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高齢者の医療制度をめぐる現状と課題

2008-03-05 07:00:35 | 白書対策
今回の白書対策は、
平成19年度版厚生労働白書P57の「高齢者の医療制度をめぐる現状と課題」
です。

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高齢者の医療制度には、老人保健制度と退職者医療制度がある。
75歳以上の高齢者等の医療制度である老人保健制度は、1983(昭和58)年の制度
発足以来、国民の老後における適切な医療を確保するため、老人医療費について
国民全体で公平に負担するという基本理念の下、国民健康保険と被用者保険の負担
の公平や医療保険制度の安定の確保に寄与してきた。

これまで、その医療費を保険者からの拠出金、公費及び老人の患者自己負担で賄っ
ていたが、高齢化の進行に伴い老人医療費が増大する中で、保険者からの老人保健
拠出金が増大し、特に被用者保険から次のような問題が指摘されてきた。

まず、現役世代と高齢世代の費用負担関係が不明確という点である。これは、老人
医療費は、保険者からの拠出金の中で現役世代の保険料と高齢者の保険料が区分
されていないことに起因している。

次に、国民健康保険や被用者保険と比較して、財政運営の責任が不明確という点で
ある。これは、老人に対する医療の給付は市町村が行う一方、その財源は保険者
の拠出金、公費及び老人の自己負担により賄われており、老人医療費について、
かかった費用がそのまま保険者の負担として請求される仕組みとなっていること
に起因している。

また、もう一つの高齢者の医療制度である退職者医療制度は、被用者年金の加入
期間が原則として20年以上の長期にわたる退職者を対象とし、被用者保険から
市町村国保に移った後も、老人保健制度が適用されるまでの間は、その医療費
を自ら支払う保険料と被用者保険からの拠出金により賄う制度である。
この仕組みについても、産業構造や雇用形態等が変化する中で、被用者年金の
加入期間が原則20年以上の人を被用者保険が支える制度では、高齢者の医療費
の制度間の負担の不均衡を是正するには不十分であるとの指摘が強かった。

こうしたことを踏まえ、高齢者の医療制度については、抜本的な見直しが
必要との指摘がなされていた。

☆☆======================================================☆☆

この記載の最後の部分、抜本的な見直し、それが、
平成20年度から施行される「高齢者の医療の確保に関する法律」です。

この法律で、老人保健制度と退職者医療制度として行われていたものを
「後期高齢者医療制度」と「前期高齢者の医療費に係る財政調整制度」に
衣替えしたわけです。

ですので、「高齢者の医療の確保に関する法律」がなぜできたのかなんて
文章が選択式で出題されると、この白書の記載のような内容が出てくる可能性は
あるでしょう。


ちなみに、白書の記載に「老人医療費について国民全体で公平に負担するという
基本理念の下」とありますが、老人保健法に
「国民は、自助と連帯の精神に基づき、自ら加齢に伴って生ずる心身の変化を
自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、老人の医療に要する費用を公平
に負担するものとする」という規定があり、平成8年の記述式で出題されています。
「自助」と「公平」が空欄でした。

で、「高齢者の医療の確保に関する法律」にも、ほぼ同内容の規定、
「国民は、自助と連帯の精神に基づき、自ら加齢に伴って生ずる心身の変化を
自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、高齢者の医療に要する費用を公平
に負担するものとする。」
というのがあります。

この条文、注意しておいたほうがよいかもしれませんね。
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労働保険徴収法<労災>5-9-A

2008-03-05 06:58:00 | 今日の過去問
今日の過去問は「労働保険徴収法<労災>5-9-A」です。

【 問 題 】

労働者災害補償保険による休業補償給付の上積みとして事業主が就業規則
に基づいて支払う休業補償の額は、労働保険料算定の基礎となる賃金に
含まれる。

                               
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【 解 説 】

休業補償は、すべて賃金として扱わないため、労働保険料算定の基礎となる
賃金には含まれません。

 誤り。 
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