雑誌Voice3月号は
巻頭言と巻末がいい。
巻頭言は、宮家邦彦。
巻末言は、渡辺利夫。
巻頭言はというと、
まず、ご自分のことが語られております。
「・・役所を退官したのは筆者の父親が亡くなった2005年、
いくつかの小さな企業と数十人の従業員が残ったからだ。
誰かが継がないと潰れてしまう、そんな恐怖感もあった。
・・残念ながら・・わが社は十年かけて市場から撤退していった。」
「待てよ、事業承継の難しさをいうなら、
国際政治だって同じではないか。・・・・
北朝鮮を国家ではなく、企業と考えたらどうか。
朝鮮民主主義人民共和国とは・・・
従業員2400万人の巨大な超ブラック・ファミリー中小企業である。
同時期、創業した中華人民共和国は1970年代末に
ビジネスモデルを変えて資本主義に移行した。
しかし、北朝鮮は社会主義の老舗、創業者の
『主体思想』というビジネスモデルは下ろせない。
されば、生き残るために核兵器を開発するのも当然だろう。
問題は現在の三代目の経営手腕だ。
だいたいこの種のファミリー企業には
ファミリー集団と番頭集団の確執がある。
ファミリー側は『諸悪の根源が大番頭』と批判し、
番頭集団はファミリーの一員に問題があると反論する。
三十代の若造にいったい何がわかるのだろう。
われわれはいま、北朝鮮という
巨大なブラック中小企業の事業承継を
現在進行形で目撃しつつある。
この承継劇が成功しても、失敗しても、
日本は大きな影響を被るだろう。
筆者個人の経験でいえば、
この承継は失敗する可能性が高いと思っている。
・・・・・・・・・」
はい。3頁と短いので、
本屋での立ち読みでも全文読めますよ。
やはり、全文読んだ方がよいと思います(笑)。
この雑誌を読まない方のために
巻末の渡辺利夫氏の1頁の文も
少し、最後を引用しておきます。
「健康や長命を追求すればするほど、
人間はこの観念に呪縛されて
授けられた生をまっとうできなくなる。
健康や長命というものは、これを追求すればするほど、
死の観念が人間を捉えてしまうのである。
この人生の背理に気づかなければ、と私は思う。
・・・・
人生は『お勤め』、死は『お迎え』だと
私の母は生前よくいっていたものだが、
人間の本当の成熟とは、
つまりはそういうことだと、
私はつくづく考える。」
雑誌Voice3月号は、
巻頭言と巻末とが、隠し味となって
味わい深く、クリアな視界が広がりました。
巻頭言と巻末がいい。
巻頭言は、宮家邦彦。
巻末言は、渡辺利夫。
巻頭言はというと、
まず、ご自分のことが語られております。
「・・役所を退官したのは筆者の父親が亡くなった2005年、
いくつかの小さな企業と数十人の従業員が残ったからだ。
誰かが継がないと潰れてしまう、そんな恐怖感もあった。
・・残念ながら・・わが社は十年かけて市場から撤退していった。」
「待てよ、事業承継の難しさをいうなら、
国際政治だって同じではないか。・・・・
北朝鮮を国家ではなく、企業と考えたらどうか。
朝鮮民主主義人民共和国とは・・・
従業員2400万人の巨大な超ブラック・ファミリー中小企業である。
同時期、創業した中華人民共和国は1970年代末に
ビジネスモデルを変えて資本主義に移行した。
しかし、北朝鮮は社会主義の老舗、創業者の
『主体思想』というビジネスモデルは下ろせない。
されば、生き残るために核兵器を開発するのも当然だろう。
問題は現在の三代目の経営手腕だ。
だいたいこの種のファミリー企業には
ファミリー集団と番頭集団の確執がある。
ファミリー側は『諸悪の根源が大番頭』と批判し、
番頭集団はファミリーの一員に問題があると反論する。
三十代の若造にいったい何がわかるのだろう。
われわれはいま、北朝鮮という
巨大なブラック中小企業の事業承継を
現在進行形で目撃しつつある。
この承継劇が成功しても、失敗しても、
日本は大きな影響を被るだろう。
筆者個人の経験でいえば、
この承継は失敗する可能性が高いと思っている。
・・・・・・・・・」
はい。3頁と短いので、
本屋での立ち読みでも全文読めますよ。
やはり、全文読んだ方がよいと思います(笑)。
この雑誌を読まない方のために
巻末の渡辺利夫氏の1頁の文も
少し、最後を引用しておきます。
「健康や長命を追求すればするほど、
人間はこの観念に呪縛されて
授けられた生をまっとうできなくなる。
健康や長命というものは、これを追求すればするほど、
死の観念が人間を捉えてしまうのである。
この人生の背理に気づかなければ、と私は思う。
・・・・
人生は『お勤め』、死は『お迎え』だと
私の母は生前よくいっていたものだが、
人間の本当の成熟とは、
つまりはそういうことだと、
私はつくづく考える。」
雑誌Voice3月号は、
巻頭言と巻末とが、隠し味となって
味わい深く、クリアな視界が広がりました。
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