今回は、令和6年-労災法・問2-D「業務災害の認定」です。
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労働者が、退勤時にタイムカードを打刻し、更衣室で着替えをして事業場施設
内の階段を降りる途中、ズボンの裾が靴に絡んだために足を滑らせ、階段を
5段ほど落ちて腰部を強打し負傷した場合、通勤災害とは認められない。
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「業務災害の認定」に関する問題です。
次の問題をみてください。
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【 H6-1-D 】
所定の勤務を終えてタイムレコーダーを打刻した後、会社内の2階更衣室で
着替えをしてから階段を歩いて降りていたところ、ズボンの裾が靴にからん
だため足を滑らし、階段の5~6段目より落ちて負傷した。本件は、通勤災害
である。
【 H26-1-C 】
事業場施設内における業務に就くための出勤又は業務を終えた後の退勤で
「業務」と接続しているものは、業務行為そのものではないが、業務に通常
付随する準備後始末行為と認められている。したがって、その行為中の災害
については、労働者の積極的な私的行為又は恣意行為によるものと認められず、
加えて通常発生しうるような災害である場合は、業務上とされている。
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「業務災害の認定」に関する問題です。
【 R6-2-D 】と【 H6-1-D 】は事例問題で、【 H26-1-C 】
は、その解説のような内容です。
事業場施設内における業務に就くための出勤又は業務を終えた後の退勤で
「業務」と接続しているものは、業務を行っているのではないので、当然、
業務行為そのものではありません。
ただ、業務に通常付随する準備後始末行為と認められます。
そして、その災害が労働者の積極的な私的行為又は恣意行為によるものとは
認められず、通常発生しうるような災害である場合は、事業主の支配下に伴う
危険が現実化した災害であると認められます。
つまり、業務災害として取り扱われます。
ということで、【 H26-1-C 】は正しいです。
事例問題の【 H6-1-D 】では通勤災害としていますが、事業場内にいる
ことから、通勤の経路上(「住居」と「就業の場所」との間)ではなく、通勤
災害とはなりません。誤りです。
【 R6-2-D 】は正しいです。
これまでは択一式でしか出題がありませんが、このような内容が選択式で出題
されることもあり得るので、基本的な考え方とキーワードは押さえておきま
しょう。