和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

西尾実。

2023-02-02 | 本棚並べ
読んでない本をひらくのは、おっくうです。
それで、読んだ本をひらく。

「教えることの復権」(大村はま/苅谷剛彦・夏子:ちくま新書)
をひらく。これら数冊を読んで、大村はま国語教室を読もうと思った。
また、最初にもどってみることに。

はい。一回読んだ本というのは、二回目からはパラパラ読み。
線が引いてあれば、そこを読み直したりします。
こんかい気がついたのは、『西尾実先生』が登場する箇所でした。

印象的だったのは、大村はまが戦後、中学校へ赴任した時でした。
うん。引用してみます。

「 学校とは名ばかりのあまりにひどい状態に、
  たちまち絶望してしまってね。

  これでは真心でなんとかなるものではない。
  このままでは自他ともに滅することになる、
  
  だめだと思って、ほかに相談できる方もなく、
  それまで個人的にはお会いしたことのなかった
  西尾実先生のところへ行ったんです。      」( p130 )

はい。つづけます。

「 西尾先生は人の話をおしまいまでよく聞く方だったんですよ。
  ・・・・・・・・・・

  ま、とにかく西尾先生は・・一生懸命聞いてくださったんです。
  私は実情を話して、努力してもできないということがわかった
  と言いました。戦後のああいう状態の子どもには、
  自分にはなにもできない、不可能だと言ってね。

 『 困ったね、では高等学校へ戻れるようにしてあげよう。
   そこでできることをやったほうがいい 』
  
  などとおっしゃってくださることを期待していたわけです。
  それなのに私が全部お話しして、おしまいになったら、
  西尾先生は『 話はそれだけか 』とおっしゃった。

  それだけかって言われてもねえ(笑)。

  しかたがないから、『 はい 』って言った。
  そうしたら、

 『 死んでしまったり病気になってしまったりしたら困る。
   でもそうでなければ、これが本物の教師になるときかな 』

  っておっしゃったんです。・・・
  帰り道でどうしたものかと考えましたよ。
  先生はもう私をどこへも移してくださるはずはない。

  そのとき、ふと新聞のことを考えついた。     」 ( p131 )



 はい。この新書では西尾実先生が、私が読み返して
 3回ほど、肝心な箇所で登場しておりました。

      p70~71  p130~131 p168

読まない癖に、つい気になると本を買いたがりの私は
いったい西尾実先生とは何者?
うん。安い古本を買うことに。


コメント (2)
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