すぷりんぐぶろぐ

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いつかのキラリが輝けば

2017年06月12日 | 雑記帳
 「小町まつり」には縁がなく、今まで一度も行ったことがなかった。

 しかし、今年のパンフに載ったわらび座ミュージカル「小野小町」のキャストに目が留まった。
 見覚えのある懐かしい名前があり、これは観に行かなければと足を運んだ。


 雨は降らなかったが、やや肌寒い感じのするお天気。
 12時ちょうどからの上演を待つ、多くの観客が集まっていた。

 野外でもあるし、他の催しとの兼ね合いもあったのか1時間弱のショートバージョン。
 しかし、わらび座らしい持ち味のあるステージだと思った。
 室内であれば、照明等の工夫でもっと完成度は高くなるだろうが、それはともかく「小町の郷」を謳うこの地で行うパフォーマンスはまた格別に響く気がした。





 さて、お目当のその娘も舞台上で存分に躍動していた。
 年齢からすると、まだ入団して2年目ぐらいではないかと思う。
 小学生の頃は少しやんちゃなイメージはあるが、それが舞台上で見事に昇華されているような気がして嬉しかった。

 そういえば、この子と一緒にいた山間部の小さな小学校で、学習発表会の中に「ひとりひとりのキラリ」と題して、個人発表を取り入れたことがあった。
 これは自分が提案した教育活動の中でも、非常に充実感の残っている実践だ。

 彼女はきっと表現することの良さ、素晴らしさの実感をそれまでの生活で積み重ねてきたからこそ、今この場でステージに立っているのだと思う。
 もしかしたら小学校時代の一コマであっても、ほんの数ミリ程度は役立っているのかもしれない。
 そんなことを想うと心が少し暖かくなる。


 その頃、日刊で続けていた学校ブログのデータを探してみたら、なんと、最終更新日の写真がその子(修了式での発表)であった。当時入っていた吹奏楽部の練習風景とともに再掲する。




 晴れ姿をできるだけ近くで観たいと思い、舞台前に敷かれたブルーシートに座ったら、たまたま彼女のご家族と隣り合わせた。

 大きな拍手で終了し、隣のご家族によかったねと声をかけた。

 お父さんの目は、真っ赤に潤んでいた。