山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

竜ヶ岳から見る剣ヶ峰ダイヤモンド富士 今回は何分割か?  平成29年12月17日

2017年12月17日 | ダイヤモンド富士
 前日、富士川町高下でダイヤモンド富士撮影後、山岳レインジャー活動の集計作業の手伝いのため早川町に移動し、作業が終えたのが午後5時だった。翌日は竜ヶ岳を予定していたので寝過ごすとまずいので朝霧高原道の駅で車中泊することにして移動した。ところが、本栖湖あたりから見上げる夕暮れの富士山は山頂が見えていない。精進湖に移動して撮影してみると、笠雲がかかっていた。笠雲はたいていの場合が天候が崩れてくる前兆である。明朝はどうなるかわからないので自宅に戻ることにした。


    笠雲がかかった精進湖から見る前夜の富士山。

 未明3時に起床して富士山ライブカメラをチェックする。ライブカメラの感度の良い河口湖逆さ富士、本栖湖、須走とチェックするが暗くて富士山の姿が見えない。しかし、星が輝いているのが見えるので、きっと富士山が出ているはずだ。3時半に自宅を出発して4時半に富士宮市根原の駐車場に到着する。持って行くレンズやフィルターの選定をしているとあっという間に時間が経ってしまい、出発は4時55分になってしまった。ダイヤモンド富士になる時間は7時37分なので普通に歩けば楽勝で到着する時間ではあるが、その前に端下峠から撮っておきたい画像があった。時間は6時10分ごろのはずだ。急がないと間に合わなくなってしまう。


    A沢貯水池付近から見る富士山。富士山右上のひときわ明るい星が木星、その右上が火星、さらにその右上ギリギリのところに居るのがおとめ座スピカ。


    必死に登って6時5分端足峠に到着。急いで2台のカメラをセットするが・・・??

 6時8分と記憶していたのだが、6時15分を過ぎてもお目当てのものが姿を現さない。記憶違いだったようで、出てきたのは6時20分を過ぎた頃だった。


    待っていたのはこの細い月。


    白山岳に昇る細月。明日新月を迎える月齢28.6の極細の月である。


    地球照の月を期待していたのだが、細過ぎた。

 月を撮って機材を片付けると時刻は6時35分になってしまった。ここから竜ヶ岳山頂までは標高差220m、コースタイムで約1時間である。急がないとダイヤモンド富士に間に合わなくなってしまう。先ほど以上に必死で竜ヶ岳南側尾根の急斜面をひたすら登る。頑張った甲斐あって7時15分、約40分で山頂近くの撮影場所に到着した。う~ん、頑張れば出来るもんだ。

 いつものようにGPSに登録した座標点を探して三脚を立てるが、5mくらいの座標のずれは普通に起こる。やっとセットできたと思ったらGPSの座標点がずれてしまっている。位置を移動してセットし直す。準備完了して試写していると、直前になって1台のカメラの電池切れ、さらに今度はもう1台のカメラがフライングしてシャッターを連写してしまったためメモリーカードが容量不足になってしまう。バタバタとセットし直してダイヤ1分前にようやく準備が完了した。強風に煽られて雪煙が多いが、さて、どうなりますか?


    裏側に影富士。もう少しで撮影地に到着だ。十分に間に合いそうだ。


    600㎜試写。風が強く雪煙が多い。


    もう少し。左側から出そうだと思ったが・・・


    現われたのは想定外に右だった。


    位置が悪かったうえに雪煙に邪魔されるが、それでもきっちりと割れる。


    剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士


    左が小さいが3分割に成功。


    同上


    この時点で剣ヶ峰のいちばん左側から光が出ていれば成功だったが、わずかにずれた。


    剣ヶ峰に立つ塔を越えている。 


    しかし剣ヶ峰左右で割れるダイヤの感触は十分にえられた。


    竜ヶ岳のこのあたりの位置ならば剣ヶ峰両脇から光を出すティアラの撮影は十分に可能だと思う。


    本日のダイヤモンド富士撮影地は笹薮の中の登山道脇。

 太陽の位置が最も低い位置に来る冬至の前後が最も撮影のチャンスが高い。軌道を再計算の上に再チャレンジ、今年のうちになんとか決着が着けば良いが、起伏のある山の上はちょっとした立ち位置で標高がずれるため太陽軌道もずれてしまう。朝霧高原のように左右の位置だけでは解決できない上下の問題があるのだが、それはもはやカシミール3Dで計算してGPSでいかに正確に座標点に立ったとしても解決できるものでは無い。根気と勘と強運を持ち、山の神様が微笑む時に初めて成し得る業だと思う。これからも挑戦は続く。


コメント (2)
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薄雲に阻まれた白山岳ダイヤモンド富士 高下  平成29年12月16日

2017年12月17日 | ダイヤモンド富士
 12月13日から富士川町高下で白山岳で割れるダイヤモンド富士撮影が可能となっている。本日は今シーズン初めての高下からの撮影である。ダイヤになる時間は7時10分ごろであるが、未明5時に自宅を出発するために現地の近くに行くまで富士山がどうなっているのかわからない。高下に昇る道路の途中からは綺麗な富士山が見えているように思えたのだが、現地に到着してみると・・・富士山は綺麗に見えているがその裏側に薄雲が出てしまっている。普通のダイヤモンド富士を撮るにはこの程度の雲は全く問題無いのだが、割れるダイヤを撮るとなるとこの薄雲は雪煙以上に不都合である。たぶん無理だろうと思いながら、GPSで座標点を探して三脚を立てる。


    富士山は姿を現しているが薄雲が広がってしまった高下の朝。


    300㎜望遠で見ると若干霞も出ている。


    200㎜もセット完了。さて、どうなりますか?


    白山岳の裏側が輝き出し、もうすぐだ。シャッターを連写する。


    白山岳左にチラリと太陽のシルエットが見える。


    さらに右からも現れた。


    これで完全に2分割ないし3分割しているはずだ。


    座標はぴったりだったが薄雲に阻まれてダイヤモンドは輝かず。


    惜しかった。


    残念。


    高下のダイヤモンド富士。本日は手前の木が邪魔になるポジションだったので、この周辺には誰も居らず。


    風車富士?クロスカットフィルターはダイヤモンド富士の撮影にはあまり向かなそうだ。

 既に年内いっぱいの高下から見る白山岳ダイヤモンド富士の座標は計算済みであり、今回の軌道でほぼ正確に割れてくれるようである。今後に期待したいと思う。
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