すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

初々しい時間を取り戻せ

2020年11月06日 | 雑記帳
 今週初めの読み聞かせは、終了後ちょっと後味が悪かった。失敗だったかという思いが残った。読みに詰まったり、間違えたりということはなかったが、対象の5年生の反応(子供たちはそれなりに感想を述べてくれた)が今ひとつ自分に響いてこなかった。ということは、選書か。読みの技術、工夫の足りなさか。



 実は今回、こんなふうに切り出して紹介した。「絵本というのは、絵とことばで出来ています。なかには絵だけの本もあるし、逆に文字、ことばが多い本もあります」と言って、「絵が中心」の『サルビルサ』(スズキコージ)と「文(ことば)が多い」の『いちはちじゅうのもぉくもく』(桂文我)を取り上げたのだった。


 『サルビルサ』は不明な言語が短く発せられるだけで、絵を見て展開を想像する話だ。人数も多いので大型TVに映す形で行った。ただ高学年にとっては短かったので、物足りなかったか。そんな印象も残った。もう一冊は落語「平林」を元にした、いわば語り主体の本。笑いも起きたが予想した場面ではなかった。


 落語の絵本は結構ある。しかし現職の時から何度となく「紙芝居」で取り上げてきたのは、絵本を見せながら語る難しさを感じていたからだ。先月の研修会で講師からその書名を聞いたものだから、少しやる気モードに入った。結構読み込んで臨んだつもりだが、甘くなかった。「噺」を語る腕前には遠いということか。


 読み聞かせの大先輩の原稿を読ませていただく。「長い文章を時間内に読みきるために滑舌の訓練中です。笑ってくれるかしら。うまく伝えられるかしら。何歳になっても初々しい時間を取り戻せます」と記されていた。自分が反省するべきは、練習時間の気持ちの持ち様か。「初々しい時間」から離れた気がしている。