和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「世界を斜めにえがおで疑う」

2022-01-12 | 産経新聞
はい。産経新聞の1月8日(土曜日)に
気になる短文が3つあったのでした。
どれから引用するか。
まずは「週刊誌ウォッチング 花田紀凱(かずよし)」

「2年前からのコロナ禍に関し、
『週刊文春』と『週刊新潮』の報道ぶりが全く対照的。
ワイドショーなどと同じく『煽りに煽ってきた』のが『文春』。
典型が『8割おじさん』こと西浦博京大大学院教授の重用だ。
一方、『新潮』は一貫して、冷静な報道を続けてきた。」

ということで、ここには『新潮』から引用箇所を引用してみる

「『新潮』では
東大名誉教授で食の安全・安心財団理事長の唐木英明氏が、
〈『南アではあっという間にピークアウトし、
  死者の増加がなかったと南ア政府が発表し、
  それを研究者たちも認めています。
  オミクロン株の実態はインフルエンザに近い』〉

浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫医師。
〈『7、8月までには、新型コロナは外来で対処できる
  風邪になっているいと、私は予想しています』〉 」

はい。ここでは、文春からの引用はカットしました。
1月8日産経新聞一面コラム「産経抄」は最初から引用。

「北京冬季五輪の開幕が近づくにつれ、
 昨年のバカ騒ぎは何だったのかとの苦い思いが募る。
 当時、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長だった
 森喜朗元首相の女性をめぐる軽口をめぐり、
 『日本に五輪開催の資格があるのか」とまで攻撃した識者らは
 なぜ今、口を閉ざすのか。

 森氏が『女性は話が長い』と語ると、マスコミは一斉に
 人権や性別、宗教などでの差別を禁じる五輪憲章違反だと
 たたいた。朝日新聞は社説で『暴言・妄言』『女性全般を侮蔑』
 と決めつけたが、少数民族を弾圧し、ウイグル人女性に
 不妊手術まで実施しているとされる中国に対しては、
 もっと非難してしかるべきだろう。
  ・・・・・・・・・・・・・

 政界もマスコミも内弁慶で、
 相手が中国となるとおとなしくなる。」

うん。一面コラムの最後も引用

「だが、中国が今日のように怪物化したのは
 日本の支援も大きい。・・・・・・・・・

 日本が総額で7兆円にもなる政府開発援助(ODA)など
 を続けなければ、中国の軍事大国化は難しかったのではないか。

 日本は中国の現状に責任がある。
 せめて17日召集の通常国会では、真っ先に中国による
 人権侵害非難決議案を採択すべきである。」

産経新聞のあと気になった一箇所は
平凡社社長・下中美都さんが「私の本棚」で、
『幸田文 しつけ帖』を紹介しておりました。
そこを引用するまえに、思い浮かんだ
石原吉郎の詩を、そのまえに引用。

     世界がほろびる日に  石原吉郎

  世界がほろびる日に
  かぜをひくな
  ビールスに気をつけろ
  ベランダに
  ふとんを干しておけ
  ガスの元栓を忘れるな
  電気釜は
  八時に仕掛けておけ

     (「続・石原吉郎詩集」現代詩文庫・思潮社 p59)

はい。下中美都さんが紹介する
幸田文著「幸田文 しつけ帖」(平凡社)

「・・・平凡社に入社後、編集者として文の作品を
 衣食住のテーマで編み直しました。
 『しつけ帖』は1冊目です。継母と折り合いが悪かった文に、
 父親の露伴は家事を教えます。露伴がしつけた暮らしを生きる
 心構え・・・新鮮に映りました。
  ・・・・・・・・・

 人の役に立つため、心を配るのが家事。
 例えば、生き物として相手に向き合えば、
 『乾燥しているからのどが渇くだろう』とか、
 欲することが分かるはず。それが、今の世では
 親から教わることも減り、マニュアル化している
 ように思えます。
 相手にきちんとモノを言うことが苦手になって、
 コミュニケーションの真ん中が欠けているよう。

 だからこそ、正直で気骨がある文の言葉、
 心を鍛える教えは、『現代のなくしもの』を
 探すヒントがある。

 露伴は自然に親しみ、
 四季にかこつけて勝手にお祝いをする人でしたが。
 カラスの鳴き声や植物に感じたこと、
 交わした会話や教えに導かれ、文は自然に触れることは、
 『この上ない老後の仕合わせにつながった』と振り返ります。
  ・・・・・
 季節感は、気持を新たにしてくれるのだと実感しました。

 疲れたときに文の文章を読むと、背筋が伸びる感覚があります。
 同時に包み込むような愛情を感じ、おなかのあたりがポカポカ
 するような充実感もあります。・・・・」


はい。産経新聞を講読しているのですが、
毎日ちゃんと読んでいないけれど、時に
印象深い言葉に包まれることがあります。
 
    
   




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4 コメント

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Unknown (びこ)
2022-01-12 23:43:46
幸田文は、幸田露伴に厳しく家事を仕込まれて、ある意味幸せでしたね。
返信する
おはようございます(^^♪ (のり)
2022-01-13 08:33:18
産経新聞に替えたくなりました~~

9日の「言葉を楽しむ習慣」の記事も大変心に残りましたが、今日の記事も何度も読み返しました。
文春と新潮についての考察、産経の気骨あるコラムと慈しみに溢れた人々による記事の掲載・・・

これからもも楽しみながら、学ばせて頂きます(^-^)
返信する
びこさんへ。 (和田浦海岸)
2022-01-13 09:44:42
こんにちは。びこさん。
コメントありがとうございます。

幸田文・幸田露伴を、私は読み齧りでの
パラパラ読みしかしていないのでした。
これはある意味不仕合せなのでしょうね。
だからって、きちんと読破できるかというと
やはりダメな私です。
返信する
のりさんへ。 (和田浦海岸)
2022-01-13 09:52:12
おはようございます。のりさん。

はい。産経新聞は全国紙ではないので、
読売などとは、比較にならない部数のようで、
それぞれの記者も金銭的にも苦しいようです。

頑張れ、ガンバレ産経新聞。
という気持ちがあります。
その割には、あまり丁寧に産経新聞を
わたしは読んでいないでおります。
返信する

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