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桜と絵本と豆乳と

ダトヘバ、ナジス

2009年08月15日 | 読書
 いかにローカルとはいえ、出版社の名前さえヒットしなかった。
 書名の検索では、わずかに県内のとある議員が読んだと記録しているブログが1件。
 そういう図書に目が向く自分も、いかにローカルでマイナーかがわかる。
 そこはさておき、なかなか面白い発想ではないか。

 『おらほがもし100人の村だとへば(秋田県版)』(島澤諭著 東北文化出版)
 
 当然ながら、数年前のベストセラーの発想を借りて、全国一の学力?と人口減少率を誇る我が県の実情を語るものである。
 原因や解釈は書き込まれていないが、ダウンサイジングによって鮮明に見えてくる事実には、詳細に示されるデータよりも力があることを知らされる。

秋田県がもし100人の村だったら
1年間に1人亡くなり、
1人、生まれます。
1人、秋田村に移り住み、
2人、秋田村を出ていきます。
 
 総人口111万人のこの県にとっておそらく一番重いこの表記が頭に残る。
 人口流出は過疎の地方にとっては避けられない問題であり、国全体の構造とも強く結びつくわけだが、「村民」としての立場での努力も無視できないだろう。どこから手をつけられるか、
 そんなヒントがこの本から見つけられないものか、ひととき思案した。

 ところで、100人の村でなくてもいい数値だが、「塩」と「砂糖」の世帯あたりの消費量が全国一であることに少しびっくりした。
 単純にはいいイメージはないが、一つの食文化があることも確かであり、そのあたりに光は見えないものか。