和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

字も絵も。

2016-01-25 | 地域
1月も最終週にはいりました。
「いろはかるた」から
「百人一首」へと
古本が少しずつ増えました。

そういえば、
と本棚から、田辺聖子著「古典の文箱」(世界文化社)を
とりだしてくる。
私は小説を読まないので、田辺聖子さんの本は
これくらいしか読んでおりません(笑)。

さてっと、この文箱に
「ひとあじちがう人生」という文がありました。

「おすすめしたいものがあるのだ。
マンガと川柳である。それに『いろはかるた』。
マンガが社会に定着してもうだいぶになるが、
たしかに一つの分野を開拓して、文学でも
映画でも表現できない世界を創造したと私は思う。」

「王朝の人々は、字を書くのと同じように絵も描いた。
手紙に走り書きしてそのそばにちょっちょっと
簡単な絵を描いたらしい。
絵は教養ある人のたしなみの一つであったようだ。
『源氏物語』の『絵合(えあわせ)』の巻で
光源氏が須磨謫居(たつきょ)中、つれづれのままに
スケッチした風景画が、最後に提出される。
そのあまりの美事さに、ついに絵合わせの挑みは
源氏方の勝ちになる。
そういう本式、本格の絵でなくても『落窪物語』の
貴公子は、恋文の端にさらさらとマンガ風な絵を描いている。
字も絵も、王朝紳士は同じようにかきこなしたらしい。
いまの若い人も王朝文化の流れを汲んで、
簡単なマンガなんか実に巧いものだ。
私のところへくる未知の読者のお手紙にも、
マンガを面白くあしらって、手紙の末尾には、
『乱文乱絵、失礼しました』と書かれてある。
ほんとに感心してしまうほど、たのしげにノビノビと
描かれてあっていいなあ、と思う。」(p306~307)


別冊太陽の「百人一首」を
アマゾンで検索していたら、
mimisenmanさんの書評が書かれていて、
学研の「百人一首 再現!!不滅の歌かるた」を
推薦しておられ、さっそく古本注文。
うん。読めてよかった(笑)。
コメント
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