雑誌というのは、取って置いても、すぐにどこかへいってしまいやすいものですね。そういうことで、雑誌が手もとにある時に、引用しておくのが間違いない(笑)。
さてっと、雑誌「WILL」2008年2月号。
特別対談24ページ。「渡部昇一・日垣隆対談【史上最強の知的生活の方法】」。
こんかい引用するのは、この箇所。
日垣】 渡部さんは大学の先生という本業の他に四百数十冊も本を書かれていますから、そちらの収入もすごいですよね。
渡部】 大学を辞める前は、大学の給料よりも高い税金を払っていました。
日垣】 ちなみに、いちばん印税収入に貢献しているのはどの本ですか?
渡部】 『知的生活の方法』は、たぶん百十五万部くらい売れていると思いますので一冊ではこれがいちばんでしょう。『続 知的生活の方法』が三、四十万部ですね。でも以外と収入の元になっていてバカにできないのが、修養書です。
日垣】 今で言うと自己啓発のようなジャンルに相当するものですね。
うん。ここに「修養書」という言葉が出てくる。
こういう言葉に弱いんですよね(笑)。
さて、奥さんのことも出て来ます。
渡部】 私が結婚して間もない頃、【大英人名辞典】(二十一巻プラス十巻)が欲しいと思ったのですが、給料の半年分くらいの値段がしました。買うべきかどうか悩んでいたら、家内が『必要なのか』と聞いてきた。だから『すごくいいものなのだ』と答えたら、『おかしな人だ』と言うわけです。必要だとわかっているものを買うのに、何を悩んでいるのかと。・・・・始終そんな調子で、それ以来、欲しい本を買わないと軽蔑されるような雰囲気になった(笑)。仕事道具に投資しないなどというのは男ではないと思っているようです。・・・その家内が十年くらい前から文句を言い始めた。『ウチには本権はあるけど、人権がない』と(笑)。・・・
ここで新しい書庫をつくったという話になるのでした。
日垣】 で、大借金を選んだ(笑)。
渡部】 そうです。七十七歳で、また借金です。
日垣】 しかし、七十七歳から数億円の借金というのは普通では考えられないことです。
そういえば、と思い浮んだのは、その蔵書の中にはシュナイダー先生の蔵書も含まれているのだろうなあ。ということでした。
渡部昇一著「後悔しない人生」(PHP)
いまは改題されて「人生の出発点は低いほどいい」(PHP)。
そこにシュナイダー先生のことが、ちらりと出ておりました。
「留学先のドイツでも、私が教わったシュナイダー先生は素晴らしい先生だと思って、かなり入れ込みました。もちろん、生徒のそういう気持ちは、自ずと先生に伝わるものです。シュナイダー先生は、1998年のクリスマスの次の日に亡くなられましたが、『蔵書をすべて渡部に贈る』という遺言状を残され、後日、カートンボックス151箱の蔵書が、私のところに送られてきました。明治以来、何十万人もの日本人が留学したことでしょうが、かの地の先生が、日本人留学生に自分の全蔵書を託して死ぬという例は、あまりないのではないでしょうか。・・・」(「後悔しない人生」p55)
死んで蔵書を送られるよりも、生きて書いていただいている方が
やはり、うれしいだろうなあと、新しい書庫をつくられた渡部氏の英断に
驚きとともに、思わず拍手。
せめて、最近の渡部昇一氏の本を、すこしは買おうと思うのでした。
全部は買えないでしょうし、ここは、時事問題よりも、修養書あたりからでしょうか。
さてっと、雑誌「WILL」2008年2月号。
特別対談24ページ。「渡部昇一・日垣隆対談【史上最強の知的生活の方法】」。
こんかい引用するのは、この箇所。
日垣】 渡部さんは大学の先生という本業の他に四百数十冊も本を書かれていますから、そちらの収入もすごいですよね。
渡部】 大学を辞める前は、大学の給料よりも高い税金を払っていました。
日垣】 ちなみに、いちばん印税収入に貢献しているのはどの本ですか?
渡部】 『知的生活の方法』は、たぶん百十五万部くらい売れていると思いますので一冊ではこれがいちばんでしょう。『続 知的生活の方法』が三、四十万部ですね。でも以外と収入の元になっていてバカにできないのが、修養書です。
日垣】 今で言うと自己啓発のようなジャンルに相当するものですね。
うん。ここに「修養書」という言葉が出てくる。
こういう言葉に弱いんですよね(笑)。
さて、奥さんのことも出て来ます。
渡部】 私が結婚して間もない頃、【大英人名辞典】(二十一巻プラス十巻)が欲しいと思ったのですが、給料の半年分くらいの値段がしました。買うべきかどうか悩んでいたら、家内が『必要なのか』と聞いてきた。だから『すごくいいものなのだ』と答えたら、『おかしな人だ』と言うわけです。必要だとわかっているものを買うのに、何を悩んでいるのかと。・・・・始終そんな調子で、それ以来、欲しい本を買わないと軽蔑されるような雰囲気になった(笑)。仕事道具に投資しないなどというのは男ではないと思っているようです。・・・その家内が十年くらい前から文句を言い始めた。『ウチには本権はあるけど、人権がない』と(笑)。・・・
ここで新しい書庫をつくったという話になるのでした。
日垣】 で、大借金を選んだ(笑)。
渡部】 そうです。七十七歳で、また借金です。
日垣】 しかし、七十七歳から数億円の借金というのは普通では考えられないことです。
そういえば、と思い浮んだのは、その蔵書の中にはシュナイダー先生の蔵書も含まれているのだろうなあ。ということでした。
渡部昇一著「後悔しない人生」(PHP)
いまは改題されて「人生の出発点は低いほどいい」(PHP)。
そこにシュナイダー先生のことが、ちらりと出ておりました。
「留学先のドイツでも、私が教わったシュナイダー先生は素晴らしい先生だと思って、かなり入れ込みました。もちろん、生徒のそういう気持ちは、自ずと先生に伝わるものです。シュナイダー先生は、1998年のクリスマスの次の日に亡くなられましたが、『蔵書をすべて渡部に贈る』という遺言状を残され、後日、カートンボックス151箱の蔵書が、私のところに送られてきました。明治以来、何十万人もの日本人が留学したことでしょうが、かの地の先生が、日本人留学生に自分の全蔵書を託して死ぬという例は、あまりないのではないでしょうか。・・・」(「後悔しない人生」p55)
死んで蔵書を送られるよりも、生きて書いていただいている方が
やはり、うれしいだろうなあと、新しい書庫をつくられた渡部氏の英断に
驚きとともに、思わず拍手。
せめて、最近の渡部昇一氏の本を、すこしは買おうと思うのでした。
全部は買えないでしょうし、ここは、時事問題よりも、修養書あたりからでしょうか。