昨日。予約してあった本が届く。
岡野弘彦の歌集「美しく愛しき日本」(角川書店)。
昨年(2011年)の雑誌「短歌」6月号(角川書店)に
岡野弘彦氏の「美しく愛(かな)しき日本」と題して
作品100首が掲載されていたのを読みました。
それ以来、気にはなっておりました。
届いた新刊の函がいい。
きちんと見たいので、帯をとります。
カバー・扉写真 泊昭雄。
「nakasu 川のなかに土、砂がたまってできた州」なのだそうで、
とても写真とは思えず、最初は日本画だとばかり思っておりました。
写真の細やかさが生きて、ぼんやりと、
川と中州のさかいめの、水にひたっている土や石を見ております。
装幀は間村俊一。
うん。函をながめているだけで、いいや(笑)。
そのうち、本をひらきましょう。
とりあえず、あとがきより
「前歌集『バグダッド燃ゆ』を出版してから、
もう六年になろうとする。
・・・・・・・
古代から歌は祈りの声であった。
その歌に托した祈りの心は現代にも生きつづけて、
日本人が体験したもっとも苛酷な人災、
昭和の戦争と敗戦後の忍従を、
われわれはこの伝統詩に凝縮させて祈った。
そして、昨年三月十一日、
思いもかけぬ災禍が日本を襲った。
この火山列島に住みついた祖先達が
幾たびとなく繰り返してきたであろう忍従と祈りの心を、
身の情念をふりしぼって歌わなければならぬ運命に、
また逢遭したのである。
人間が人智によって生み出した新しい力も
巨大な天災に遭って一挙に崩れ、
更に今まで自然界に無かった禍々しい人災を
生み出すことを体験したわれわれは、
より深く力あることばによって、
祈りの歌をうたうべき時にたち到っている。
これは八十代も残り少ない私の八冊目の歌集である。
・・・」
うん。ゆっくりと手をあわせるように、
読ませていただきます。
岡野弘彦の歌集「美しく愛しき日本」(角川書店)。
昨年(2011年)の雑誌「短歌」6月号(角川書店)に
岡野弘彦氏の「美しく愛(かな)しき日本」と題して
作品100首が掲載されていたのを読みました。
それ以来、気にはなっておりました。
届いた新刊の函がいい。
きちんと見たいので、帯をとります。
カバー・扉写真 泊昭雄。
「nakasu 川のなかに土、砂がたまってできた州」なのだそうで、
とても写真とは思えず、最初は日本画だとばかり思っておりました。
写真の細やかさが生きて、ぼんやりと、
川と中州のさかいめの、水にひたっている土や石を見ております。
装幀は間村俊一。
うん。函をながめているだけで、いいや(笑)。
そのうち、本をひらきましょう。
とりあえず、あとがきより
「前歌集『バグダッド燃ゆ』を出版してから、
もう六年になろうとする。
・・・・・・・
古代から歌は祈りの声であった。
その歌に托した祈りの心は現代にも生きつづけて、
日本人が体験したもっとも苛酷な人災、
昭和の戦争と敗戦後の忍従を、
われわれはこの伝統詩に凝縮させて祈った。
そして、昨年三月十一日、
思いもかけぬ災禍が日本を襲った。
この火山列島に住みついた祖先達が
幾たびとなく繰り返してきたであろう忍従と祈りの心を、
身の情念をふりしぼって歌わなければならぬ運命に、
また逢遭したのである。
人間が人智によって生み出した新しい力も
巨大な天災に遭って一挙に崩れ、
更に今まで自然界に無かった禍々しい人災を
生み出すことを体験したわれわれは、
より深く力あることばによって、
祈りの歌をうたうべき時にたち到っている。
これは八十代も残り少ない私の八冊目の歌集である。
・・・」
うん。ゆっくりと手をあわせるように、
読ませていただきます。