すぷりんぐぶろぐ

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水で洗われ風にさらされ良くなっていく

2007年07月20日 | 教育ノート
 「人」を「良」くするのが「食」か、と単純に考えていたが、良そのものも調べてみると奥が深い。漢字のシリーズも続けているといろいろ考えさせられるものだと改めて思った。
 
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 保護者のご家庭向けに週1回程度のペースで学校報をお届けしていますが、それに「今週の一字」と称して、漢字の字源などを紹介していくコーナーを設けてあります。学期末のPTAの教育講演会で「食育」のことが取り上げられたので、「食」について調べようかなと思っていました。

 「食」は「人(ひとやね)」と「良」の組み合わせだなと単純に思いましたが、実は「食」そのものが部首で、「穀物にふたをしている様子」から出来た象形文字でした。すると「良」というのは穀物のことかなと考え、さらに調べ進めると…
              
 「良」は右の図(略)のように、稲や麦のつぶを洗ってきれいにするようすを描いたということが書いてあります。別の辞書には似たような図が書かれてありましたが、意味は少し違っていました。穀物に風を送ってもみ殻を取り去って実だけにする道具ということです。よいものを選ぶという意味に通ずるということです。
 いずれにしても、穀物を水や風によって質の良いものにしていくということが表されていると言えます。
                 
 子供を穀物に喩えてはいけないかもしれませんが、教育という営みも似ている気がします。水で洗い、風をあて、質の良いものにしていく。洗われたり、風にさらされたりする過程では様々な出来事があるに違いありません。しかしそれらを経て、粒は磨かれ、しっかりした中身を備えていくのでしょう。
 
 夏休みは学校という風が止んで、地域の水、家庭の風という面が強くなります。具体的には生活リズムを守って過ごしたり、近隣のイベントに参加して交流したり…とすべてが磨く場となります。休み明けには浅黒くぴかぴかになった良い姿をみられるものと楽しみにしています。
(7/15)
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