産経新聞2022年12月27日のオピニオン『正論』は、
平川祐弘氏が『英語塾と予備校の過去と現在』と題して書いてました。
うん。一読印象に残っていたのですこし引用することに。
6段ある文の最初の段には、こうあります。
「 能力別教育反対が建前の文科省官僚も子供を塾へ通わせている。 」
こうして、自身の昭和20年代のことを記しております。
「 私も塾で教えた。・・大学院有志が・・
学期中は日曜日(夏休み中は毎日)、
数百人の高校生に受験科目を教えた。 」
はい。4段目には、その生徒をとりあげるなかに
「 恵泉女学園の生徒も目立った。
個性があり、英語力がある。・・ 」
はい。ここから『恵泉女学園』へと話しがひろがり
そこが、はじめて知ることなので印象に残りました。
「 塾の草創期、指導者の個性が刻印され、熱気を帯びる。
恵泉は河井道(1877~1953)が米国留学から帰国して、
50過ぎて創立したキリスト教主義の英語塾だが、
後に女子農業専門学校として寮生活をさせた。
70年前に教えた生徒は(ここは、平川氏が塾で教えた生徒のこと)
河井女史の謦咳(けいがい)に接した最後の世代だから、
キラキラしていたのだろう。
学園の雰囲気はたちまち変わる。
娘(平川氏の娘さん)は神奈川県伊勢原市にあった
園芸科の寮で暮らし、五月の学園祭でメイ・クイーン
に選ばれ、女王の冠を着けて野外で踊ったが、
惜しいことに園芸科は廃止された。 」
このあとに『河井道』にふれられております。
河井道は
「 伊勢山田の神職の娘だが、
父は維新後の生活になじめず、一家は北海道に移住、
道はミス・スミスの宣教師の塾で苦楽を共に生活した。 」
そうして、最後には、岡本嗣郎氏の本を必読文献としてあげてます。
気になっていたので12月28日に注文し、新年になって届く。
岡本嗣郎著「終戦のエンペラー」(集英社文庫)。
送料とも320円。滑らかな文章で読みやすそうです。
はい。平川氏の新聞の文の最後を引用しておくことに。
「 9人の生徒を中核に創られた恵泉(けいせん)は、
昭和の初め畳敷きの英語塾だったが、いつか、
ひっそり世界を照らすランターンとなった。 」