和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

手紙を託す。

2015-04-20 | 書評欄拝見
毎日新聞4月19日「今週の本棚」。
荒川洋治評で
川合康三訳の岩波文庫(上中下)
「新編中国名詩選」が書評されてます。

そこから、ここを引用。

「原文は『行人(こうじん)』だから、
『訳』では単に『旅人』と記すことになる。
実は、ここでの『行人』は手紙を託する人
(すでに『語注』にある)。
だからそのことを踏まえた『補釈』で、
『手紙を届けてもらう人』ということば
が出てくるのだ。
こういうふうに、こまかく見てみると、
とても感動的だ。ひとつひとつの詩に、
いのちがふきこまれる。
『補釈』については『はしがき』で、
『意味のない美辞麗句を並べることは排し』
たとある。これまでの鑑賞文とは異なる
ものだ。これが本書の『秩序』なのだと思う。」


読売新聞では
平松洋子評の三田完著
「あしたのこころだ 小沢昭一的風景を巡る」。
その書評の最後を引用。


「行間から、あの懐かしいラジオの声が
蘇る。小沢昭一は今ここにはいないが、
こころはこうして引き継がれている。
結んだ縁(えにし)を、かくも大切な
ものとして書き綴る著者の姿が輪郭を
ともなって浮かび、しみじみと胸に迫る。
小沢昭一への礼儀と節度が一文一文を律し、
軽妙洒脱でありながら、持ち重りのする
読みごたえだ。」


うん。私はこの書評で満腹(笑)。
この満腹感を記憶して、また
読みたい時がありましたら、
参考にさせていただきます。
コメント
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