和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

『となりの』レッスン。

2022-03-06 | 本棚並べ
「サザエさん。魚屋さん。」からのつづきです。

となりの魚屋さんというので昨日は魚屋さんが
登場する四コママンガを二枚紹介したのでした。

一枚は、いじわるばあさんの長男と魚屋さん。
つぎは、いじわるばあさん直接対決魚屋さん。

じっさいの魚屋さんは、長谷川家の隣りにお店がある、
ということのようでした。


「となり」といえば、となりつながりでの連想。

はい。となりのトトロ。となりの魚屋さん。
となりの韓国。となりの中国。となりのロシア。
ミサイルを打ちこんでくる回数は隣なみ北朝鮮。
太平洋を隔てた、おとなりさんならばアメリカ。

魚屋さんの対応は、いじわるばあさんの四コマでは
長男との対応。それから、いじわるばあさんの対応。

長谷川町子さんは、身近なテーマを俎上に載せ、
四コマの起承転結の枠内に昇華させてゆきます。

町子さんへのインタビューでの質問に

質問『あなたの小さいときからの、くせは』
町子『おしゃべりです。見聞きした珍しいことは細大もらさず
   報告しなければ気が済みません。少々尾鰭が付くので、
   家族はデマ放送と称して、あまり信用しないようです。』

     ( p26 「長谷川町子 思い出記念館」全集別巻 )

『女のご姉妹三人だなんて、とてもロマンチックね
 —―まるで≪ 若草物語 ≫のようよ――とおっしゃいます。
ところが、これがちっともロマンチックではないのです。
姉妹社さんは今もって朝から晩まで喧嘩が絶えない、
そして喧嘩をすれば、相変わらず私が勝つのです。」

     ( p16 同上「私はこうしてやって来た」 )


こうして、絶えない喧嘩を、となりの魚屋さんは
きっと、肌身でご存じなのでしょうね。


うん。最後はいじわるばあさんの五コマから
( はい。四コマに収まり切れない五コマです )。
これを引用することに。
公園のベンチ。梅の花でしょうか咲いています。

①その枝を見ながらベンチの端に座っている意地悪婆さん。
 煙草をふかしています。反対側からお爺さんが登場。
 立ながらの爺さん『ちょっと火を・・・』
 婆さん『おコトワリします』

②ベンチのもう一方の端に座った爺さん。
 瓶から薬をとりだし、二粒口に飲み込むところ。
 婆さん『オヤお体でも?』。左手には煙草。
 爺さん『胃カイヨウで手術したんでネ』

③お互いに自分を指さして
 婆さん『マア あたしも! キョネンのくれに!』
 爺さん『じゃ同じ頃だ!!』

④二人してベンチで向い合って笑っています。
 二人して『そう!! やったもんでなきゃア ネーエ!!』
 二人の頭の上には、点滴・面会謝絶の札・病院給食それに
 痩せて体重計に乗る姿と、メガネのお医者さんの顔の絵が。

⑤ベンチに二人して座って、
 爺さんが、婆さんにむかって『ちょいと 火を・・・』
 婆さんは、反対側の木の枝のほうに顔をむけて
 『甘ったれるんじゃない! それとこれはベツ』
 と足をくんで、大きく鼻から煙草のけむりが出ている。 

       ( p1 「いじわるばあさん」第四巻 )
コメント (2)
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