今日は、天気のよい水曜日。
主なき家の、道路わきの草刈り。草取り。
もう午前中にて、そそくさとやめて帰る。
お昼はビールを飲んで昼寝。
暮れるとコオロギが鳴いている。
そういえば、数日前には家にコオロギ。
この時期になると、思い浮かぶ詩があります。
大岡信の詩です。
こほろぎ降る中で 追悼田村隆一
田村さん 隆一さん
あんなに熾(さか)んだつた猿滑りの花の
鮮かなくれなゐも 薄れてしまった
蝉時雨に包まれてあんたが死んだ1998年も
たちまち秋に沈んでゆく
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田村さん 隆一さん あんたが
好き嫌ひともはつきり語った二十世紀も了る
こほろぎがばかに多い都会の荒地を
寝巻の上へインバネス羽織つただけのすつてんてん
あんたはゆつくり 哄笑しながら歩み去る
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
( p202~204 大岡信詩集「捧げるうた50篇」花神社・1999年 )
さてっと、これから、コオロギの鳴く季節へ。