講師 黒川が語る
今回は各保険制度で設けられている「不服申立て」の制度について見比べて
みたいと思います。
お手元の各科目テキストの巻末のほうに掲載されている事項ですね。
1「健康保険法」「厚生年金保険法」
「被保険者の資格」、「標準報酬」、「保険給付」の決定に関する処分に
不服がある場合、「社会保険審査官」(各地方社会保険事務局に在任)に
「審査請求」することができます。
同審査官はこれを受け請求内容を判断しますが、この決定に不服の場合、
又は審査請求後「60日以内」に審査官より決定がなされない場合、更に
「社会保険審査会」に「再審査請求」をすることも可能です。
一方、「保険料」に関する処分(徴収金、督促・滞納処分等を含む)に
不服がある場合ついては、「社会保険審査会」に「審査請求」をすることと
されています。
2「国民年金法」
「被保険者の資格」、「給付」、に加え国民年金法では「保険料」に関する
処分について不服のある場合、「社会保険審査官」に「審査請求」をすること
ができます。1とは異なり、「保険料」に関しても同審査官に対して審査請求
をする点ですが、国民年金の保険料は健康保険・厚生年金保険と異なり額が
少額かつ原則、一律の額であり専門的な審査の必要性が少ないこと等が挙げ
られます。
3「労働者災害補償保険法」「雇用保険法」
「労災保険」:「保険給付」に関する決定に不服がある場合、「労働者災害補償
保険審査官」(各都道府県労働局に在任)に「審査請求」ができます。
「雇用保険」:「被保険者になった/でなくなったことの確認」、「失業等給付」
に関する処分(失業等給付の返還にかかる命令等を含む)に不服のある場合、
「雇用保険審査官」(各都道府県労働局に在任)に「審査請求」をすること
ができます。
いずれも各審査官は請求を受けて判断を決定しますが、これに不服の場合、又は
審査請求後「3箇月を経過」しても決定がない場合、「労働保険審査会」に再審査
請求をすることもできます。
両保険の「保険料の徴収」については「労働保険徴収法」の規定に従いますが
(うっかり見逃していませんか!)、「概算保険料・確定保険料の認定決定」の
処分に不服のある場合、「都道府県労働局歳入徴収官」へ「異議申立て」をする
ことができます。
同歳入徴収官の決定に不服の場合、「厚生労働大臣」へ審査請求をすることも
できます。
なお、一般に行政庁による違法・不当な処分に対しては、行政不服審査法に
より直接処分を下した行政庁に対し「異議申立て」を、更に不服の場合、
上級庁へ「審査請求」ができるものとされています。
ただし、社会・労働保険の給付等に関する問題は専門的かつ具体的な判断が
必要であることから、上記の労働保険料に関する決定を除き、「審査請求」
「再審査請求」制度を採用しています。
また本来、行政事件訴訟に訴えることも可能ですが、裁判所よりもこれらの機関
の方が格段に専門的知識を有し、かつ事前に解決できるケースも多いことから、
各保険審査会・厚生労働大臣の裁決・決定を経た後でなければ提起できないもの
とされています。
「不服申立て」制度は、よく「科目横断整理」と題して比較される事項では
ありますが、整理された表を見ただけでは中々頭に入り辛いものです。
表を見つつ、(余裕のある方は)今まで使ってきた各テキストを見比べて最終の
確認に努めて下さい。
今回は各保険制度で設けられている「不服申立て」の制度について見比べて
みたいと思います。
お手元の各科目テキストの巻末のほうに掲載されている事項ですね。
1「健康保険法」「厚生年金保険法」
「被保険者の資格」、「標準報酬」、「保険給付」の決定に関する処分に
不服がある場合、「社会保険審査官」(各地方社会保険事務局に在任)に
「審査請求」することができます。
同審査官はこれを受け請求内容を判断しますが、この決定に不服の場合、
又は審査請求後「60日以内」に審査官より決定がなされない場合、更に
「社会保険審査会」に「再審査請求」をすることも可能です。
一方、「保険料」に関する処分(徴収金、督促・滞納処分等を含む)に
不服がある場合ついては、「社会保険審査会」に「審査請求」をすることと
されています。
2「国民年金法」
「被保険者の資格」、「給付」、に加え国民年金法では「保険料」に関する
処分について不服のある場合、「社会保険審査官」に「審査請求」をすること
ができます。1とは異なり、「保険料」に関しても同審査官に対して審査請求
をする点ですが、国民年金の保険料は健康保険・厚生年金保険と異なり額が
少額かつ原則、一律の額であり専門的な審査の必要性が少ないこと等が挙げ
られます。
3「労働者災害補償保険法」「雇用保険法」
「労災保険」:「保険給付」に関する決定に不服がある場合、「労働者災害補償
保険審査官」(各都道府県労働局に在任)に「審査請求」ができます。
「雇用保険」:「被保険者になった/でなくなったことの確認」、「失業等給付」
に関する処分(失業等給付の返還にかかる命令等を含む)に不服のある場合、
「雇用保険審査官」(各都道府県労働局に在任)に「審査請求」をすること
ができます。
いずれも各審査官は請求を受けて判断を決定しますが、これに不服の場合、又は
審査請求後「3箇月を経過」しても決定がない場合、「労働保険審査会」に再審査
請求をすることもできます。
両保険の「保険料の徴収」については「労働保険徴収法」の規定に従いますが
(うっかり見逃していませんか!)、「概算保険料・確定保険料の認定決定」の
処分に不服のある場合、「都道府県労働局歳入徴収官」へ「異議申立て」をする
ことができます。
同歳入徴収官の決定に不服の場合、「厚生労働大臣」へ審査請求をすることも
できます。
なお、一般に行政庁による違法・不当な処分に対しては、行政不服審査法に
より直接処分を下した行政庁に対し「異議申立て」を、更に不服の場合、
上級庁へ「審査請求」ができるものとされています。
ただし、社会・労働保険の給付等に関する問題は専門的かつ具体的な判断が
必要であることから、上記の労働保険料に関する決定を除き、「審査請求」
「再審査請求」制度を採用しています。
また本来、行政事件訴訟に訴えることも可能ですが、裁判所よりもこれらの機関
の方が格段に専門的知識を有し、かつ事前に解決できるケースも多いことから、
各保険審査会・厚生労働大臣の裁決・決定を経た後でなければ提起できないもの
とされています。
「不服申立て」制度は、よく「科目横断整理」と題して比較される事項では
ありますが、整理された表を見ただけでは中々頭に入り辛いものです。
表を見つつ、(余裕のある方は)今まで使ってきた各テキストを見比べて最終の
確認に努めて下さい。