお、平日に来られない方のため8月11日(日)に高塔公会堂でも開催することにしました。
これまでは、ほぼろ,買物籠,猫ちぐらなどを作っていただきましたが、今回は基本のほぼろを作ろうと思います。おそらく今回1日だけでは完成は難しいため、8/11あるいは秋の開催日にも参加していたいただけたらと思っています。
足踏み脱穀機を使ってわらのゴミを取る
さて、参加される方々に使ってもらうわらを、すぐに使えるできるようにあらかじめ加工しておきました。最初、農家の友達に分けていただいたわらを車のタイヤで何度も引いて柔らかくしました。続いて、足踏み脱穀機で細かなわらゴミを取り除きました。
このわらを使ってほぼろを作ってもらいます。本番では軽く水に浸した後、木槌で叩いてより柔らかくします。そして、その中からより良いわらを選んでほぼろの製作に使います。
次に、駒に紐をあらかじめ巻いておけば講習会の準備はOKです。
車のタイヤでわらを何度も引く 足踏み脱穀機でわらゴミを飛ばす
藍を栽培している畝は四つあるのですが、それぞれの畝を四回に分けて除草しました。四度にわたる除草はさすがに疲れます。来年からは二つの畝だけにしようと思います。
8月末か9月初め、藍葉を収穫してその場で乾燥させるつもりです。そして藍の乾燥葉をたくさん作ろうと思います。たくさん作っておけば数年はもちます。そうすれば、来年から数年間は今年ほど藍をたくさん栽培する必要がありません。また、小学校の放課後学習で藍染め体験に使う藍の葉はそんなに多く必要がありませんので。
水分補給しながら汗だくになって最後の藍の畝を除草
今回は最後の藍の畝の草取りでした。今後も小さな草が生えるでしようが、次は耕運機を使って耕運除草をしようと思います。
ところで、藍畑の近くに緑綿の苗を植えていました。まだまだ背は低いですがちゃんと育っていました。秋になれば綿を収穫できると思います。綿とは別にこぼれ種からそだった小豆も育つていました。食べるほどには収穫できないでしょうが、来年のための種は収穫できそうです。
蚊取り線香を持って除草 藍の根元を綺麗に除草 いい色の藍の葉
藍を育てている畑で、二つ目の藍の畝を除草しました。少しばかり曇っているとは言え、作業していると汗が流れてきます。藍も育っていますが、雑草も育っています。藍の除草で一番注意するのは、雑草を引き抜く時に藍もつられて一緒に抜いてしまうことです。雑草はしっかり根を張って土を掴んでいます。しかし藍は根が浅いうえに根が弱いのです。雑草の根が絡まっているため雑草と一緒抜いてしまいがちなのです。雑草と一緒抜けないように、藍の根元をしっかり押さえておきます。
藍と一緒に抜かないように雑草だけを選り分けて抜く
除草と言うと鎌で切ることが多いです。しかし、草の根が残っているとすぐに葉を出して、藍を追い越してしまうのです。とても面倒くさくて疲れるのですが、雑草は地下の根も取り除かなければなりません。そのため、指でしっかり雑草の根元を掴んで引き抜きます。おかげで指がバネ指のようになることがあります。夏は除草ばかりで嫌になります。
雑草の根元を掴んで根ごと引き抜く 今回は二列目の畝を除草
先月初めに藍の苗を植え替えしたのですが、その後は雨が続いて草取りや施肥などの管理できませんでした。久し振りに藍畑に行ってみました。すると、藍は根付いていましたが雑草が生い茂っていました。当然のことですが、栽培植物の藍よりも野生の草の方が勝っています。
草取りは雨が止んだ今しかできません。今回最初の草取りをしました。この暑さでは全ての畝の草取りを一度にできません。腰を下ろした草取り作業はとても辛いです。そこで数回に分けて草取りをすることにしました。少しでも楽になるようバケツの底に座って作業しました。
バケツの底に座って、藍間に生える草を取る
腰を下ろして除草をしていると、何か小さな物が飛び出ました。目をこらしてよく見るとアオガエルでした。小指の先より小さいので危うく踏みつぶすところでした。その小ささから推定するに、数日前にオタマジャクシからカエルになったばかりのようです。田んぼからこの藍畑に行き着いたのでしょう。
写真を撮った後、草むらに放しました。大人のカエルに成長して、来春には親カエルになって欲しいものです。小さな命を見ると、つい応援してしまいます。
もくもくと除草を続ける 極小のアオガエル 一畝の除草を終える
最初に苗を植え付けた畝は比較的藍がよく育っていました。藍を栽培するには適期があります。田布施の藍栽培歴を見ると、3月に種まきをして5月中旬には植え替えします。適期に栽培すると、今月中旬には葉を収穫できます。
今の育ち具合だと葉の収穫は7月下旬になりそうです。ただし、ほぼろ製作講習会と重なりますし、8月上旬に東京に帰省します。そのため、いつ葉を収穫しようと悩みどころです。8月中旬~9月上旬でしょうか。
良く育った藍、収穫可の葉 左端の藍の畝だけ今回除草
梅雨が明けないので思うように野良仕事がや草刈りができません。今回、雨が止んだ時を狙って緑綿の苗を畑に植えました。去年までは直播していましたが、どうしても根切り虫などの被害にあうことが多く何度も種を蒔き直すことがありました。そのため、洋綿(バルバゼンセ)と同じように緑綿もジフィーポットを使って苗を育てました。畑は雨に打たれて緩んでいましたが、湿っているためすぐに根が活着すると思います。後日、活着したことを確認して施肥しようと思います。
藍を育てている畑の横に緑綿の苗を植え付け
ところで、緑綿は収穫した時に薄い緑色をしています。しかし、しばらく経つと緑が脱色してきます。そのため、緑色の綿が収穫できたようで実は薄い茶綿ではないかと思います。また繊維の質もそれほど良くはありません。
以前茶綿などを栽培したことがありますが今は栽培を止めました。緑綿もあと数年栽培してみて、その後は洋綿(バルバゼンセ)だけを栽培しようと思います。繊維が長くしかも細いのでとても紡ぎやすいです。郷土館で紡ぎを実演する時に使っています。
育苗した緑綿の苗 植え付けた緑綿の苗