山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

コバイモを求めて鈴鹿の山へ  平成29年4月9日

2017年04月10日 | 圏外編
 山梨県で見られるコバイモは甲斐の姫君と越野の君の2種類があるが、今年初めて静岡県の越野の君を見たほかは他の種類のコバイモは見たことが無い。以前から見たいと思っていたのが鈴鹿山系に咲くコバイモである。おおよその場所はわかっているので行けば見られるであろうが、さらに情報収集のためこの山域を何度も訪れているうーさんに電話してみた。すると、驚いたことに現在奈良に帰省中で明日同じ山、しかも同じルートを山仲間と訪れることになっているそうだ。これは全くの偶然であるが願ってもいない幸運、頼もしい案内人が同行してくれることとなった。

 前日に御在所のサービスエリアまで移動して車中泊するが、名古屋に入ったあたりから土砂降りの雨となった。ワイパーで掃っても前が見えないほどの雨だ。これで大丈夫なのか?と思ったが、午後10時に御在所サービスエリアに到着した頃には雨は小降りになっていた。速く寝付きたいので睡眠薬を3錠飲んで寝ようとしたがなかなか寝付けず、結局12時近くになってようやく眠ることが出来た。翌朝は5時に目覚ましをかけ、予定通り起きたまでは良かったが睡眠薬の作用がまだ残っていて、フラフラして体のバランスが悪い。登山口に移動し、足の遅い私が先に登り始めているはずだったのだが、結局はうーさんたちと同じ時間に登り始めることとなって朝7時に出発となる。


    低いところではトウゴクミツバツツジが満開。


    ヒロハアマナは前夜の雨で花がしぼんでしまっていた。


    開花した花を発見。かなりの数があるが、前日の雨に続いてこの日も空模様が悪く、ご機嫌斜めだった。


    露に濡れたヒメウズ


    スミレはタチツボスミレだが、もうすぐ咲きそうなピンクの花はカテンソウ(イラクサ科カテンソウ属)。


    エゾアオイスミレが数株


    ヒナスミレも数株


    ミスミソウ。スハマソウとの区別は葉っぱの形だけで決めて良いものかどうかわからないが、混在しているように見える。


    ピンク色のミスミソウ。


    この山は大部分が石灰岩から成っている。


 コブをいくつか越えて山頂への最後の急登になるとそのあたりは石灰岩が露出しており、石灰岩地を好んで咲くセツブンソウがたくさん姿を現す。さらにこの山で群生していることが有名なフクジュソウが斜面のあちらこちらに咲いていた。しかし残念なことに、いずれも昨日の雨で花が痛んでおり、なかなか新鮮な花が見つからない。


    山頂間近の石灰岩露岩地帯。


    中腹にもたくさんあったが、ほとんど花が散った後だったセツブンソウ。前夜の雨で痛んでしまっている。


    残っていた新鮮なセツブンソウ。


    フクジュソウがたくさん咲いているが、こちらも花が傷んでいた。


    雨に濡れたフクジュソウ。山頂付近ではみぞれが舞って寒かった。花に隠れるようにコバイモの葉が出ている。

 目的のコバイモであるが、予想を遥かに上回る個体数が咲いていた。まだ花を咲かせない幼弱な葉も多数あり、この場所は今のところは絶滅するような状況では無いように見受けられ、他県の花ながらちょっと安心した。


    居ました、初めて対面する美濃のコバイモ。


    並んで咲いていた株。


    一見コシノコバイモに似ている。


    しかし花の中は・・・


    コシノと違って真っ赤。

 同行していただいた2人には申し訳ないほどにゆっくりの山歩きで、思う存分花を楽しませていただいた。山頂はみぞれが舞って寒かったが、おかげで人が少なく大休憩して昼食となる。下山は別ルートを使ったが、そちらもいろいろな花を楽しむことが出来た。ただ、残雪が溶け出して登山道が泥沼状態になっていて歩きにくかったのが難点だった。


    下山に使ったルートにもフクジュソウがたくさん咲く。こちらは上部はまだ蕾だった。


    コセリバオウレンは風に揺られてなかなか撮らせてくれない。


    コセリバオウレン


    シハイスミレにも遭遇。


    風に揺れるシハイスミレ


    こちらのルートでも美濃のコバイモに出会えたが、数は少なかった。

 案内していただいたおかげで、見たかった花はほぼ見ることが出来た。そして想定していた数を遥かに上回るコバイモにも出会うことが出来た。たいへん満足な山行となった。鈴鹿の山の素晴らしさを存分に知ることが出来、いつになるかはわからないが鈴鹿山系の他の山にも登ってみたくなった。



    記念撮影

 私としては予定通りの10時間弱の山行であったが、同行していただいたお二人にとってはスローピッチすぎて退屈だったかも知れない。ご案内とお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。



    まだ蕾だったこの花の開花しているところを見てみたい。

コメント (8)
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