外側の葉は虫食いでも、中心部は被害がなく回復
外側の葉は虫食いでも、中心部は被害がなく回復
脱穀機の上部蓋をはずして露出させた回転ドラム
いろいろ調べてみました。すると、ドラムを素手で強く回転させると脱穀機の下のほうからキーキー音がしました。脱穀機の下の方に頭を突っ込んで調べてみると、籾を排出するためのラセン部の軸から異音が出ていました。どうも、ラセン部のベアリングの油が切れたようです。すぐに、油を差してラセン部を左右に動かすとだんだん異音が小さくなりました。ベアリングが破損の場合は直しようがありませんが、なんとかスムーズに回転するようになりました。長い間油を差さなかったのが原因のようです。昔の農機具は頻繁に油を差さないと、よくこのようなことになります。
異音がでていたラセン部 ラセン回転軸にスポイトで油を差す
脱穀機を使っている「多摩丘陵の自然を守る会」の方々
今回脱穀したのは、隣の田んぼで「多摩丘陵の自然を守る会」の方々が作ったもち米です。2週間ほど前に稲刈りして干したものです。このところの快晴で十分すぎるほど乾燥していました。十分乾燥された籾は、後の工程の籾摺りや精米がよくできます。
脱穀前に積まれた稲 脱穀後にワラを置く
脱穀には私はほとんど介在しませんでした。脱穀の間は畑の草むしりをするなど他の用事をしました。そして、脱穀が終わる頃に田んぼに行きました。
稲を干していた竹ざおを解体
今年は去年よりも収穫量が少なかったとのことでした。減収の理由は、しっかりとした防鳥網を張っていたのでスズメによる食害ではなさそうです。ややイナゴが多かったことと、夏から秋にかけて長雨や台風があったための天候不順が考えられます。12時頃までには脱穀が終わりました。会の方々と一緒に脱穀機などの農機具を再びブルーシートで覆いました。脱穀終了後、田んぼの畦周りの草刈りをしました。
もうすぐ脱穀の終了
やや曇りの日曜日、今日は最後の稲刈りをしました。まず稲刈りの前にこれまで干してきた稲を脱穀作業をしました。脱穀した稲は、ボーイスカウト,別所小学校5年生,恵泉女学園生,そして私の勤める病院の同僚が稲刈りして竹竿に掛けて干した稲です。どれも稲刈りして1週間以上経っているため十分乾いています。
小学生などが足踏み脱穀した籾 脱穀機におかれた籾入れ袋
稲刈りした稲はあまり長い間田んぼに干しておくと、雨にあたって穂発芽して品質が低下します。また、りスズメに食べられたりもします。このところ晴天が続いているため仕事が休みの今日、昨日稲刈りした稲を除いて一気に脱穀しました。
最初乾いた稲を脱穀機のそばに積んでから脱穀開始
脱穀した稲藁はあとで細かく裁断して畑に撒きます。このため、脱穀が終わるたびに藁カッターまで持って行きました。束になった稲藁を両手を広げて包んで運びました。運んだ稲藁は藁カッターのそばに山積みしました。
籾は脱穀機そばに置いた籾袋に排出され貯まる
脱穀機を動かす発動機は2台あります。しかし、より古い脱穀機は故障で動きませんでした。予備の古い発動機を使って脱穀機を動かしました。寒いせいかガソリンを数滴空気吸入口にたらしてから動かしました。動かすとすぐ、冷却用の水を小川からくんで発動機に注ぎました。
籾袋に排出される籾 古い予備の発動機、快調!
古代米も脱穀しようかと思いましたが今日は止めました。古代米はとても茎が長いため、脱穀機の脱穀口に稲穂を揃えて入れることがやや困難です。次回脱穀することにしました。普通米を脱穀し終わった時点でお昼になったため、いったん休憩してお昼にしました。
私を除く今日の参加者、歓談しながら楽しく昼食
1時間ほど休憩すると、田んぼに残った普通米をすべて刈り取りました。古代米(イタリア人夫婦が田植え)が少し残っていましたが、台風で倒れた上に田んぼの水がなかなか抜けず長靴でもはまり込むため後日刈り取ることにしました。
最後に残った普通米を残さずすべて刈り取り
運搬機で移動中の脱穀機 運搬機で移動中の発動機
脱穀機を運搬し終わると、今度はその脱穀機を動かす発動機を運搬しました。これは、脱穀機よりも小さいので容易に移動できました。脱穀機と発動機を移動し終わると、それを平ベルトで連結して動かしてみました。寒かったため発動機がなかなか動かず、ガソリンを少々入れてやっと動きました。これで、脱穀の準備は完了です。
移設後、発動機と脱穀機を平ベルトで結んで試運転
脱穀機が動くことを確認すると、刈り残した稲を一人で刈り取りました。二人以上だと雑談しながら楽しく稲刈りできるのですが、今回は一人でもくもくと稲刈りをしました。そして、刈り取った稲を束ねて竹竿に掛けました。
傾いた日差しを背中に浴びながら、一人でもくもくと稲刈り
稲刈りしていると、東京薬科大学の学生さん二人が声を掛けてくれました。手には大きな鏡餅を持っていました。11/1~11/3の学園祭で作った鏡餅だそうです。ありがたく頂戴しました。確か去年も学園祭に行ったおりに鏡餅をいただきました。
稲束を干した竹竿 手に鏡餅、大学生二人
病院の同僚たちと一緒に稲刈りをしました。中には稲刈りがまったく初めての人がいましたが、わきあいあいと刈り取りました。最近面白いと思うのは、30歳や40歳代の方には稲刈りなどの農業体験のある方が少ない一方で、20歳代の方には稲刈り経験のある方が多いことです。これは小学校の総合学習で稲刈りなどの農業体験が増えたからだと思います。
のんびりと、稲刈りしたり刈り取った稲束を縛る同僚達
稲刈りは1時間ほどで終了し、田んぼの真ん中でバーベキューをしました。あらかじめ肉などをたくさん買い込んでもって来ました。炭に火をおこして、バーベキュー用の鉄板とおいて、さあ料理の開始です。
炭に火をおこして、楽しいバーベキューの開始
やってきた同僚の中に、新米パパとママがいました。一歳にならない赤ちゃんを連れてバーベキューに参加です。私も久しぶりに赤ちゃんを抱いて、昔を思い出しました。赤ちゃんって暖かくていいものです。
新米パパとママ、赤ちゃん うれしそうに赤ちゃんを抱く同僚
バーベキューの最初は焼きそばです。続いて定番の焼肉です。ウインナー、牛肉、豚肉などいろいろな肉を鉄板で焼いて食べました。こんなに肉を食べたのは久しぶりです。このころになると、風が強くなってきました。飛ばされる髪の毛を、手でよけながら歓談しながら食べました。
ウインナー、牛肉、豚肉、羊肉などを次々に焼いて食べる
ひとしきり食べると、田んぼの緑に囲まれながら休憩です。もう林は色づき始めています。秋もだんだん晩秋になりつつあります。稲刈りや脱穀もいいですが、時々田んぼでバーベキューのように楽しめる催しをする人も集まるのではないかと思います。昔、家族や親戚一同で稲刈りする時は、重箱にいっぱい料理を入れて筵に車座になってみんなで歓談しながらお昼にしたものです。
赤ちゃんを抱いて歓談休憩中
根元からポキリと折れて倒れた野菜
ヨトウムシは漢字で「夜盗虫」と書くように、夜に野菜を食い荒らして昼間は土にもぐって寝ています。昼間、土の中に潜むヨトウムシを探すことはなかなか困難です。被害のあった野菜の根元近くを掘ると潜んでいることが多いです。
土に潜んでいるヨトウムシ 手に乗せると逃げようとする
間引き中の壬生菜、ついでに株元に肥料
間引きした壬生菜は、それはそれで夕飯の汁物の材料になります。この野菜はやや葉が硬めですが、煮過ぎなければさくさくした歯ごたえがあるので好きな野菜の一つです。
間引き後の壬生菜、1ヶ月後もう一度間引き予定
31日の午前中、別所小学校5年生と恵泉女学園生の稲刈りの後始末や整理をしました。そして、午後2時頃に東京薬科大学の環境グループASIATOのメンバー数人が来て稲の脱穀をしました。平行して、脱穀した後に出るたくさんの藁を細かく切る作業をしました。秋晴れの中でさわやかな風を受けながら、のんびりと作業しました。
脱穀したあとに出る藁(ワラ)を、カッターで細かく切る
藁を切るカッターは去年買ったものです。本格的に使うのは今回が初めてです。最初は、投入する藁の量が分からず何度か詰まってしまいました。カッターを回すディーゼルエンジンの回転数を上げながら最適な回転になるようにしました。やはり、回転数を上げるほど、カットされた藁が勢い良く排出されます。
藁の量を調節しながらカッターに挿入
細かくカットされた藁は近くの畑に散布します。本当は牛糞などと混ぜて堆肥にしてから散布する方が良いのですが、堆肥場がないのでそのまま散布することにしました。数回耕運機で畑に土にうない込みます。畑の土のなかで一年位かけてゆっくりと腐ります。
カットされた藁を箕に入れる 箕に入れた藁を畑に散布
藁をカットする作業と平行して脱穀をしました。最初、大学生達が刈り取って干した稲を搬入しました。脱穀して出た藁は一箇所に置きます。すると、別の学生が置かれた藁を取ってカッターで細かく切ります。脱穀,カット,散布を同時に進行させました。
左手で脱穀、右手で藁をカット、カットされた藁を畑に散布
大学生達は脱穀,藁カット,そして散布の三班に分かれて作業しました。私はもっぱら農機具の見守りや調整に徹しました。脱穀機やカッターの調子を見たり、それを動かす二台のディーゼルエンジンに冷却水を補水したり軽油を入れたりしました。
脱穀機に乾いた稲を入れて脱穀する大学生達
環境グループASIATOの主なメンバーは来ていませんでした。明日からの学園祭(11/1~11/3)の準備をしているようです。私もその学園祭に行きたいところですが、明日からは仕事なので今年は行けそうもありません。
右の米袋に籾が排出される 脱穀し終わった藁を一箇所に置く
今年も元気な恵泉女学園生達が、稲刈りや脱穀作業にやって来ました。6月に自分達が田植えをした田んぼで稲刈りしました。ただ、今年は前日に稲刈りした小学生達がやり残していた稲を最初に稲刈りしました。稲刈りする前に、カマの扱い方,取り方,稲束の縛り方などを講義しました。
刈り取り方法や稲束の縛り方などを講義してから稲刈り開始
10月の秋晴れの日、風が心地良く体を通り過ぎていきます。稲刈りしていると日が昇るせいもあってだんだん体が熱くなってきます。各人めいめいに袖をまくるなどして稲刈りしました。
最初、小学生が残した稲を刈り取り
稲を刈り取ると、少し混じった古代米を選別します。そして、それぞれを稲束にしてワラで縛りました。縛るとき2,3本のワラを使います。縛るときにそのワラで強く捻ります。また、捻った部分を内側に入れますが、この時に指先に力が必要です。まだ力が弱い小学生達には、稲束を縛って捻ることが苦手です。しかし、さすが大学生達は簡単にこなします。
刈り取った稲を束ねて、ワラ数本で結束
私が数多く教えた経験上、稲刈りがすぐにできるのは小学校高学年以上の年齢です。稲刈りをスムーズにこなすには、ある程度の手ひらの大きさ,指先の力,そして指先の器用さが必要だからでしょうか。おおざっぱに言って、10歳以降が稲刈り体験に向いているのではないでしょうか。ちなみに、私は小学生低学年の時から稲刈りを手伝っていました。
稲束を竹竿上に置いて結束 稲束を手に持って結束
刈り取って束ねた稲を結束すると、竹竿に掛けて干します。快晴が続けば4日間程度で完全に乾きます。乾くとようやく脱穀することができます。稲刈りした直後の稲は十分乾いていないため、今回は6日前にボーイスカウト達が稲刈りして干した稲を使って脱穀しました。
束ねた稲を、二段になった竹竿に掛けて乾燥
稲刈りが終わると脱穀です。今回は二種類の脱穀機を使ってもらいました。最初、千歯扱こぎを使ってもらいました。はじめにその千歯扱ぎを自分達で組み立ててもらいました。彼女達にとってパズルのようでした。あーでもない、こーでもないと言いながら皆で組み立てました。
えっ!どうやって組み立てるの? ようやく完成に近づきました
私がアドバイスしながら何とか千歯扱ぎを組み立てることができました。「せんばこぎ」の名前を言うと。誰かが「あーそれ、習ったことがある!」と言いました。知識で習うだけでなく実物を触って使わないと、なかなか覚えられないものなのでしょうね。
実際に千歯扱ぎを使って脱穀、以外と難しい
千歯扱ぎでの脱穀体験が終わると、これまた古い時代の足踏み脱穀機を使ってもらいました。明治か大正時代のものではないかと思います。私も子供の頃、田んぼで使っていた光景を覚えています。あの足踏み動作と共に、ガーコン ガーコンという音は今でも鮮明に覚えています。
最初は幌なしで脱穀 幌を付けて脱穀
脱穀が終わるとブルーシートの上に散らばった籾を回収します。しかし、ワラ屑もたくさんあります。籾とワラ屑を集めてふるいの網を通して籾だけを選別し袋に入れます。これで、稲刈り,稲束乾燥(はさ掛け),脱穀,籾収穫の一連の作業を体験しました。
集めた籾とワラ屑をふるいの網にかけ選別、籾だけを回収
ある大学生が脱穀したワラの先にある穂の部分を切り取って束ねていました。聞くと、小さな手箒にしたいとのこと。そこで、穂を綺麗にカットできるワラカッターを持ってきました。ついでに束ねた穂を縛る細い縄を編んであげました。その縄で束の根元を縛ると小さな手箒が完成しました。ちょっとした、ワラを有効利用するアイデアでしょうか。
手箒を作っている大学生達
今日稲刈りに来た大学生達は農業を仕事にすることはないでしょう。しかし、将来子供を生み育てる立場になったとき、家族を支える安全な食べ物に気を配ることになると思います。そんな時、全くの無化学肥料,無農薬で稲を育てているこの田んぼを思い出してもらえたらと思います。
今日稲刈りにやってきた元気な女子大生達