山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

朝霧高原から見る2つの彗星  平成29年4月14日

2017年04月14日 | 星空
 現在10等級よりも明るい4つの彗星が夜空を賑わせている。しかしいずれも肉眼で見るのは難しく、明るい双眼鏡か天体望遠鏡が必要である。しかし、現在8等級くらいで推移しているはずだったパンスターズ彗星(C/2015 ER61)がアウトバーストを起こし、6等級台まで増光したという記事をネットで見かけた。この季節にしては珍しく空が晴れたこの日、月明かりが邪魔にはなるものの、次はいつ観察のチャンスがやって来るかわからない。朝霧高原道の駅に車中泊し、未明3時過ぎに富士山頂に姿を現すこの彗星を狙ってみた。

 11時に寝て2時45分に目を覚まし、機材を持って展望地に行きセットに取りかかるが、スカイメモSの極軸合わせに手こずって2台のカメラのうち1台をセットし終えたところでパンスターズ彗星が現われる時間になってしまう。富士山頂を狙って撮影を繰り返していると、うっすらと緑色の光が現われた。しかし月明かりが邪魔していることもあるのだが、想定していたよりも小さくて暗い。


    富士山頂に現れたパンスターズ彗星(C/2015 ER61)。小さくて暗い。7等級くらいだろうか。


    パンスターズ彗星


    あっという間に300㎜望遠レンズの視野から消えて行く。


    もう1台の200㎜がセットできた頃にはもうパンスターズ彗星は視野の外。

 富士山の視野から彗星が外に出たところで簡易赤道儀スカイメモSを起動させ、彗星を追尾してみる。そしてもう1台の200㎜で東の空に昇って来ているはずのラブジョイ彗星(C/2017 E4)を探すが、こちらは光が淡いうえに薄明の空の中に入ってしまい、あまり写ってくれない。


    300㎜レンズにスカイメモSセットして20秒追尾したパンスターズ彗星の画像。薄明が始まり空が青い。


    こちらはステライメージで加算処理したものだが、まだソフトの使い方がわからず画像はいまいち。


    200㎜望遠レンズ、Iso3200、F2.8, 1.3秒で撮影した画像。薄明の空で彗星が緑色には写らなかった。


    300㎜、10秒追尾。彗星の尾が出ているはずなのだが既に夜明けが近く写らない。

 このほかにタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)とジョンソン彗星(C/2015 V2)がもっと空高い位置に一晩中輝いているはずなのだが、そこまで観察する余裕が無かった。週末で徹夜しても大丈夫な日で空が晴れる日・・・などという好条件の日はまず巡って来ないだろうと思う。
    
コメント (4)
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割れる月光ダイヤモンド富士撮影失敗 朝霧高原  平成29年4月13日

2017年04月14日 | 星空
 この季節にしては珍しく、日没前から雲ひとつない快晴の空が広がった。今宵は16夜の月が昇る日だ。前日の15夜の月のほうを狙っていたのだが、残念ながら富士山は現れず、この日は風も少なく撮影には絶好の条件が揃った。朝霧高原道の駅付近で剣ヶ峰から月が現われるのは午後9時11分ごろだ。座標をGPSに転送して午後8時半に現地に行く。ところが、登録した座標点は木が邪魔になって富士山の眺望が悪い。その先には見晴らしの良い広場が広がっており、そこで三脚を構えることにしたが、衛星の補足状況が悪いのかGPSの座標が軽く10mほどずれてしまう。何度か位置を修正して良さそうな場所に2台のカメラをセットしたのはもう月の出の5分前になってしまった。


    もうすぐ月の出。月でも影富士が出る。200㎜望遠レンズ。


    600㎜は三脚2本で固定したが、ピントが合っていなかった。


    出た!と思ったら月は剣ヶ峰の右から出てしまった。


    剣ヶ峰の右から現れた月。完全に立ち位置がずれた。


    あと10~15m左だった。なんとなく割れて見えなくもない。


    もう剣ヶ峰を越えている。


    残念。今回も失敗。


    シルエット剣ヶ峰


    600㎜で捉えた月


    エクステンダー外して300㎜で捉えた月

 今回はGPS座標点で視野が得られなかったための立ち位置の失敗である。600㎜望遠には改造8角形絞りを装着し、Iso感度6400まで上げてシャッタースピード1秒~2秒の間で撮影を行ってみたが、月光の光芒の出方はこの設定で良さそうである。月齢15か16の月に限定される月光ダイヤモンド富士だけに、撮影の機会はさほど多くは無い。これからも挑戦が続く。          
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そろそろ咲いている頃だと思うが・・・ 敷島カタクリロード  平成29年4月12日

2017年04月14日 | 番外編
 2週間ほど前に見に来た時はカタクリの葉もまばらでまだ花芽は付いていなかった。もう1種類の見ておきたかった花はまだ葉も出ていない。林道周辺の伐採作業と作業道の拡張作業が行われていて、環境が変わって陽が当たり過ぎるようになってしまっているのも気がかりだった。カタクリはまだ早いかも知れないが、もうひとつの花はもう咲いている頃だろう。


    林道脇にイブキスミレが咲いていた。


    イブキスミレ。作業道整備で一部削られてしまっているが、それでも数は十分。


    あまり数はなかったが、エゾアオイスミレ。


    エゾアオイスミレ


    アカネスミレは咲き出したばかり。


    アカネスミレ


    この場所は色黒が多い。


    アケボノスミレ

 環境的にゲンジスミレが居るのではないかと林道脇の斜面を目を凝らして探したが、残念ながら見当たらなかった。


    カタクリの葉は昨年同様にたくさん出ている。


    花芽をつけて咲き出した株もあった。


    日当たりの良いこの場所は咲いている。近くに別の白い花があったはずだが、林道整備で刈り払われ、無くなっていた。


    花開いていたカタクリ


    このあたりにもあったのだが、作業道整備で削られてしまっている。


    カタクリの上に伐採した木の枝が乗っている。それでもたくましく花を咲かせている。


    心配していたのが林道整備と伐採でスカスカになってしまったこの雑木林。

 もうひとつの白い花が群生していた場所に行ってみる。伐採が進んで部分的に林がスカスカになってしまっており、咲いていてくれるかどうか心配だったが・・・


    ありました。もうひとつの白い花、アズマイチゲ。


    周りを見渡せば、昨年以上にたくさん出ていた。


    訪れたのが日没近い時間だったので、残念ながら花は開いていなかった。

 2週間前は葉っぱすら確認できなかったが、一気に花を咲かせたらしい。たくさん咲いてくれて良かった。しかし、昨年は咲いていたはずなのに今年は見つからない場所があり、生育範囲は狭くなっているような印象を受ける。おそらく、地権者の方や林道工事関係の方たちはこの花の存在を知らないであろう。これからもこの場所で咲き続けてくれることを願う。

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