すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

身体が求めてやまない声

2009年08月27日 | 読書
 『「詩のボクシング」って何だ』(楠かつのり著)を読み直している。

 著者が中高生の頃の体験が綴られている第二章に、印象的な言葉がある。バスケットボールをしていてライバル校の選手の高速シュートに憧れを持つ件である。こんなふうに書かれている。

 高速シュートを自分のものにしたいと、身体が求めていたのだと思う。
 身体が求めてやまないものがある。
 声もまたそうなのだ。

 わかる気がする。
 単純な例だが、子どもたちに速い音読を指導すると非常に満足げな表情をすることがある。
 テンポアップした斉読などをさせた時に、上記した顔で繰り返しやりたいとせがむ子どもがいた。
 間や強弱などをありったけ強調した音読を聞かせ真似するように言ったとき、喰いつくように練習を始めた学級もあった。

 声を求めている。
 身体を震わせる、響かせる声を求めているのだ。

 詩に手振り身振りを加えるといったことではなく、身体を使って音読するということは、身体を揺さぶる、心を揺さぶることだと言える。
 「詩のボクシング」には創作の要素もあるので、簡単に一緒にはできないが、名作と言われる文章の言葉を声によって立ち上がらせ、自らの身体に取り込むようなイメージだろうか。

 そういう体験を重ねることは、「声を鍛える」に通ずることは間違いない。
 「まず、音読」…そんなふうに5月の校内研修のスタートで言ったが、二学期はその実際編にじっくりと取り組んでいきたい。

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 h-numazawa★nifty.com (★を@に換えて)

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