山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

朝焼けの甲斐駒ケ岳とスノームーン 北杜市明野 令和3年2月28日

2021年03月02日 | 番外編
 もう2月も終わりで明日からは3月である。早いものである。植物探索も忙しくなるのだが、その前に本日は山梨県山岳レインジャー調査のための書類作成という大切な会合が朝9時から入っている。その会合の前に、昨日の夕方南部町で見たスノームーンが今度は甲斐駒ケ岳に沈んで行くところを明野村に撮影に出かけた。既に先客のカメラマンが2~3人カメラをセットしていた。写真好きの考えていることは皆同じのようである。


    甲斐駒ケ岳に向かって沈んで行く月。GPSに座標を登録したつもりだったが入っておらず、だいたいこの辺という目安でカメラを構える。


    朝焼けの甲斐駒ケ岳に月が迫って来た。












    もう1台のボーグ望遠レンズはフォーカスが甘かった。おそらく、テレコンバーターの調整がずれてしまっているのだろう。

 もう少し赤く染まる甲斐駒ケ岳を期待したのだが、薄い霞が広がっていて少し染まっただけだった。良いとも悪いとも言えない画像になってしまった。

 場所を変えて朝の八ヶ岳と南アルプス、そして富士山が見える場所に移動する。


    朝の八ヶ岳


    南アルプス


    そして富士山

 北杜市明野は山々に囲まれた眺望の良い場所である。星空を含めて何度か撮影に来ているが、これだけの眺望に恵まれているのに感動的な写真は撮れていない。霞がかかって空気の透明度があまり良く無い日に訪れていることが多いからだろう。そのうち、南アルプスの上に立ち昇る天の川を撮ってみたいと思っている。




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スノームーン昇る 南部町の林道 令和3年2月27日

2021年03月02日 | 月富士
 本日はスノームーンと呼ばれる2月の満月が昇って来る日である。長者ヶ岳に登れば富士山山頂に月が昇るパール富士になるのだが、月が現れるのが日没から30分以上過ぎた時間なので、富士山に露出を合わせると月が太陽のように明るくなり月に露出を合わせると今度は富士山が真っ暗になってしまう撮影が難しい時間帯になってしまう。そこで探していたのが南部町の林道からの撮影場所である。しかし、今回探索した林道だとどう見ても月は富士山山頂から右に外れて昇って来そうである。良さそうな展望地をいくつか尾根を登って探してみるが良い場所が無い。止む無し、だいぶ高度は下がるが林道脇に富士山の見える場所があったので、そこでカメラを構える。


    林道脇の展望地から見る富士山。下に南部町の町と富士川が見える。富士山の真下に見える山並が長者ヶ岳と天子ヶ岳である。


    日没の頃の富士山。少しだけ染まってくれた。


    望遠レンズで捉えた富士山。予想では左裾の真ん中あたりから昇って来ると思ったのだが・・・。


    想定していたよりもかなり右側から月が昇って来た。


    こんなに外れるとは想定外。パソコンを持ち歩いていないのも失敗だっただろう。


    富士山の裾野から昇った月


    こんな月も悪くは無い。


    南部の町灯りとスノームーン


    望遠レンズの視野には富士山が入り切らなかった。


    月だけを追いかける。


    2月の満月 スノームーン (トリーミング画像)

 想定した以上に右手から月が現れて少しばかり面食らったが、こんな月も良いのではないだろうか。富士山と月のバランスはこの辺りからだと良さそうである。安部奥の稜線まで登らないとなかなか良い撮影場所が無い山域だけに、展望場所がいくつか見つかっただけでもそれなりの収穫だった。良い日があれば、再写に来てみよう。

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これがカンアオイ 南部町の林道を探索 令和3年2月27日

2021年03月02日 | 山に咲く花
 この林道を探索する予定では無かったのだが、渓谷沿いに走っている林道を車で先に進んでみるとその先は山の斜面をジグザグに登るように林道が伸びていた。どこまで行けるのだろうか?カーナビでは地図に出て来ない林道だが、ガーミンのGPSだとかなり上のほうまで林道が続いている。行けるところまで行ってみよう・・・と進んだが、途中から道がえぐれている悪路となり諦めかけたがもう少し・・・と進み遂に林道終点と思わしき広場までたどり着いた。その先にも道はあるものの、落石していてとても車では行けそうもない。では、どこまで行けるのか歩いてみよう、と軽荷物で進んでみるとその先数百メートル進んだところで今度こそ林道は終点になっていた。どこか富士山が見えるところは無いのか?と斜面を少し登ってみる。


    悪路の林道を進むと終点と思わしき広場に到着。


    その先はとてもではないが車では進めない。しかし数百メートル進むと今度は本当に林道終点になっていた。


    伐採地があり、この斜面を登れば富士山が見えそうだ。登ってみる。


    なんとか富士山は見えるが、下の林と手前の木が邪魔していまいち見ずらい。


    写真撮影にはあまり向かなそうである。

 なんとか富士山は見えたものの、周辺の木が邪魔で裾野までは見通すことが出来ず、写真撮影にはいまいちの場所だった。伐採地から上の斜面を見上げると、急登ではあるが赤テープと境界見出し標らしきものが付いている。この尾根は登れるのだろうか?色気を出して少し上まで行ってみる。


    赤テープと境界見出し標らしき杭が見える。登ってみる。


    急登を登り切ると傾斜が緩くなった。そして道らしきものが付いている。林業作業道だろう。

 尾根には林業作業道と思わしき道が付いており、その先にある主脈尾根までは標高差で250m ほど、さらにそこから安部奥の主脈尾根までは標高差500mほどある。おそらく道は無いであろうが、尾根を外さずに進めば安部奥の主脈まで登れそうな気がしなくもないが、帰りは苦労しそうである。本日はここまでで撤退するが、足元にはカンアオイの仲間の葉がちらほらと生えており、根元を見れば花が付いていた。


    カンアオイの仲間を発見。割合と新鮮な花が付いている。


    リングライト付き接写型マクロレンズで中を覗き込んでみる。雌しべの先端部が2つに割れているようだ。


    別の株。


    この花は入り口が広くて中が観察し易い。雌しべは曲がっていないようである。

 三脚を固定してフォーカスを合わせて何度も撮影するが、固定に失敗して三脚が倒れてしまい花の一部を損傷してしまった。ならば、申し訳ないが一部を取り除かせてもらい、花の中を覗かせてもらう。


    一部を取り除いて中を見せてもらう。根元のほうにあるのが雄しべで長いほうが雌しべ。真っ直ぐに伸びて先端部が2つに割れている。

 花には申し訳ないことをしたが、中を見てみると6本の雌しべは真直ぐに伸びていて先端が2つに割れており、その途中に受粉する場所らしきザラザラした部分が付いていた。これはカンアオイである。この構造と上から覗き込んだ時の形が分かると、次からは花を壊さずにかなりの判別が可能になるのではないかと思う。過去に撮影した画像を見直してみたところ、カギガタアオイと思って撮影してきたもののひとつはカンアオイであることが分かってきた。山梨県に生育しているカンアオイの仲間はこのカンアオイとカギガタアオイ、さらにランヨウアオイ、ウスバサイシン、フタバアオイの5種類と思われる。後者3種類は咲く時期と葉と花の形で区別が可能で、難しいのは前者2種類である。さらに、数年前に上野原市で5月に撮影したカンアオイの仲間があり、開花時期と生育場所からタマノカンアオイではないかと疑っており、今年確認に行こうと思っている。花を壊してしまって本当に申し訳なかったが、鑑別には大きく1歩前進した。

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マツバランは元気にしているか? 南部町 令和3年2月27日

2021年03月02日 | シダの仲間
 甲府市近傍で見つかったマツバランはまだ幼弱でこの季節は球形の胞子嚢を付けていなかった。では南部町に生育しているマツバランはどうなのだろうか?胞子嚢の状態が気になって見に行ってみた。


    桜の木の幹に着生したマツバラン


    昨年見た時よりもいくぶん大きくなったように見える。


    胞子嚢はどうだろうか?


    普通に球形の胞子嚢が付いている。


    どうやら季節は関係無いようだ。

 周辺に何かないかどうかドライブして探索してみる。


    民家の庭に生えていたカヤの木の大木


    この木にはやはり着生している。ムギラン。


    梅の木の幹にはこれが着生していた。


    結実したクモラン


    そのうち実が割れて綿毛のような種が舞い出すだろう。


    大きな桜の木があった。たぶんエドヒガンザクラの大木。


    双眼鏡で木の幹や枝を覗き込んでみると、何か着生している。


    この大木にもマツバランが着生していた。


    それなりの大株、胞子嚢がたくさん付いている。

 まさかと思ったが、別の桜の大木にもマツバランが着生していた。これでマツバランの生育場所は山梨県では3ヶ所確認されたことになった。きっとまだ他にもあるのだろう。

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リンボクとカギガタアオイ 南部町 令和3年2月27日

2021年03月02日 | 里に咲く花
 山梨県の絶滅危惧種の中でまだほとんど手付かずなのが樹木の類である。樹木のことはほとんど知らず、スギとヒノキ、ブナとイヌブナくらいしか区別が出来ないと言っても良いほどに知識が無い。その程度の知識で絶滅危惧種を追いかけるのはいかがなものかとも思うのだが、これから少しずつ勉強して行きたいと思う。ネットで調べてみたところ、リンボクという木が自然記念物として情報公開されていることを知り、さっそく見に行ってみた。


    リンボクの生育している南部町の寺院


    掲示板があった。


    塀の外に生えていたリンボク


    リンボクの葉


    葉にギザギザがあり、別名ヒイラギガシと呼ばれる。


    種が落ちた後。6月ごろに白い花が咲いているはずなので見に来てみたい。


    寺院の裏山


    ここにもリンボクがたくさん生えている。


    裏山に登ってみる。コシダ。


    オオベニシダに混じってたぶんこれはトウゴクシダ


    コクランの葉


    そしてもうひとつのお目当てのカギガタアオイ


    花が付いているが・・・


    傷んで変形している。内部は曲がった雌しべの一部が見えているように思うが、良く分からない。


    別株


    こっちの花は割合としっかりしている。


    中は・・・曲がった雌しべの先端部が見えているように思う、が確信は持てず。

 この場所に生えているのはカギガタアオイであるということが分かっているので、花の中の雌しべは雨傘の柄のように曲がっているはずである。見えているのは曲がった柄の先端部分なのであろうが、今回使用したリングライト付きの接写型マクロレンズではこれが限界である。そのうち新兵器が届くはずだが、それを使ってどこまで見えるのか?カンアオイもカギガタアオイも、もうそろそろ花は終わってしまいそうである。


    
コメント (3)
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