和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

上達する月日を共に過ごした

2023-01-20 | 詩歌
『 コロナ禍に友と楽器を奏でうる喜び語る生徒らの笑み 』
                
はい。昨日の新聞に歌会始の記事。
歌会始のお題は、友でした。そこから、
天皇陛下のお歌を引用してみました。これからの、
皇室の和歌を深く奏でられますよう願う気持ちになります。

水曜日にもらってきた読売の古新聞。
さっそく、その月曜日をひらきます。
読売歌壇・読売俳壇がお目当てです。


読売歌壇・俳壇からの列挙。

 山茶花や一人住ひの両隣   東大阪市 渡辺美智子

12月19日の読売俳壇。宇多喜代子の選の最初。

選評】 一人住まいの隣人であろうか、それとも一人暮らしの作者か。
     山茶花(さざんか)が一人暮らしの各々をつなぐ役をしている。 

読売歌壇では、病院に関する歌が目にとまりました。

 医師からの結果待つ間のドキドキにああとめどなく身の固くなる
                神戸市 西 和代

1月16日。小池光の選の最初でした。

選評】 これは誰でも経験している。お医者の言葉ほど重たいものはない。
    何と言われるか、天国と地獄の差がある。ドキドキドキ、
    頼む、大丈夫だと告げて下され。  

同じ日の、栗木京子選の3首目

 原因は加齢と言われた帰り道きれいに終わる蔦の赤見ゆ
              龍ヶ崎市 寺山昭彦

選評】 診察を受けた帰り道。
    加齢が原因と言われて気が滅入るばかり。
    散る前の蔦(つた)の葉の赤さが
    作者を励ましているように見える。


水曜日は、朝床屋へ行ったのですが、
短歌にも、床屋が出てくるのでした。

12月19日。小池光選の2首目。

 行き慣れし床屋が閉まり初めての店に入り行く冒険のごと
                狭山市 奥園道昭

選評】 なじみの床屋が閉店してしまい、
    別のところにいかなくてはならない。
    はじめて入る床屋は、ちょっとした冒険である。
    こちらの気分にうまく合えばいいんだがねぇ。


最後は、この1首を引用することに。

1月16日。黒瀬珂瀾の選のはじめでした。

 連載の初期の画風のあどけなく共に重ねた月日を思う
             八王子市  吉村おもち

選評】 マンガも長期連載だと初回と最新回で
    絵のタッチが随分と変わる。
    漫画家が上達する月日を共に過ごした
    という奇妙な連帯感。
コメント (2)
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