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B面の思い出

2010年03月12日 | 教育ノート
 かなり以前から、この季節になると感じていたことだ。

 卒業生の語る思い出がつまらない。いや、つまらないというよりワンパターン過ぎるのではないか。

 まず一番よくあるのが「修学旅行」、しかも「ベニーランドで○○に乗った」。次は大会入賞などのこと。そしてキャンプのこと…と本当にいくつかしか出てこないのはどういうわけだ。

 その思い出が本当に強烈だから、みんなと一緒に過ごした時間が濃密だったから…という好意的な解釈はある。もちろん、それはそれで素晴らしい。それこそ学校教育(主として特別活動)の成果だろうという見方もできる。
 
 作文の書きぶりやインタビューの受け答えがパターン化することはある意味で学習の成果だが、その内容まで同じになってしまうのはいかがなものか…しかし、そんな傍観者的な物言いでは駄目ですな。

 そこにも「掘り起こし」があってしかるべきだ。作文の学習同様、集材があり選材があるように、そういうステップを踏むべきだろう。「学年別」や「活動別」という枠、数の指定やマッピングのような方法など、もっと多彩な働きかけをするべきではないか。
 といっても小学校卒業担任の仕事の中で、それがどれほどの優先順位になるものか、ちょっと自信がないところもある。一律に望むのも酷ではあろう。

 ということで横から世話をするとすれば、そんなシートを作って書き込む形を作ろうということになる。将来的にはきちんとしたものを作りたいが、今は「設問」だけでとりあえず卒業生に書いてもらうことにした。
 考えたのは、六つの質問。

 ★小学校の中で好きな場所はどこ?
 ★あなたの小学校での一番の「ドジ」は何?
 ★学校に来て、一番にがてな時間はいつ?
 ★あなたのお気に入りの給食メニューは何?
 ★小学校で読んだ本の中で、一番心に残っているのは何?
 ★6年間で一番忘れられない勉強は何?

 まだまだ細かくできると思うが、この辺りでもその子の「味」が見えてくるのではないか。

 この返答を「一言集」としてまとめ、卒業式の日に出す予定である。
 そして自分で一番気に入っているのは、そこにつけたタイトル。

 「B面の思い出」 (さすが昭和の男だ)