和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

六十の手習。

2016-01-16 | 道しるべ
白洲正子著「私の百人一首」(新潮選書)の
表紙カバーのうしろに
大岡信氏の短文がありました。
それを引用。

「この本は『六十の手習』だと白洲さんはたびたび
書きしるしている。謙辞とばかり思ってはならない。
実際、この本を読み進むと、著者が『手習』の新鮮な
感触にぐんぐん引きこまれてゆく気配がじかに伝わって
くる行文に次々に出会うのである。・・・・
百人一首の魅力は、さもない歌と思っていた歌が
意外な厚味を持っていることを発見する驚きと
喜びのうちにあるが、白洲さんはその清冽闊達な
文の歩みの随所で、みずからの発見の驚きと喜びを
そのまま読者に手渡し、感染させる。・・・・」


講談社学術文庫にも「百人一首」があるので
古本で注文。
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百人一首。

2016-01-15 | 詩歌
お恥ずかしいのですが、
はじめて百人一首を読んでみました(笑)。

文英堂「原色小倉百人一首」
見やすく読みやすく
たのしく読めました。

今回読んでいて、
気になった歌は、これでした。

わが庵は 都のたつみ しかぞすむ
   世をうぢ山と 人はいふなり

   
山里は 冬ぞさびしさ まさりける
  人目も草も かれぬと思へば

もろともに あはれと思へ 山桜
  花よりほかに 知る人もなし



14日にNHKの歌会始を録画してあって
再生して聞くのですが、
そのたび、途中で寝てしまう。
録画しておいてよかった(笑)。
ときに再生してみることに。
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大竹伸朗さん。

2016-01-13 | 短文紹介
茂木健一郎著「東京藝大物語」(講談社)に
大竹伸朗氏が登場しておりました。
茂木さんが藝大の学生のために
大竹伸朗(しんろう)さんに講義をたのんだ
ようです。
そこで

「大竹伸朗さんご自身は、現役の時に
東京藝術大学を受けて落ち、
武蔵野美術大学に入った。
すぐに休学して、北海道の
別海町の牧場に住み込みで働き始めた
のだという。・・・」(p118)
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水木しげるのこころざし。

2016-01-12 | 道しるべ
筑摩書房の
現代漫画5「水木しげる集」。
その最後に鶴見俊輔氏が
作家と作品を書いておりました。
その最初のページに
武蔵野美術学校の文字。
最初から引用。

「水木しげるは、大正13年3月、鳥取県堺港市にうまれた。
高等小学校を出てから図案の学校に入り、2年ほどでやめた。
大阪の夜間中学校をへて、武蔵野美術学校に入った。
召集され陸軍に入り、歩兵としてラバウルに行く。
ここで左手を失なった。ラバウルで彼は、
死の世界と背中あわせになる体験とともに、
近代文明以前の手ごたえのたしかな生活を知った。
文明以前への回想と死の世界との交流とは、
水木しげるが戦後の日本を描く時に補助線として
くりかえし用いる方法であり、
水木の現代生活の描写はこの故に、
独自のあつみをもつようになる。
陸軍一等兵として昭和22年日本にかえって来てから、
水木は、神奈川県の旧陸軍病院に入院した。
画家になる志をすてにくく、
ふたたび武蔵野美術学校にもどるが学費がつづかず
退校した。・・・・」
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画家・水木しげる。

2016-01-11 | 産経新聞
1月11日の「産経抄」に
水木しげるの言葉が引用してありました。

『俺は画家になる。美を基礎づけるために哲学をする』
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問題を悩みにすり替えない。

2016-01-10 | 書評欄拝見
毎日新聞1月10日「今週の本棚」
そこにある「この3冊」は

大泉実也(みつなり)選で
「水木しげる」の3冊。

①ねぼけ人生〈新装版〉(ちくま文庫)
②コミック昭和史全8巻(講談社文庫)
③水木しげる漫画大全集064
「ガロ」掲載作品(講談社コミックプラス)

選評のはじまりは
「数ある水木関連本の中でも、
圧倒的な面白さで他の追随を許さないのが
『ねぼけ人生』だろう。水木しげるの自伝
なのであるが、とにかく面白いエピソード
が次から次へと泉のように湧き出てきて、
抱腹絶倒の作品である。
この面白さを支えているのは、おそらく
書いている水木先生自体が、別に面白い
ともなんとも思わず当たり前のこととして
淡々と書いているからであろう。・・・」


はい。私は「ねぼけ人生」未読。

読売新聞1月10日「本のよみうり堂」で
「ポケットに1冊」は(鵜)さんが
梅原猛著「少年の夢」(河出文庫)を
とりあげておりました。
興味深い文なので読みたいと思った
のですが、まてよ。
単行本で「少年の夢 梅原猛対談集」
(小学館)が1994年に出ていて
内容はすっかり忘れったのですが、
読んだときに、もう一冊もっていても
いいなあ。と思ったことがありました。

「読書情報」は、こうはじまっていたます。

「中学生向け国語辞典のトップセラー
『例解新国語辞典』の第九版(三省堂、2600円、
林四郎監修)が刊行された。
最新の中学教科書に準じた語句や新語を増補し、
5万9000語を収録している。・・・
小型辞典には珍しく方言も重視している。・・」


その上には
「著者来店」欄で
井上麻矢著「夜中の電話」。

「父・井上ひさしは晩年、自身の劇団こまつ座を
継ぐことになった三女に毎晩電話をかけ、
社長の心得から井上芝居の役割まで、
多くのことを伝えていた。・・・
『自分という作品を作っているつもりで
生きていきなさい』
『問題を悩みにすり替えない』
『一番大事なのは、想像力』・・・」

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歌屏風。

2016-01-09 | 絵・言葉
高階秀爾著「日本人にとって美しさとは何か」(筑摩書房)
の最初は講演のようです。題して
「言葉とイメージ 日本人の美意識」。

そこから引用。

「お渡しした資料に一つだけ、お祝いの歌、
賀の歌というのを出しておきました。
『春くれば宿にまづ咲く梅の花きみが千年(ちとせ)
のかざしとぞみる』、これは紀貫之がつくった歌
で前書に『本康の親王の七十の賀のうしろの
屏風によみてかきける』とあります。
『七十の賀』というのは、
今でも還暦のお祝いとかありますが、
それと同じようなもので当時は四十の賀から
始めたそうですけれども、四十になったとか、
五十になったとか、あるいは何かおめでたいことが
あったというときにお祝いをする。そのときに
お祝いの歌を詠む。そのお祝いの歌を集めたのが
『古今和歌集』にたくさんあります。
その前書に、お祝いの場の、
『うしろの屏風によみてかきける』とある。
つまり、お祝いの場で歌を詠んで、そして
屏風に書いたんですね。これは『屏風歌』と
呼ばれるもので、当時はいっぱいあった。
『古今和歌集』や、それ以外の和歌集にも
数多く残っています。ただ残念ながら屏風は
残っていません。歌を書き込んだ屏風を
『歌屏風』と読んでいますが、
歌屏風もいっぱいあったはずです。
つまり、屏風に絵が描いてあって、
その絵を見て歌人が歌を詠み、
屏風に書きつける。
直接書きこんだか、あるいは色紙のような
ものに書いて貼りつけたか、
やり方はさまざまだったでしょうが、
そこでは言葉とイメージが一つになって、
豊かな交響的世界が展開される。
もちろんこのような屏風は残っていないんですが、
歌と絵というのは昔から非常につながりが
あったということがこのことからもわかります。」
(p17~18)

さてっと、
次は『古今和歌集』をひらきたくなります(笑)。
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屏風歌(びょうぶうた)。

2016-01-08 | 絵・言葉
百人一首は
読んだことがないので、
今回少しめくってみる。

そこに『屏風歌』というのがある。

「屏風歌とは、大和絵の屏風に和歌をつけたもの。
九世紀の末ごろからはじまり、十世紀には
盛んに詠まれるようになった。」


ということで、
百人一首の在原業平朝臣の

「 ちはやふる 神代も聞かず 竜田川
 からくれなゐに 水くくるとは 」

これについての解説のはじまりは

「『古今集』の詞書には
『二条の后の春宮の御息所と申しける時に、
御屏風に竜田川に紅葉流れたる絵を描けりける
を題にて詠める』とある。屏風歌である。・・・」
(「原色小倉百人一首」(文英堂)p28)

ちなみに、
白洲正子著「私の百人一首」(新潮選書)では
この歌の解説では
その古今集に
「・・・素性法師の歌と並んでいる。」
として、素性(そせい)の歌も引用しています。

「 もみぢ葉の流れてとまる湊には
  くれなゐ深き波や立つらむ  そせい

 その次に業平の歌が出ているが、
同じ屏風に二つの歌をそえたのであろうか。
調度の類ができ上った時に、その作品を賞玩し、
ことほぐことは、王朝人の間でしばしば
行われたしきたりで、中でも屏風歌を
奉ることは、重要な儀式の一つであった。
そのためか、業平の作としては、
いかにも題詠歌らしく、取り澄ました気分である。」
(p51~52)

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見惚れてばかりゐて。

2016-01-07 | 詩歌
いろはかるたから
日本のかるたということで、
百人一首が
思い浮かぶ。
そういえば、と
丸谷才一著「新々百人一首」が
読まれずに鎮座していた(笑)。

出してきて、その
『はしがき』を読む。

「読者はなるべくならば、
律義に順を追ふことなく、
気の向くままに拾ひ読み
していただきたい。
詞華集はもともと、
『三体詩』だらうと
『フェイバー版現代詩集』だらうと、
さういふ読み方がふさはしいのである。」


ということで、
『はしがき』の最後を引用。


「とにかくかうして、
いつもと同じやうに和田誠さん装釘の本が出る。
ジョイス『ユリシーズ』のときなど、
美しすぎて見惚れてばかっりゐて、
などとぼやく向きもあつたと聞くけれど、
それで一向かまはない。
子供や孫が読めればいい。
何代たつても亡びない
百首をわたしは選んだ。」

はい。この『はしがき』に
見惚れてばかり。今回
内容順目次をはじめて読む。
そして数箇所をひらく(笑)。
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石造物百選。

2016-01-06 | 地域
隣の市の市民ギャラリーへ
今日立ち寄りました。
お客さんはどなたもおらず、
何か貸切りみたいです(笑)。
受付に声をかけると、
展示ギャラリーの電気をつけて
くださって、ゆっくりする。

受付のそばのテーブルでゆっくり。
すると、市で平成25年3月に出版された
「鴨川の石造物百選」が700円で売っている。

うん。よい買い物。
最初の興味は狛犬の写真でしたが、
石祠にはめ込まれた大天狗と烏天狗なんて、
思わず、時空を越えてしまいます。
ハイ、六十を過ぎったから、
こういうものに目が行くのかも。


産経新聞の1月6日(水曜日)は
曽野綾子氏の連載「透明な歳月の光」。
その最初と最後とを引用。


「『1億総活躍社会』という総理のうたい文句が、
嘲笑や非難の的になっているが、私は実に実感の
ある言葉だと思っている。
総理は体裁よく発表されたが、実は高齢者が
引退してのんびり暮らすなどということが
できる時代はもう終わったということなのだ。
今の私は夫の看護人をやっているので
そう解釈している。」

最後も引用。

「共同生活をする親友は、
健康で楽しい時代なら共有するが、
無限に続く汚物の処理までしてくれる
のかどうかは疑問だ、
それをできるのは現実的に家族しかいない。
足りないのは老人ホームなどの
建物ではないのだ。人手である。
これはいかなる政府も解決できない
深刻な問題だ。だから日本人は、
高齢者でも健康な限り最後まで、
より不健康な人のためにどこかで
働け、ということだろう。
子供を育てることと、
老人を人間らしく見送ることは、
何の事業よりも『神が喜ぶ』
大切な仕事のように私は感じている。
『総活躍社会』とは
そういうことに違いない。」

年賀はがきを
私は写真だけで、文は書かずに
横着しているのですが、
数行にわたって、
近況を書いてくれる
数名がいて、
手紙をもらったような気持ちになる。
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深く玩味してみます。

2016-01-04 | 書評欄拝見
戸板康二著「いろはかるた」(駸々堂ユニコンカラー双書)に

「森田誠吾氏の『いろはかるた噺』、
池田弥三郎・桧谷昭彦両氏共著『いろはかるた物語』は、
ともに、ことわざについて考えてみるたのしみが、
あることを教える書物だった。
池田弥三郎氏の『日本故事物語』にしても、
日本人の言語表現技術を語って、
飽くことを知らない本である、
ことわざ・たとえというものが、
常民の生活を見つめ、深く玩味してみるために、
この上ない資料だからであろう。」(p81)

今年も本を読まないだろうけれど、
これらの参考資料が
ネット検索で、すぐに安い古本で
注文できる便利さのありがたさ。
今年もありがたく、感謝して
利用させていただきます(笑)。
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犬棒とローリングストーン。

2016-01-03 | 道しるべ
戸板康二著「いろはかるた」(駸々堂ユニコンカラー双書)
外山滋比古著「ことわざの論理」(ちくま学芸文庫)


犬も歩けば棒にあたる

「・・・・棒で犬を打つというのは野蛮な行為だが、
昔の子供は、まがりくねった愛情で、動物を打ったり
いじめたりしたらしい。『浦島太郎』の物語は、
そこから生れた。しかし、このことわざについて、
『ほうぼうを、まめに歩きまわっていると、
思いがけない幸運にぶつかることもある』という、
楽観的な解釈を、ぼくは与えている。」
(「いろはかるた」p82)


A rolling stone gathers no moss
(「ことわざの論理」p14)
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身近な参考文献。

2016-01-02 | 本棚並べ
古本で
戸坂康二著「いろはかるた」(駸々堂ユニコンカラー双書)を
12月に手に入れ
その最後のページにある
参考文献を目にすると、ほしくなる(笑)。

森田誠吾著「昔いろはかるた」
     「いろはかるた噺」(求龍堂)
池田弥三郎著「日本故事物語」(河出書房新社)
池田弥三郎・桧谷昭彦共著
     「いろはかるた物語」(角川書店)
濱口博章・山口格太郎共著
     「日本のかるた」(保育社)
別冊太陽「いろはかるた」(平凡社)


ネットで古本が簡単に手に入る喜び。
ということで、
参考文献が労せずして身近に置けました。

今年も良い本との出会いがありますように。
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元旦

2016-01-01 | 地域
新年あけましておめでとうございます。

年賀はがきには
本たちの写真で、
「2016年元旦」

その本たち。
伊藤正雄著「文章のすすめ」前篇・後篇(春秋社)
復刻版・福沢諭吉「文字之教全三巻」
池永陽一著「学術の森の巨人たち」(熊本日日新聞)
門田隆将著「吉田昌郎と福島フィフティ」
渡部昇一著「朝日新聞と私の40年戦争」
外山滋比古著「老いの整理学」
加藤秀俊著「メディアの展開」
板坂元著「老うほどに智恵あり」
井伏鱒二著「厄除け詩集」
「謡曲集」上(有朋堂)
高階秀爾著「日本人にとって美しさとは何か」
石井桃子訳「シナの五にんきょうだい」
石井桃子著「子どもに歯ごたえのある本を」
やなせたかし著「アンパンマンの遺書」
水木しげる・荒俣宏著「戦争と読書」
水木しげる著「テレビくん」
現代漫画5「水木しげる集」
平山周吉著「戦争画リターンズ」


本年もよろしくお願いします。
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