和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

秋の部と、夏の部。

2022-08-07 | 詩歌
ちょっと夏を忘れるような、すごしやすい気候がつづきました。

中村草田男著「蕪村集」の『夏の部』をひらく、
ついでに『秋の部』のはじまりをめくってみる。

『秋の部』はまず「おどろく」が三句つづきます。

  おどろく。おどろきぬ。おどろきやすし。

というぐあい。ここには三句目を引用。


  唐黍のおどろきやすし秋の風


この草田男訳はというと

「 唐黍の長い葉はちょっとの風にあっても
  すぐに左右されて、ざわざわと揺れるものであるが、

  近頃では小止みもなしにぎょうさんに驚き騒ぐ
  ような音を立てている。そういえば、もう
  秋風らしい強い風が遠慮なく天地を吹き渡っているのである。 」


「 ・・・正面から『秋風』を採り上げている。
  『おどろきやすし』は、唐黍の葉の習性を描破すると同時に、
  それが万物にさきがけて秋風の訪れを感知している
  気持ちがあらわされている。・・           」

            ( p214~215 「蕪村集」大修館書店 )


まだ、秋は来てほしくないんだ。
私が好きなのはなんだかんだ夏。

コメント
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