この日立製トランジスタラジオWH-901の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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中波が受信できない日立製ラジオを修繕していますが、このラジオは高周波増幅段がありとても精巧な作りです。このため、めったやたらに修理のために手を加えてしまうとさらに故障が拡大する恐れがあります。このため、実際の修理前に部品や回路図で調査しようと思います。
右上が高周波増幅段、中央部は他励式局部発信段、左下が混合段
このラジオそのものの回路図が無いので、同じ時代で同じようなトランジスタを使い、同じように他励式局部発信、高周波増幅段を持つラジオの回路図を参考にしようと思います。下の回路図は日立製トランジスタを使ったシャープ製ラジオの回路図です。
日立製トランジスタを使ったシャープ製ラジオの高周波増幅段回路図
局部発信回路もよく似ています。短波発信用の日立製トランジスタHJ71を使っています。全く同じではないと思いますが、この回路を参考にして実際の日立製ラジオの回路図を再現してみようと思います。回路図を丹念に追っていけば、断線箇所や容量抜けのコンデンサが分かるかも知れません。
日立製トランジスタを使ったシャープ製ラジオの他励式局部発信回路図
ちなみに、日立製トランジスタは昭和30年代にJIS名称統一のために番号が変わったようです。例えばHJ70が2SA80へと変わりました。実際、この日立製ラジオでは裏蓋にはHJ70使用と書いてありながら、2SA80が使われています。
トランジスタに関する古い書籍(昭和38年)を調べると、トランジスタの開発史を見る思いです。さらに古く昭和32年の書籍を調べると、当時一番性能の良いトランジスタを開発できたのは東通工(SONY)のようです。今のSONYへの発展はこの性能の良いトランジスタを開発できた事が基盤になっているのではないかと思います。
トランジスタ活用辞典(昭和38年発行)より