すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

ホントとウソは割合で

2020年11月28日 | 読書
 このところあまり雑誌を買っていない。興味が薄れている気がする。取り上げる特集などにピンとこないのか、ネット情報で足りているのか…。雑誌通を自称していた身が懐かしいほどだ。その反動ということはないだろうが、中古本などで、ほんの少し興味を持つとすぐ買い求めたりする。この新書もその流れだ。

『衝撃の真実100』(神岡真司 ワニブックス)


 六章構成で「人間」「世の中」「お金」「行動・心理」「生き物」「近未来日本」の様々な情報を「ウソorホント」の形で見開き2ページで解説するが単なる雑学本だった。例えば「バカは風邪をひかない―はホントだった!」とあるが、この医学的根拠をどこに求めるかというと相当怪しいし、お気楽な読み物に過ぎない。



 それでも「行動・心理」は興味ある分野なので、オッと思った箇所も多い。特に「声を出して行動すると『能力』がアップする-はホントだった!」。シャウト効果と呼ぶそうだ。有りだなと思う。しかし最後に出された事例に笑う。「オノマトペ研究家」なる研究者が「跳び箱が飛(ママ)べない子供10人」を相手にする。


 「助走時に『サー』、踏み切り時に『タン』、手を突く時に『パッ』、着地時に『トン』」の要領で教えたら、「全員が跳び箱を飛(ママ)べるようになった」とある。跳び箱指導世代(笑)としては、こんなかけ声など基礎中の基礎であり、どこまでの「全員」かと難癖をつけたくなる。ホントとウソは割合で示される要素かもしれない。


 立場、思想、利害などによって物事の見方が大きく変わるように、ホントとウソは絶えずせめぎ合っている。再燃した「桜を見る会」もしかり。もう一冊の『ランキングの罠』(田村秀 ちくま文庫)もそれで括れる。この本も読み流せる程度の内容だったが、日本人のランク好きを改めて感じ、考えたこともあった。
 明日へ。