すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

欲望に支配されたポチ

2010年03月08日 | 雑記帳
 久しぶりに買った雑誌「宝島」の4月号を読んでいたら、ちょっと気になる表現が。

 ポチりそうな  ポチった
 
 イヤフォンをアマゾンで…といった話題なので、なんとなくこれはパソコンをクリックして購入することだなと見当をつけた。

 案の定、検索してみたら、その通りで結構使われているらしい。
インターネットスラングというところがなかなかだね、などと思いながら、いつ頃から?数年前に出た「みんなで国語辞典!」(大修館書店)には載っているのかな?などと手にとってみたら、また面白いことが。

 この意味は2006年の段階で載ってはいないが、「ぽち(ポチ)」という医療用語!があるのではないか。点滴のことである。単独では使われなくて、点滴をしながら病院内を歩くことをこう呼ぶらしい。

 ポチをつれて散歩

 うまいじゃないか。とここで思わず浮かんだのは、講談社のPR誌『本』に連載されている町田康の小説。
 「スピンク日記」と題されたその話は、作者の日常をペットであるスピンクという犬の視点で綴っているものである。
 その手法や自虐的な表現などはありがちなのだが、スピンクが主人(作者)につけた名前が秀逸。

 ポチ 

 「ポチ」は言うなれば古典的な犬の名前、昔は、犬≒ポチというくらいポピュラーであった(?)。
 犬といえば従順、主体性がなく、ご主人に逆らうことなどない…そこから生まれるイメージは被支配者か。

 そうなると、病院のポチはともかく、クリックして商品購入するポチも、あれこれくだらない物品を性懲りもなく買って失敗するポチ(主人)も、どちらも「欲望に支配されたポチ」だね、などと強引なまとめをしたくなる。