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長月の研修会参加記①

2011年09月04日 | 雑記帳
 新潟県十日町市の東小学校で行われた「学級力・授業力アップ研修会」に参加した。
 夏休み中に「遠征」に行けなかったので、とても楽しみにしていた研修会だった。台風の接近が少し不安だったが、雨らしい雨にも見舞われることもなく、無事にそして多くの収穫を得て帰宅できた。

 いや、今回は「収穫が多い」という言い方より「収穫が深い」とした方がいいかもしれない。形容が少し変だが、なんとなく伝わらないだろうか。良質なイメージが残る会だった。

 今回の講師は、赤坂真二先生、堀裕嗣先生、野中信行先生という顔ぶれ。なんといっても赤坂、堀両先生の子ども相手の授業があることが目玉だ。当初は野中先生も行うプランがあったようだが、いつの間にか変更になっていたのが唯一残念だった。

 さて、印象深いことをいくつか残しながら振り返ってみたい。
 
 赤坂先生の授業。
 以前ネットワークでその姿を拝見し、そのテンションの高さにびっくりさせられ(それ以来ブログも拝見しているが)、この先生はどんな授業をするのだろうか、と興味を持っていた。
 
 まさしく「赤坂ワールド」というような一時間だったのではないだろうか。
 提案授業は「道徳」。ディズニーランドのエピソードを導入して、「ゲストが笑顔になるひみつ」を全員で探ろうとする内容だった。そこからクラスの生活(個々ができること)に踏み込んでいく流れとなったが、それは赤坂先生が授業中に子どもたちの様子や力を見極め、方向づけしたと語っていた。
 
 とにかく「盛り上げる」「いいところを見つける」ということに徹する教師の姿勢が半端ではない。

 具体的な例はいくつも見つけられるが、私はもう授業の導入段階で、一人の男児が発した「否定的な言葉(からかい、ふざけの要素を持つという意味で)」への対処の仕方で、ああ納得という感じを持った。
 受けもしない、そのまま進める。それよりその子の言動の価値ある部分を見つけ誉めていく。それがスピード感を持って、十分すぎるほどの量を持って行われる。結果、見事に授業に染まった子どもがいた。

 赤坂先生は子どもたちに、説明に対して言語も身体もできるだけたくさんのリアクションをするように求めた。
 情報交換のときに質問をした方がいたが、この点に関していいことと感じていながら、実際なかなか踏み出せない教師が多いかもしれない。
 何故か。
 子どもの反応を保障し表現を促していく…それは教師にとって好ましいことだが、そのことによって莫大に増えていく情報量に対する処理能力に自信がないからと言える。情報選択に迷いがあるからとも言える。

 それらを断ち切り、踏み出していくには、やはり相当な覚悟が必要なことは確かだ。
 しかし、子ども同士の話し合いを軸に進めていく見本のような今回の授業を見たとき、覚悟を持つための大きなヒントが提示されている気がする。

 つまり、明確な方向性を示すこと。
 教師がぶれずに子どもの発言を価値づけること。

 タイプが全く異なった堀先生の次の授業でも、それは同じだった。