田布施町のわら細工民具の一つである「 ほぼろ」の側面を完成すると、「ほぼろ」製作で一番難しい底面の編み込みをしました。この底面の編み込みの出来が、「ほぼろ」の見栄え,使いやすさ,そして耐久性に繋がります。なお、底面の編み込みに入る前に、底面部のわらを柔らかくしなければなりません。ジョロで水を掛けるか、水を入れた洗面器に底面部を浸してわらを柔らかくします。
わらが十分に柔らかくなったことを確認して、底面中央部にわらを90度に曲げながら紐で編み込みます。今回は編物で言うところのチェーンステッチの要領で底面を編み込んで曲がりを固定しました。二本の針を交差しながら固定してもかまいません。蜘蛛の巣のように、中央部に向かって編み進みます。編み込みが終わると、手下げにするか肩掛けにするかを決めます。そして、それに合った長さの紐を取り付けて「ほぼろ」は完成となります。
左から、紐なし,手下げ紐付き,肩掛け紐付き「ほぼろ」の完成
ところで、底部外側は編み込みしやすいのですが、底部内側は曲がり針を使わなければ編み込み出来ません。今回のような小型の「ほぼろ」の場合、内側が狭いため特に編みにくいです。底部の外側も内側も、中心に向かって編み進みます。例えて言えば、蜘蛛が巣を作る時のようにぐるぐる回りながら編みます。なお、底部外側は「ほぼろ」を置いた時に座りが良いように平坦に編みます。一方、内側は心持ち中心が盛り上がるように編みます。
底になる部分を浸す 底部中心部に曲げ 底部を紐で編み込み
今回気が付いたのは、曲がり針の根元(紐を通す部分)が細い方が編みやすいことです。「ほぼろ」の製作講習会をする前に、通しやすいように曲がり針を加工しておこうと思います。
「ほぼろ」が完成すると、一人は肩掛けできるように長めの紐を付けました。もう一人は直接手で持つため紐を付けませんでした。私は手持ちできる紐を付けました。朝10:00から製作を開始して、午後17:00頃に完成しました。木漏れ日の木陰で、談笑しながらのんびり製作したため時間がかかったのではないかと思います。次回制作する時はもう少し早くできると思います。今回の試作に参加された方々、お疲れ様でした。
底部を曲がり針で編み込む 底部内側を編み込み中