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数値化の問題と向き合う

2010年03月29日 | 読書
 80年代後半に発表された深澤久氏の道徳実践「命の授業」は衝撃的だった。
 追試という形で当時受け持っていた学級で行った記憶がある。
 道徳に腰がひけていた自分が、ほんの一歩前へ進むきっかけを作ってくれたようにも思う。

 さて、今さらながら『道徳授業言論』(日本標準)を手に入れて読んだ。2004年の刊である。
 がっしりとした骨太の内容であり、納得、共感できる点も多かった。
 
 第三部は「評価篇」と名づけられ、最終章は「マクロの評価」である。そこで深澤氏は次のような「仮説的提案」をする。

 ~「道徳性」を数値化する ~
 
 大きな問題である。避けて通れない問題である。
 生きるとは何か、道徳とは何か、学校とは何か、指導とは何か…そういう問いを踏まえて検討されなければならない。
 
 指導がある以上評価があるということを前提とすれば、一面で数値化の存在を否定することはできない。
 そして数値化を避けて通っている現状において、正対しないまま数値化もどきが行われている事実もあろう。

 この問題に向き合うことは、やはり大きく指導の質とかかわってくるだろう。
 何が数値化できるか、数値化は何を目指すか…
 (考えてみれば「命の授業」も数値化の問題だ)

 新年度の新たな提案の一つに、学級経営におけるチェックリストの活用がある。
 つまりそれは数値化の問題と向き合うことである。