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■□ 2008.2.25
■□ K-Net 社労士受験ゼミ
■□ 合格ナビゲーション No223
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1 はじめに
2 過去問データベース
3 労働契約法・その1
4 白書対策
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1 はじめに
3月1日から、労働契約法が施行されます。
この法律、当然、社労士試験の出題範囲に入りますが、
今年、出題されるかどうか、これは何とも言えないところです。
ただ、法律的には重要な法律といえますので、何かしら出題されるのでは
と思っているのですが・・・・
そこで、今号から、ポツポツと労働契約法の解説を掲載していきます。
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2 過去問データベース
今回は、平成19年労働保険徴収法<労災>問9―D「保険料の還付」です。
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政府は、保険年度の中途において、一般保険料率の引下げを行った場合に
おいて、当該引下げに相当する額の労働保険料が厚生労働省令の定める額
を超える事業があるときは、当該事業の事業主の請求に基づき、その超える
額を還付することができる。
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一般保険料率の引下げがあった場合の労働保険料の取扱いに関する問題です。
まずは、次の問題を見てください。
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【 15-労災10-C 】
政府は、保険年度の中途において、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、
第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引下げを行った場合
において、当該引下げに相当する額の労働保険料が厚生労働大臣の定める額
を超える事業があるときは、その超える額に相当する金額を当該事業の事業主
に還付するものとされている。
【 14-労災9-B 】
事業主は、減少後の保険料算定基礎額の見込額が減少前の保険料算定基礎額の
見込額の100分の50を下回り、かつ、減少後の保険料算定基礎額の見込額に
基づき算定した概算保険料の額との差額が10万円以上であるときは、その日
から30日以内に、減少後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働
保険料の額との差額につき所定の申告書を提出することにより、還付を受け
ることができる。
【 19-労災9-B 】
事業主は、保険料算定基礎額の見込額が増加し、又は減少した場合において、
増加後の見込額が増加前の見込額の100分の200を超え、又は減少後の見込
額が減少前の見込額の100分の50未満となるときは、その日から30日以内
に、増加後又は減少後の見込額に基づく概算保険料の額と納付した概算保険料
の額との差額を納付しなければならず、又は当該差額について還付の請求を
することができる。
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【 19-労災9-D 】と【 15-労災10-C 】は、年度の中途に保険料率の
引下げがあった場合、労働保険料を還付するとしています。
【 14-労災9-B 】と【 19-労災9-B 】は、保険料算定基礎額の見込額
が減少した場合、やはり労働保険料を還付するとしています。
いずれも誤りです。
保険料率の引上げがあれば、追加徴収が行われます。
保険料算定基礎額の見込額が増加し、一定の要件に該当すれば、増加概算保険料
の申告・納付が必要になります。
これに対して、労働保険料の額が減少する事態が生じた場合、その額がどんなに
高額であっても、年度の中途において還付されるという規定はありません。
事業主にとってみると、なんだかずるいような気がしますが・・・・
確定保険料として精算するまでは還付されませんので。
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3 労働契約法・その1
労働契約法がなぜできたのか、その点について、通達で明らかにされています
ので、まずは、そちらを。
労働関係を取り巻く状況をみると、就業形態が多様化し、労働者の労働条件が
個別に決定され、又は変更される場合が増加するとともに、個別労働関係紛争
が増加しています。しかしながら、日本における、最低労働基準については
労働基準法に規定されていますが、個別労働関係紛争を解決するための労働
契約に関する民事的なルールについては、民法及び個別の法律において部分的
に規定されているのみで、体系的な成文法は存在していませんでした。
このため、個別労働関係紛争が生じた場合には、それぞれの事案の判例が蓄積
されて形成された判例法理を当てはめて判断することが一般的となっていましが、
このような判例法理による解決は、必ずしも予測可能性が高いとは言えず、
また、判例法理は労働者及び使用者の多くにとって十分には知られていないもの
でした。
一方、個別労働関係紛争の解決のための手段としては、裁判制度に加え、平成
13年10月から個別労働関係紛争解決制度が、平成18年4月から労働審判制度
が施行されるなど、手続面における整備が進んできています。
このような中、個別の労働関係の安定に資するため、労働契約に関する民事的
なルールの必要性が一層高まり、今般、労働契約の基本的な理念及び労働契約
に共通する原則や、判例法理に沿った労働契約の内容の決定及び変更に関する
民事的なルール等を一つの体系としてまとめるべく、定められたのが
労働契約法です。
労働契約法の制定により、労働契約における権利義務関係を確定させる
法的根拠が示され、労働契約に関する民事的なルールが明らかになり、
労働者及び使用者にとって予測可能性が高まるとともに、労働者及び
使用者が法によって示された民事的なルールに沿った合理的な行動を
とることが促されることを通じて、個別労働関係紛争が防止され、労働者
の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することが期待されます。
労働基準法は、罰則をもって担保する労働条件の基準(最低労働基準)を
設定しているものですが、労働契約法は、これを前提として、労働条件が
定められる労働契約について、合意の原則その他基本的事項を定め、労働
契約に関する民事的なルールを明らかにしているもので、その締結当事者
である労働者及び使用者の合理的な行動による円滑な労働条件の決定又は
変更を促すものです。
また、労働基準法については労働基準監督官による監督指導及び罰則に
より最低労働基準の履行が確保されるものですが、労働契約法については
労働基準監督官による監督指導及び罰則による履行確保は行われず、法の
趣旨及び内容の周知により、また、法に規定する事項に関する個別労働関係
紛争について、個別労働関係紛争の迅速かつ適正な解決を図ることを目的
とする個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律による総合労働相談
コーナーにおける相談、都道府県労働局長による助言及び指導、紛争調整
委員会によるあっせん等が行われ、その防止及び早期解決が図られること
により、法の趣旨及び内容に沿った合理的な労働条件の決定又は変更が
確保されることを期するものです。
そこで、
労働契約法の目的ですが、
この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意に
より成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する
基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑
に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の
労働関係の安定に資することを目的とする。
とされています。
当たり前のことなのですが
労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則、
これが目的で明らかにされています。
また、用語の定義として、
「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう。
「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいう。
と労働者と使用者の定義を置いています。
この定義、労働基準法の定義とは違っています。
この違いは、もしかしたら試験で狙われるかもしれませんね。
違いを、しっかりと確認しておいたほうがよいでしょう。
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4 白書対策
今回の白書対策は、
平成19年度版厚生労働白書P53の「医療保険制度の現状」です。
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我が国の公的医療保険は、被用者保険と国民健康保険に大別される。
被用者保険は、適用事業所に使用されている者とその被扶養者を対象とする
ものであり、中小企業の被用者を中心に加入する政府管掌健康保険(政管健保)
(2006(平成18)年3月末の加入者数:約3,600万人)、大企業の被用者を
中心に加入する組合管掌健康保険(組合健保)(同:約3,000万人)、船員が
加入する船員保険(同:約19万人)、公務員等が加入する共済組合(同:約
1,000万人)に分かれる。
また、国民健康保険は、自営業者や農業者などの被用者保険に加入していない
者を対象とするものであり、医師、弁護士等といった職種別に組合を組織する
国民健康保険組合(国保組合)(同:約400万人)と、被用者保険・国保組合
に加入していない者すべてを対象とする市町村国民健康保険(市町村国保)
(同:約4,800万人)に分かれる。
保険給付の内容としては、まず療養の給付があり、加入者は、一定の自己負担
割合(3歳未満:2割、3歳~70歳:3割、70歳以上:1割(現役並み所得者
:3割))で医療機関を受診することができる。また、1か月当たりの自己負担
限度額(一般所得者の場合:80,100円+医療費1%)も設定されており(高額
療養費制度)、医療費の負担が過大にならないよう配慮されている。その他、
現金給付として、出産育児一時金(35万円)の支給や休業補償である傷病手当金
・出産手当金の支給(被用者保険のみ)も行われている(いずれも2007(平成19)
年4月時点)。
政管健保、組合健保及び市町村国保の2004(平成16)年度の加入者平均年齢に
ついて比較すると、政管健保37.2歳、組合健保34.2歳、市町村国保53.7歳と
なっており、被用者が退職後は市町村国保に加入することとなることから、
市町村国保の高齢者の加入率が高くなっている(高齢者の加入割合:24.2%)。
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医療保険制度、被用者保険と国民健康保険に大別されるというのは基本中の基本
ですが、「被用者保険」なんて言葉が選択式で空欄になっていたりすると、意外と
埋めることができないなんてこともありそうです。
選択肢に「健康保険」なんてあると、選んでしまうなんてことも・・・
そのほか、自己負担の割合や高額療養費算定基準額、出産育児一時金の額に関連
する内容は、過去に記述式・選択式で出題されており、再び出題されるってことは
十分考えられるところです。
ちなみに、平成10年の記述式では、
被保険者が出産をしたときには、( A )として1児につき350,000円が、健康
保険から支給される。
また、出産日(出産日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前
( B )日(多胎妊娠の場合には( C )日)から出産の日後( D )日
までの間で労務に服さなかった期間について、1日につき( E )の3分の2
に相当する額が、健康保険から出産手当金として支給される。
という問題が出題されています(一部改題しています)。
答えは
A:出産育児一時金
B:42
C:98
D:56
E:標準報酬日額
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