和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

けふは桜花の輝きを。

2015-04-08 | 詩歌
地方紙の記事に
「歌集は希望者に贈呈」
とあり、お願いすると、
本が届きました。

池田禮著「歌集 二つの道」
(禮の偏はネ)

素敵な本です。
ありがたい。
さっそく、すこし引用させていただきます。

ご本人の「あとがき」の
はじまりは

「百歳記念に『二つの道』と題して
吟道と歌道を文字に表した歌集を編みました。」

「あとがき」のおわりは

「この歌集上梓に際しましては、
歌友の前原武氏には心からのお力添えをいただき
ました。・・・今この日本に詩吟と短歌を愛する
人を合わせれば、何十万人もいることでしょう。
その一人として、百歳を凝縮した小歌集を世に
著すことのできた倖せを胸に満たしつつ、
万感の思いで筆を擱きます。
        平成27年3月1日     」



故里の生家の長押にかかる額
    温故知新は父の座右銘

慶応の世に生(あ)れし父
寺子屋に子女導きしと語りつがるる

久々に生家に来たり父書きし
温故知新の額に触れたり

ひたすらに漢詩きはめしわが父の
八十五歳たりて逝きたり

十頭の牛の飼葉を切りたりし
押切さびて厩に残る

来年は人に委ねん枇杷山に
一本ごとに礼肥(れいごえ)入るる

塹壕に見し満月になきたりと
夫のかきし文の残れる

短歌詠み漢詩吟ずるこの道は
われのいのちの支へとなれり

山陽の詩を吟ずればわが命
腹式呼吸に癒されてゆく

齢かさね短歌に挑むわが至福
枇杷実る日も稲穂垂るる日も

哀歓をかさねし吾の九十余年
けふは桜花の輝きを浴む

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする