山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

まだ蕾のベニカヤラン 富士山麓  平成29年4月15日

2017年04月16日 | 花・花・花
 昨年の今頃は満開を迎えていたベニカヤラン。何度か撮影に出かけたが満足に撮影出来たものは無かった。600㎜望遠を使うと現在のカメラシステムでは撮影時にブレが生じてしまうことに難点があった。そこで今回は三脚2本を使用してレンズを固定する新しい手技を試してみた。


    ベニカヤランが着生した木。300㎜望遠。


    600㎜望遠。ブレているように見える。


    600㎜、三脚2本でレンズを固定。さほどブレていないはずなのだが、どこにもピントが合っていないように見える。

 おそらく、このブレているように見えるのはカメラ側のブレでは無くて風で揺れる木にあるのだろうと考えられる。画像が荒くなるのを覚悟でIso感度を上げるか、高価な明るいレンズを購入するか・・・今のところ新レンズを購入するほど入れ込んでは居ないし、金銭的余裕も無い。


    位置を変えて日が当たるところでシャッタースピードを早めに切る。


    トリーミング画像。これくらい撮れていれば上出来。ベニカヤランはまだ蕾だ。


    少しだけ開き始めたものもある。

 開花はあと1~2週間先になりそうだ。撮影システムをもう少し考えてみたい。 
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剣ヶ峰から昇る多重分割ダイヤモンド富士「ティアラ」 小田貫湿原  平成29年4月14日

2017年04月16日 | 番外編
 一晩中空が晴れ渡ったこの季節にしては珍しい好天だったが、朝霧高原からの彗星の撮影は不満足に終わった。朝霧高原で車中泊した目的は前夜の月、未明の彗星、そしてもうひとつ狙っていたものがあった。星の明かりが朝の空に消える頃、小田貫湿原に移動する。

 駐車場に車を止め、GPSに登録しておいた場所に三脚とカメラを担いで移動する。狙ったポジションは川沿いの土手の斜面で三脚が安定せず、平らな場所で最も座標点に近い場所にセットする。ところが、エクステンダーを車に置き忘れてきたことに気付き、取りに戻ってカメラをセットし終えたのはダイヤ10分前になってしまう。久しぶりの剣ヶ峰ダイヤモンド富士、うまく撮れますかどうか?


    ダイヤ前の影富士。200㎜レンズ。


    始まりました。まずは1つ目。


    2つ目+α


    真ん中に小さく3つ目


    さらに多重分割?

 これを600㎜望遠で捉えた画像だと、なかなか面白い画像が撮れていた。


    2分割+α


    5分割+α


    6分割+α


    もうこれは多重分割ダイヤモンド富士「ティアラ」と言って良いと思う。


    ようやく撮影に成功したティアラ。

 しいて言えばあと1歩右寄りで良かったかも知れない。さらに、富士山との距離をもう少し近くすれば、左右の大きな光がもう少し小さくなってもっと均等に分割できたかも知れない。しかし、おおむねこの方角での太陽と剣ヶ峰の大きさがこの界隈でマッチングしてくれるようだ。とりあえずは撮影成功、ということにしたい。
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朝霧高原から見る2つの彗星  平成29年4月14日

2017年04月14日 | 星空
 現在10等級よりも明るい4つの彗星が夜空を賑わせている。しかしいずれも肉眼で見るのは難しく、明るい双眼鏡か天体望遠鏡が必要である。しかし、現在8等級くらいで推移しているはずだったパンスターズ彗星(C/2015 ER61)がアウトバーストを起こし、6等級台まで増光したという記事をネットで見かけた。この季節にしては珍しく空が晴れたこの日、月明かりが邪魔にはなるものの、次はいつ観察のチャンスがやって来るかわからない。朝霧高原道の駅に車中泊し、未明3時過ぎに富士山頂に姿を現すこの彗星を狙ってみた。

 11時に寝て2時45分に目を覚まし、機材を持って展望地に行きセットに取りかかるが、スカイメモSの極軸合わせに手こずって2台のカメラのうち1台をセットし終えたところでパンスターズ彗星が現われる時間になってしまう。富士山頂を狙って撮影を繰り返していると、うっすらと緑色の光が現われた。しかし月明かりが邪魔していることもあるのだが、想定していたよりも小さくて暗い。


    富士山頂に現れたパンスターズ彗星(C/2015 ER61)。小さくて暗い。7等級くらいだろうか。


    パンスターズ彗星


    あっという間に300㎜望遠レンズの視野から消えて行く。


    もう1台の200㎜がセットできた頃にはもうパンスターズ彗星は視野の外。

 富士山の視野から彗星が外に出たところで簡易赤道儀スカイメモSを起動させ、彗星を追尾してみる。そしてもう1台の200㎜で東の空に昇って来ているはずのラブジョイ彗星(C/2017 E4)を探すが、こちらは光が淡いうえに薄明の空の中に入ってしまい、あまり写ってくれない。


    300㎜レンズにスカイメモSセットして20秒追尾したパンスターズ彗星の画像。薄明が始まり空が青い。


    こちらはステライメージで加算処理したものだが、まだソフトの使い方がわからず画像はいまいち。


    200㎜望遠レンズ、Iso3200、F2.8, 1.3秒で撮影した画像。薄明の空で彗星が緑色には写らなかった。


    300㎜、10秒追尾。彗星の尾が出ているはずなのだが既に夜明けが近く写らない。

 このほかにタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)とジョンソン彗星(C/2015 V2)がもっと空高い位置に一晩中輝いているはずなのだが、そこまで観察する余裕が無かった。週末で徹夜しても大丈夫な日で空が晴れる日・・・などという好条件の日はまず巡って来ないだろうと思う。
    
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割れる月光ダイヤモンド富士撮影失敗 朝霧高原  平成29年4月13日

2017年04月14日 | 星空
 この季節にしては珍しく、日没前から雲ひとつない快晴の空が広がった。今宵は16夜の月が昇る日だ。前日の15夜の月のほうを狙っていたのだが、残念ながら富士山は現れず、この日は風も少なく撮影には絶好の条件が揃った。朝霧高原道の駅付近で剣ヶ峰から月が現われるのは午後9時11分ごろだ。座標をGPSに転送して午後8時半に現地に行く。ところが、登録した座標点は木が邪魔になって富士山の眺望が悪い。その先には見晴らしの良い広場が広がっており、そこで三脚を構えることにしたが、衛星の補足状況が悪いのかGPSの座標が軽く10mほどずれてしまう。何度か位置を修正して良さそうな場所に2台のカメラをセットしたのはもう月の出の5分前になってしまった。


    もうすぐ月の出。月でも影富士が出る。200㎜望遠レンズ。


    600㎜は三脚2本で固定したが、ピントが合っていなかった。


    出た!と思ったら月は剣ヶ峰の右から出てしまった。


    剣ヶ峰の右から現れた月。完全に立ち位置がずれた。


    あと10~15m左だった。なんとなく割れて見えなくもない。


    もう剣ヶ峰を越えている。


    残念。今回も失敗。


    シルエット剣ヶ峰


    600㎜で捉えた月


    エクステンダー外して300㎜で捉えた月

 今回はGPS座標点で視野が得られなかったための立ち位置の失敗である。600㎜望遠には改造8角形絞りを装着し、Iso感度6400まで上げてシャッタースピード1秒~2秒の間で撮影を行ってみたが、月光の光芒の出方はこの設定で良さそうである。月齢15か16の月に限定される月光ダイヤモンド富士だけに、撮影の機会はさほど多くは無い。これからも挑戦が続く。          
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そろそろ咲いている頃だと思うが・・・ 敷島カタクリロード  平成29年4月12日

2017年04月14日 | 番外編
 2週間ほど前に見に来た時はカタクリの葉もまばらでまだ花芽は付いていなかった。もう1種類の見ておきたかった花はまだ葉も出ていない。林道周辺の伐採作業と作業道の拡張作業が行われていて、環境が変わって陽が当たり過ぎるようになってしまっているのも気がかりだった。カタクリはまだ早いかも知れないが、もうひとつの花はもう咲いている頃だろう。


    林道脇にイブキスミレが咲いていた。


    イブキスミレ。作業道整備で一部削られてしまっているが、それでも数は十分。


    あまり数はなかったが、エゾアオイスミレ。


    エゾアオイスミレ


    アカネスミレは咲き出したばかり。


    アカネスミレ


    この場所は色黒が多い。


    アケボノスミレ

 環境的にゲンジスミレが居るのではないかと林道脇の斜面を目を凝らして探したが、残念ながら見当たらなかった。


    カタクリの葉は昨年同様にたくさん出ている。


    花芽をつけて咲き出した株もあった。


    日当たりの良いこの場所は咲いている。近くに別の白い花があったはずだが、林道整備で刈り払われ、無くなっていた。


    花開いていたカタクリ


    このあたりにもあったのだが、作業道整備で削られてしまっている。


    カタクリの上に伐採した木の枝が乗っている。それでもたくましく花を咲かせている。


    心配していたのが林道整備と伐採でスカスカになってしまったこの雑木林。

 もうひとつの白い花が群生していた場所に行ってみる。伐採が進んで部分的に林がスカスカになってしまっており、咲いていてくれるかどうか心配だったが・・・


    ありました。もうひとつの白い花、アズマイチゲ。


    周りを見渡せば、昨年以上にたくさん出ていた。


    訪れたのが日没近い時間だったので、残念ながら花は開いていなかった。

 2週間前は葉っぱすら確認できなかったが、一気に花を咲かせたらしい。たくさん咲いてくれて良かった。しかし、昨年は咲いていたはずなのに今年は見つからない場所があり、生育範囲は狭くなっているような印象を受ける。おそらく、地権者の方や林道工事関係の方たちはこの花の存在を知らないであろう。これからもこの場所で咲き続けてくれることを願う。

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咲き始めたスミレたち 甲府市北部の林道  平成29年4月12日

2017年04月12日 | 花・花・花
 2週間前は雪が降って10㎝近い積雪があった甲府市北部の山沿いを走る林道だが、もう雪は無いはずだ。雪の影響で例年よりも2週間ほど開花が遅れているスミレだが、そろそろ咲いているかも知れない。


    タチツボスミレがちらほら咲き始めている。


    ほとんどが出始めたばかりの葉だけだったが、日当たりの良い場所で少しだけ咲いていた。


    エイザンスミレ


    道路脇の日当たりの良い場所で咲き始めていたヒナスミレ。2週間前は雪に覆われていた場所。


    白っぽいヒナスミレ。


    咲き始めたシハイスミレ。葉っぱがまだ十分に出ていない。


    変な花だと思ったら2本が絡み合って咲いていた。


    昨年は勢力範囲を少し広げていたこのスミレ、今年はどれくらい咲いてくれるのか?


    心配しているのがこの脆くて崩落し易い斜面。しかし、このような場所を好んでアカネスミレやゲンジスミレが咲く。そしてまだ正体がわからないスミレも。

 ようやく咲き始めた山上のスミレたち、これからが楽しみだ。
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雲海の広がった甲府盆地  平成29年4月12日

2017年04月12日 | 番外編
 我が家の目覚まし君は最近年を取ったのかご機嫌が斜めだ。先日は勢い良く鳴って目を覚まさせてくれたまでは良かったが、止めたはずなのに鳴り止んでくれない。そこでちょっといじって設定を変えてやったら、今度はヘソを曲げて鳴ってくれなくなってしまった。

 ということで、今朝は早朝4時に目覚ましをかけて北杜市明野まで甲斐駒ケ岳に沈む月齢15の月を撮影に行く予定だった。しかし、目覚まし時計が鳴らず目が覚めれば時刻は5時15分、ちょうど甲斐駒ケ岳に月がさしかかっている時間だ。もはや間に合わず、月と甲斐駒ケ岳はあきらめた。6時に床から出て外を見ると霧がかかっていた。しかし、富士山のライブカメラをチェックすると山中湖、精進湖、本栖湖とも富士山は見えている。ということは、この霧は甲府盆地にだけかかっているということだろう。何度も撮影に出かけている千代田湖の上にある白山展望台を目指して車を走らせるが、千代田湖も霧の中だ。しかし空を見ると朝日が雲を透かして見えている。もう少し高いところに登れば・・・その上にある金子峠(きんすとうげ)まで行くと見事に霧から抜け出して、雲海の上に飛び出した。


    金子峠から見る雲海に覆われた甲府盆地と富士山。


    雲海と富士山。ひょうたん島のように頭を出しているのは大笠山で、その下の愛宕山は雲の下。


    淡雪山に登る。南アルプスの裾野にも雲海が広がっている。


    雲海と甲斐駒ケ岳。朝の月は起きられずにちょっと悔しい。


    淡雪山から見る雲海と富士山。


    雲海暴れる富士山。


    金子峠と雲海の富士山。

 素晴らしい朝の雲海と富士山を堪能した。時刻は8時、出勤には余裕で間に合うが・・・。
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コバイモを求めて鈴鹿の山へ  平成29年4月9日

2017年04月10日 | 圏外編
 山梨県で見られるコバイモは甲斐の姫君と越野の君の2種類があるが、今年初めて静岡県の越野の君を見たほかは他の種類のコバイモは見たことが無い。以前から見たいと思っていたのが鈴鹿山系に咲くコバイモである。おおよその場所はわかっているので行けば見られるであろうが、さらに情報収集のためこの山域を何度も訪れているうーさんに電話してみた。すると、驚いたことに現在奈良に帰省中で明日同じ山、しかも同じルートを山仲間と訪れることになっているそうだ。これは全くの偶然であるが願ってもいない幸運、頼もしい案内人が同行してくれることとなった。

 前日に御在所のサービスエリアまで移動して車中泊するが、名古屋に入ったあたりから土砂降りの雨となった。ワイパーで掃っても前が見えないほどの雨だ。これで大丈夫なのか?と思ったが、午後10時に御在所サービスエリアに到着した頃には雨は小降りになっていた。速く寝付きたいので睡眠薬を3錠飲んで寝ようとしたがなかなか寝付けず、結局12時近くになってようやく眠ることが出来た。翌朝は5時に目覚ましをかけ、予定通り起きたまでは良かったが睡眠薬の作用がまだ残っていて、フラフラして体のバランスが悪い。登山口に移動し、足の遅い私が先に登り始めているはずだったのだが、結局はうーさんたちと同じ時間に登り始めることとなって朝7時に出発となる。


    低いところではトウゴクミツバツツジが満開。


    ヒロハアマナは前夜の雨で花がしぼんでしまっていた。


    開花した花を発見。かなりの数があるが、前日の雨に続いてこの日も空模様が悪く、ご機嫌斜めだった。


    露に濡れたヒメウズ


    スミレはタチツボスミレだが、もうすぐ咲きそうなピンクの花はカテンソウ(イラクサ科カテンソウ属)。


    エゾアオイスミレが数株


    ヒナスミレも数株


    ミスミソウ。スハマソウとの区別は葉っぱの形だけで決めて良いものかどうかわからないが、混在しているように見える。


    ピンク色のミスミソウ。


    この山は大部分が石灰岩から成っている。


 コブをいくつか越えて山頂への最後の急登になるとそのあたりは石灰岩が露出しており、石灰岩地を好んで咲くセツブンソウがたくさん姿を現す。さらにこの山で群生していることが有名なフクジュソウが斜面のあちらこちらに咲いていた。しかし残念なことに、いずれも昨日の雨で花が痛んでおり、なかなか新鮮な花が見つからない。


    山頂間近の石灰岩露岩地帯。


    中腹にもたくさんあったが、ほとんど花が散った後だったセツブンソウ。前夜の雨で痛んでしまっている。


    残っていた新鮮なセツブンソウ。


    フクジュソウがたくさん咲いているが、こちらも花が傷んでいた。


    雨に濡れたフクジュソウ。山頂付近ではみぞれが舞って寒かった。花に隠れるようにコバイモの葉が出ている。

 目的のコバイモであるが、予想を遥かに上回る個体数が咲いていた。まだ花を咲かせない幼弱な葉も多数あり、この場所は今のところは絶滅するような状況では無いように見受けられ、他県の花ながらちょっと安心した。


    居ました、初めて対面する美濃のコバイモ。


    並んで咲いていた株。


    一見コシノコバイモに似ている。


    しかし花の中は・・・


    コシノと違って真っ赤。

 同行していただいた2人には申し訳ないほどにゆっくりの山歩きで、思う存分花を楽しませていただいた。山頂はみぞれが舞って寒かったが、おかげで人が少なく大休憩して昼食となる。下山は別ルートを使ったが、そちらもいろいろな花を楽しむことが出来た。ただ、残雪が溶け出して登山道が泥沼状態になっていて歩きにくかったのが難点だった。


    下山に使ったルートにもフクジュソウがたくさん咲く。こちらは上部はまだ蕾だった。


    コセリバオウレンは風に揺られてなかなか撮らせてくれない。


    コセリバオウレン


    シハイスミレにも遭遇。


    風に揺れるシハイスミレ


    こちらのルートでも美濃のコバイモに出会えたが、数は少なかった。

 案内していただいたおかげで、見たかった花はほぼ見ることが出来た。そして想定していた数を遥かに上回るコバイモにも出会うことが出来た。たいへん満足な山行となった。鈴鹿の山の素晴らしさを存分に知ることが出来、いつになるかはわからないが鈴鹿山系の他の山にも登ってみたくなった。



    記念撮影

 私としては予定通りの10時間弱の山行であったが、同行していただいたお二人にとってはスローピッチすぎて退屈だったかも知れない。ご案内とお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。



    まだ蕾だったこの花の開花しているところを見てみたい。

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満開の越野の君  平成29年4月8日

2017年04月09日 | 花・花・花
 武田神社の桜が満開の頃になると、どうしてもこの花が気になってしまう。空模様がいまひとつだったが、なんとか夕方までは持ってくれそうだったので出かけてみた。


    ヒナスミレが咲いていた。


    おそらくは向こうの花も・・・


    エゾアオイスミレは小さな株が2つだけ。ここではまだこれからだろう。


    ヤマエンゴサクもまだ咲き始めたばかり。


    越野の君の他にもうひとつ探し物があった。登山道を外して沢を登って行くと、もうすぐ咲きそうなカタクリが1輪。


    ありました。何年ぶりの再会か?


    まだ蕾だが、アズマイチゲ。以前と同じ場所に咲き残っていてくれた。


    咲いてました。越野の君。


    2株並んで。


    沢を見下ろすように咲いていた花。


    こちらは倒木の下に隠れるようにひっそりと。


    ちょっとお顔を拝見。


    登山道脇に咲いた株は踏まれないように誰かが石で囲ってくれてある。しかしそれでも・・・

 例年以上に咲いてくれたように思う。そして小さな葉も少し下流に移動して葉を出しているように感じる。残念なのは、登山層脇に咲いた株は踏まれないように石で囲ってあるにもかかわらず踏まれてしまっているものがあることだ。もう少し大きな石で囲い直してきたが、どこまで効果があるか・・・この花を知らずに入山している人も居るであろう。もし行かれる人が居たら、足元に十分に注意し、登山道を外さないように歩いて欲しいと思う。
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発見!甲府市白山界隈のゲンジスミレ  平成29年4月3日

2017年04月03日 | 花・花・花
 数年前に虫林師匠から白山の界隈で昔ゲンジスミレが咲いていたが、たぶんもう無くなっているだろうという話を聞いたことがあった。そこのゲンジスミレは低山だけに開花が早く、山梨県では一番早く咲き出すという話も伺った。果たしてまだ残っているものかどうか?例年ならば4月に入ったこの季節ではもう遅いはずだが、気温が上がらずに花の開花が遅れている今年ならばひょっとしたらまだ見られるかも知れない。正確な場所は聞いていないがあっちの方向ということだけは聞いていたので、あったら超ラッキー、チャレンジのつもりで探しに出かけてみた。


    歩き始めた頃は青空だったが次第に雲行きが怪しくなってきた。


    気の早いジュウニヒトエが咲いている。


    ホタルカズラも数輪咲いていた。


    まだ咲き始めたばかりの赤紫色のホタルカズラ


    イカリソウもちらほらと咲き始めている。


    センボンヤリ


    花開いたセンボンヤリ。


    キランソウが少しだけ。


    タチツボスミレほどでは無いが、ニオイタチツボスミレも結構な数があった。


    花がふっくらとして見えたので何だかわからなかったが、良く見ればアカネスミレ(だろう)。


    ヒメウズは風に揺られて首を振り、とうとう止まってくれなかった。

 いくつにも分かれている遊歩道をかれこれ2時間近く歩いているが目的のゲンジスミレは見つからない。そして遂に、ポツポツと雨が降り出してしまった。傘もカッパも持って来ていない。頂上付近を通る広い道を短絡して細い道を早歩きに歩いていると・・・薄ピンク色のスミレの花・・・近付いて良く見れば目的のゲンジスミレだった。晴れていたらこの道を通ることは無かっただろう。恵みの雨、山の神様のお導き・・・思わずやった!と叫んでしまった。


    小さな薄ピンク色のスミレ。


    居ました、ゲンジスミレ。こんな近場の山で見ることが出来るとは、驚きと感動。


    見つけた花は3輪、葉っぱを含めて5株ほど。

 雨脚が少し強くなってきたが、このゲンジスミレだけはきっちりと撮影せずにはいられない。三脚を取り出してレンズに付いた水滴を拭き取りながら心行くまで撮らせてもらった。少しばかり服が雨に濡れたが、そんなことはもうどうでも良くなっていた。この山でこのスミレが咲き残っていてくれたことがたまらなく嬉しかった。


    これからもたくさん咲いてください。
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保護に向けて行動開始 茅ヶ岳  平成29年4月2日

2017年04月03日 | 山梨百名山
 昨年は食害で壊滅的な被害を受けた茅ヶ岳のオキナグサ、今年は待った無しで保護しなければならない場所の筆頭である。一度で作業を終えるのは複数の人数で行ったとしてもまず困難であろう。まずは一足先に荷揚げと現地の調査を行っておかなければならない。昨日の雨は山の上では雪だったようで、標高1,000mから上あたりは真っ白に雪化粧している。むしろこのほうが入山する人が少なくて荷揚げには好都合かも知れない。混雑する時間を避けてお昼過ぎからザックに荷揚げのポール20本を詰め込んで出発する。


    本日の目的は荷揚げと現地調査。


    5~10㎝くらいの積雪があったようだ。苦戦したのは雪では無くて溶けてドロドロになった登山道だった。


    山頂が見えてきた。ポールが木の枝に引っかかって避けるのに苦戦。


    山頂到着。午後4時ではさすがに誰も居ない。


    標柱はしっかりと立っていた。ニスも剥げてはいないが、だいぶ古くなって黒ずんできてしまった。


    薄日の射し込む雪の金峰山。


    金ヶ岳と八ヶ岳


    南アルプスは黒い雲がかかっていた。そして茅ヶ岳にも雪が舞い出した。

 この日は白鳳会という山岳会で登山道の整備を行ったそうで、メンバーの何人かとすれ違った。そのうちの一人が今回で茅ヶ岳登頂200回だそうで、毎年この山オキナグサを見に来られていて昨年は花が咲いたのは3輪くらいしか無かったそうだ。柵で囲もうと思っていることを告げると、応援の言葉をいただいた。


    試しにポールを立ててみるが・・・やはり心配していた通り、うまく行かない。

 現地でポールを立ててみるが、思っていた通り砂礫は浅くポールが全く突き刺さらない。これではネットをかぶせると倒れてしまうだろう。本数は足りそうだがネットの長さも足りないことがわかる。ポールの立て方に工夫をしないといけないが、1年中柵で囲っておくわけでは無く花の咲く2か月間だけ持てばなんとかなると思っている。来年は来年でまた考えて、とりあえずは今年をなんとか乗り切らなくてはならない。4月中に再訪して作業を終える予定である。


    小雪が舞う中を下山。アイゼンを持って来なかったが少し危うい場所もあった。雲が流れる太刀岡山。


    雪の茅ヶ岳の森。花はまだ全く咲いていない。

 今年は植物の観察だけでは無くて積極的な保護に取り組んで行こうと考えている。昨年も少しだけロープで囲った場所があるが、人避けでは無くて鹿避けの柵を設置しなければ効果が無いと痛感している。
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剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士を考える

2017年04月01日 | 番外編
 昨年の1月から撮影に取り組んでいる剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士であるが、納得できる画像にはまだ至っていないものの、4月22日開催の「山と花と星の奏でる音楽会」に向けて画像編集しており、今までの総括と今後の展望について考えてみた。

 最初に割れるダイヤモンド富士について耳にしたのは精進湖のほとりにある喫茶店「写ば写ば」の写真家栗林先生からである。その店には南アルプス伝付峠から撮影した「双子の太陽」なる写真が展示されている。当初はこれは富士山から遠く離れた場所からでなければ撮影出来ないものなのだろうと思っていたのだが、数年前に朝霧高原あたりで撮影したという人が居ると聞き、さらにはティアラと呼ばれる多重分割ダイヤモンド富士も撮影が出来るということを知った。人に出来るなら自分にも出来るはず、ハイテク技術を駆使してカシミール3Dで位置を割り出し、GPSにその場所を記憶させておいてその場所に行って撮影するという作業を繰り返した。撮影当初に使っていた200㎜望遠レンズではズームが足りないことがわかり、さらに天体望遠レンズBorg67FL(300mm相当)を購入し、さらに撮影時のブレを抑える装備を搭載したうえにエクステンション2倍を装着して600㎜で撮影できるレベルまで到達した。さらには、円形絞りだとダイヤの光芒が星形にならないため、8角形や6角形に切り抜いた厚紙を絞りに貼り付けて星型の光芒が出るように細工を施した。そのようにステップアップしてきてようやく高確率で割れるダイヤの撮影が出来るレベルまで到達するに至ったが、ティアラなる多重分割ダイヤはまだ満足できるものが撮れていない。


    平成28年2月11日、4度目の朝霧高原での撮影でようやく成功した剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士。


    平成28年2月28日、朝霧高原ふもとっぱら付近で撮影したダイヤモンド富士。円形絞りだと光の光芒がダイヤのような星形にならない。


    平成29年1月28日朝霧高原A沢貯水池付近から撮影したダイヤモンド富士。左右ほぼ同時に光芒が出現した。絞り改造したBorg36ED(200mm)で撮影。


    同じ日の600㎜で捉えた画像。


    太陽の頂部がほぼ剣ヶ峰に立つ建物の真ん中から出ている。しかし、この軌道では剣ヶ峰の左側からは光が出ないことがわかる。

 2分割程度のダイヤモンドならばさほど難しくないことが分かってきたが、多重分割となるとなかなか難しくなってくる。ひとつは富士山との距離で、剣ヶ峰の大きさと太陽の大きさのマッチングを考えなければならない。もうひとつが撮影する方向である。剣ヶ峰は左側(山梨県側)に回り込むほど幅が狭くなりより尖って見え、右側(静岡県側)に行くほど幅が広がってなだらかに見えてくる。これによって撮影する距離も考えなければならなくなる。


    平成29年1月26日朝霧高原富士宮道路から撮影。剣ヶ峰左の平らな部分から太陽が現われ、多重分割している。


    さらに右からも光が現われた時の画像。右で約4分割しているが、同時に左からもちいさな光が2つ現われている。

 富士宮道路沿いから撮影した多重分割ダイヤで撮影位置が最もマッチングしたものが上の2枚と思われる。あと1歩左で良かったかもしれないが、この距離から剣ヶ峰の左右の傾斜にマッチングさせて太陽を出すと、中央部の平らな部分が大きなダイヤになってしまう。

 雲で阻まれてしまったが位置的に最も良かったのが下の画像と思われる。


    平成28年5月1日朝霧高原YMCA付近から撮影。雲に阻まれて光芒はあまり出なかった。


    トリーミング画像。剣ヶ峰の建物が立つ突起の湾曲に太陽がぴったりマッチングして少なくとも6個の光芒が出ている。

 おそらく、朝霧高原でティアラと称して撮影されている多重分割ダイヤモンド富士はこのような画像なのだと思う。

 しかし、私が狙っているのはこれとは少し違う画像である。富士山からもう少し距離を離して剣ヶ峰の左右の凹凸に太陽をマッチングさせれば、少なくとも3つ以上の、しかももっと大きな光芒が輝く多重分割ダイヤの撮影が可能なのではないかと考えている。その最も有力な撮影候補地が竜ヶ岳である。


    平成29年1月3日竜ヶ岳で撮影。左側の凹凸で3分割して見える。


    これを600㎜望遠で捉えてみると、おそらくは5分割。


    さらに右側からも光が現われ、剣ヶ峰で割れるダイヤとなる。


    残念ながら左側の光りは融合してしまっている。あと5~10m右寄りの位置に立てば(立てれば・・・)。

 竜ヶ岳は朝霧高原に比べて剣ヶ峰の幅が狭く見え、より尖って見える。距離的にも剣ヶ峰の湾曲と太陽の形がマッチングするのは竜ヶ岳が最適であろうと考えている。しかし、問題なのは撮影地である。竜ヶ岳の剣ヶ峰から昇るダイヤモンド富士は太陽がいちばん北側に来る冬至の時でも山頂の平らな草地よりも端足峠側の笹薮の中である。足場の良いまともな撮影地の確保はまず困難でGPSに登録した座標点通りの位置に立つことはきわめて難しい。そのうえ山の上は微妙な凹凸があるため、数メートルの高さのずれが起こるのはあたりまえである。しかも重い撮影機材を担いで2時間以上登らなければならない。しかしそのような厳しい条件があるからこそ、この剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士撮影の価値があるのだと考えている。12月中旬から始まる竜ヶ岳多重分割ダイヤモンド富士、今年こそは撮影を成功させたいと今から意気込んでいる。


 今回4月22日に開催する「山と花と星の奏でる音楽会」では富士川町高下で撮影した白山岳ダイヤモンド富士を含めて、約20回に及んだ撮影の中から比較的良かったものを厳選して連写した画像を動画に編集し直して上映します。静止画像とは違った感動があること間違い無しです。使う音楽はクラシック部門でCD売り上げ2週連続1位を記録しているサラ・オレインの「ANIMA」というアルバムから「Animus」というバイオリン曲です。人間の中の荒々しい感情や魂を現したハラハラドキドキ感のある楽曲と一緒に、この割れるダイヤモンド富士の映像をお楽しみください。皆様のご来場をお待ちしております。   
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知らずに昔見ていた花たち 

2017年04月01日 | 番外編
 平成29年4月22日に開催される「山と花と星の奏でる音楽会」に向けて、過去11年分の写真データをひっくり返して画像を探していると、思わぬ画像を発見することがある。名も知らずに撮影した花の中には今ではもう無くなっているだろうと思われるものもある。


    ウスバシロチョウとオドリコソウ

 まだ登山を始めていなかった平成17年5月、購入して間もなかったデジタル一眼レフカメラをぶら下げて芦安の界隈に蝶を追いかけて出かけた時に撮影したものである。蝶はウスバシロチョウという春先に里山で比較的容易に観察されるものであるが、そこに写っていた花には全く目が行っていなかった。これはオドリコソウではないか。かつて南アルプス広河原のバス停周辺にたくさん生えていたらしいが、鹿の食害著しく今では少ししか残っていない。そんな花が芦安の駐車場界隈に咲いていたことに驚いた。おそらく今はもう無くなっているのではないだろうか。



    トダイハハコ

 平成18年9月、まだ登山を始めて2年目の時に単独で鋸岳を訪れた時に撮影したトダイハハコである。この花の存在は知っていたので、毛の多い葉と茎、花数が少ないことからその花であることは容易にわかった。覚えておくべきだったのはこの花は石灰岩地に咲くヤハズハハコの変種だということである。



    シライワシャジン

 同じ日に同じ場所で撮影したシャジンの仲間である。この頃はイワシャジンもヒメシャジンもミヤマシャジンも全く見分けがつかない程度のレベルだったので、この花はその後注目することも無くハードディスクの中に眠っていた。しかし改めて見直してみれば、花弁から花柱が異様に長く突き出している。これは石灰岩地に咲くヒメシャジンの変種シライワシャジンではないか。この花の咲く場所を昨年花仲間に教えていただき、今年は見に行ってみたいと思っていたのだが、知らず知らずのうちに既に出会っていたということだ。




 平成19年6月に再訪した鋸岳の直下で見たコザクラである。南アルプスに咲くコザクラと言ったらクモイコザクラである。しかし、ここが鋸岳であるということを考慮してひょっとして別物?という目で再度葉っぱを良く見直してみると・・・葉の切れ込みが深く、やはりこれはクモイコザクラであった。シナノコザクラは石灰岩地に咲く変種で、葉の切れ込みが浅いことが特徴である。長野県側の南アルプス林道に咲くことが知られているので、これも見に行ってみたい花のひとつである。





    アズマイチゲ

 花自体はそれほど珍しいものでは無いかも知れないが、山梨県では絶滅危惧種Ⅰb類に属する花である。広角レンズで捉えた画像では周辺にも葉がたくさん写っている。ここは平成24年にコシノコバイモを初めて探しに行った時に見た花である。その後毎年訪れている場所であるが、気にかけていなかったこともあるが翌年からの画像にはこの花は全く出て来ない。いかにも旨そうに見えるこの花、鹿に食われた可能性が高いと思っている。今年はコシノコバイモだけでなくこの花にも気をつけながら歩いてみたいと思う。


 おそらくは良く見直せば知らず知らずのうちに見ていた花がたくさんあるのだろう。これからは知識と勘と運を携えて、見落としの無いように歩いてみたいと思う。
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