久しぶりに家人の作ったパンフラワー作品を、図書館カウンターに飾った。今回はアネモネである。名はよく聴くが、あまり馴染みのなかった花だ。せっかく置くならタイトルでも添えようと考えた。花言葉がいいかな…いや俳句はどうかと歳時記を調べたら、ちょうど春四月の季語にもなっていた。例句を見ると…
アネモネのむらさき濃くて揺らぐなし 水原秋桜子
アネモネのごと一病をかかえたる 宇多喜代子
なんだか、強いか弱いかわからないイメージだ。もちろんその場によって、また人によって違うのは当然だが、とらえどころがない。それに比べて次の三句は比較的くっきりしているか。
アネモネに不良の匂ひして真昼 櫂未知子
アネモネや父に持たせる女傘 正木ゆう子
アネモネやタンゴ流るる理髪店 梅田圭一郎
しかし、これらを添える句として使うのはためらってしまうな。艶っぽいとまでは言わないにしても、アダルトムードだ。そして候補として残ったのが三つ。
アネモネやきらきらきらと窓に海 草間時彦
まっさらなノートいろいろアネモネ語 永末恵子
どちらもいい情景が浮かんだが、最終的に選んだのは下の句である。苦いスタートと言える四月だけど、このあとの日々を信じて添えてみた。
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アネモネのむらさき濃くて揺らぐなし 水原秋桜子
アネモネのごと一病をかかえたる 宇多喜代子
なんだか、強いか弱いかわからないイメージだ。もちろんその場によって、また人によって違うのは当然だが、とらえどころがない。それに比べて次の三句は比較的くっきりしているか。
アネモネに不良の匂ひして真昼 櫂未知子
アネモネや父に持たせる女傘 正木ゆう子
アネモネやタンゴ流るる理髪店 梅田圭一郎
しかし、これらを添える句として使うのはためらってしまうな。艶っぽいとまでは言わないにしても、アダルトムードだ。そして候補として残ったのが三つ。
アネモネやきらきらきらと窓に海 草間時彦
まっさらなノートいろいろアネモネ語 永末恵子
どちらもいい情景が浮かんだが、最終的に選んだのは下の句である。苦いスタートと言える四月だけど、このあとの日々を信じて添えてみた。
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