地方紙の記事に
「歌集は希望者に贈呈」
とあり、お願いすると、
本が届きました。
池田禮著「歌集 二つの道」
(禮の偏はネ)
素敵な本です。
ありがたい。
さっそく、すこし引用させていただきます。
ご本人の「あとがき」の
はじまりは
「百歳記念に『二つの道』と題して
吟道と歌道を文字に表した歌集を編みました。」
「あとがき」のおわりは
「この歌集上梓に際しましては、
歌友の前原武氏には心からのお力添えをいただき
ました。・・・今この日本に詩吟と短歌を愛する
人を合わせれば、何十万人もいることでしょう。
その一人として、百歳を凝縮した小歌集を世に
著すことのできた倖せを胸に満たしつつ、
万感の思いで筆を擱きます。
平成27年3月1日 」
故里の生家の長押にかかる額
温故知新は父の座右銘
慶応の世に生(あ)れし父
寺子屋に子女導きしと語りつがるる
久々に生家に来たり父書きし
温故知新の額に触れたり
ひたすらに漢詩きはめしわが父の
八十五歳たりて逝きたり
十頭の牛の飼葉を切りたりし
押切さびて厩に残る
来年は人に委ねん枇杷山に
一本ごとに礼肥(れいごえ)入るる
塹壕に見し満月になきたりと
夫のかきし文の残れる
短歌詠み漢詩吟ずるこの道は
われのいのちの支へとなれり
山陽の詩を吟ずればわが命
腹式呼吸に癒されてゆく
齢かさね短歌に挑むわが至福
枇杷実る日も稲穂垂るる日も
哀歓をかさねし吾の九十余年
けふは桜花の輝きを浴む
「歌集は希望者に贈呈」
とあり、お願いすると、
本が届きました。
池田禮著「歌集 二つの道」
(禮の偏はネ)
素敵な本です。
ありがたい。
さっそく、すこし引用させていただきます。
ご本人の「あとがき」の
はじまりは
「百歳記念に『二つの道』と題して
吟道と歌道を文字に表した歌集を編みました。」
「あとがき」のおわりは
「この歌集上梓に際しましては、
歌友の前原武氏には心からのお力添えをいただき
ました。・・・今この日本に詩吟と短歌を愛する
人を合わせれば、何十万人もいることでしょう。
その一人として、百歳を凝縮した小歌集を世に
著すことのできた倖せを胸に満たしつつ、
万感の思いで筆を擱きます。
平成27年3月1日 」
故里の生家の長押にかかる額
温故知新は父の座右銘
慶応の世に生(あ)れし父
寺子屋に子女導きしと語りつがるる
久々に生家に来たり父書きし
温故知新の額に触れたり
ひたすらに漢詩きはめしわが父の
八十五歳たりて逝きたり
十頭の牛の飼葉を切りたりし
押切さびて厩に残る
来年は人に委ねん枇杷山に
一本ごとに礼肥(れいごえ)入るる
塹壕に見し満月になきたりと
夫のかきし文の残れる
短歌詠み漢詩吟ずるこの道は
われのいのちの支へとなれり
山陽の詩を吟ずればわが命
腹式呼吸に癒されてゆく
齢かさね短歌に挑むわが至福
枇杷実る日も稲穂垂るる日も
哀歓をかさねし吾の九十余年
けふは桜花の輝きを浴む