和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

なりますように。

2011-10-25 | 詩歌
産経新聞2011年10月23日に
「朝の詩9月 月間賞」の発表が出ておりました。
一面に毎回載っている「朝の詩」を見ていない者にとっては
なんとも、恥ずかしい限りなのですが、
それでも、選ばれた詩を読むと、
う~ん。とうなります。
ということで、まずは引用

  農業   関口嘉子

 お義父さんは
 畑の野菜と話をする

 お義母さんは
 森に住む鳥に
 天気を教えてもらう

 夫は毎朝 
 太陽と一緒に起きる

 都会育ちの私も早く
 それが当たり前に
 なりますように


賞を受けた「関口さんの話」も載っております。

「大阪で鉄工所を経営する家庭に育ちました。
 北海道の農家に嫁ぎ、大自然の中、
 広大な畑での農作業や都会とは異なる
 生活習慣など感動と驚きの毎日です。
 中学生のとき、教科書で
 新川(和江)先生の詩を読み、憧れて以来の
 『朝の詩』の大ファンです」

都会から田舎へ。
え~と。私が思い浮かんだのは。
大阪の「きりん」や、詩人たちの顔でした。
新美南吉の簡潔な詩も、思い浮かびました。
でも、そういえば、と並べる詩が選べました。
それは

    藪鶯   室生犀星

 お友達は
 なかなか出来ない、
 出来ても田舎もののわたくしには
 なに一つ器用なことは云へない、
 まだ 都のことばさへよくできません、
 すらすらとお話もできそうもありません、
 おどおどしながら
 東京のことばのまねをしてゐると
 よく啼けぬ藪鶯のやうな気がする。
 藪鶯は
 けふも顔をあかくして啼く真似をする。
 しまひによく啼くでせうか。


これは、室生犀星著「乙女抄」にある詩。
ふたつの詩を並べる楽しみ。というもあります。
コメント
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