1969年に軍事クーデターでリビアの王制を崩し、独裁者になったカダフィ大佐が昨日殺されたという報道がありました。40年にわたる反米独裁政権が終了したのです。
NATO軍が空爆を9600回も繰り返したので、彼の死亡は時間の問題でした。
私の興味は実際のNATO軍の編成と指揮権がどのようになっていたかという事です。日本人はNATO軍事同盟をとかく軽視しがちですが、その作戦行動は常にアメリカ軍が指揮権を持って実行されて来たのです。この指揮権に関しては、日本とアメリカの間の日米安保軍事同盟で日米が協力して敵国と戦う時も同様です。
ヨーロッパでもアジアでもアメリカが指揮権を持つという事実の重さを私はいつも考えています。それは国際間の外交交渉や経済交流に深い所で影響しています。
ところが驚いたことに、今回のNATO軍の指揮権はイギリスとフランスが握り、アメリカ軍は後方支援をしたに過ぎません。これはNATO発足以来、初めての事です。
NATO軍の盟主はアメリカなのにリビア作戦では、初めて英仏へ指揮権を渡したのです。正確に言えば3月19日に作戦開始し、3月31日まではアメリカ軍が指揮権を持っていましたが、3月31日にイギリスとフランスへ引き継いだのです。
アメリカはこれ以上イスラム圏からの憎悪が強くなるのを避けたのです。そして、もともと石油の権益を持っていた英仏へ主導権を渡し、英仏とアメリカの関係を良くしようとしたのです。アメリカの作戦本部へ指揮権を英仏へ渡せと命令したのはアメリカ政府です。これをシビリアン・コントロールと言います。
そのような事が想像出来るような背景の説明が今日の新聞の国際ニュースのページに出ていました。国際ニュースのページは何時も興味深い解説的な報道が有るので感心しています。
その国際ニュース欄にロシアのトップのプーチンさんが旧ソ連圏であった国々を一つの自由貿易圏にしようとしているニュースがありました。EUやアセアン経済圏に対抗して「ユーラシア同盟」の確立を狙った運動です。
わたしは旧ソ連圏がまた団結したら困ったことになると、ここ数日心配していました。
ところが今日の新聞で、そのプーチンさんの構想に賛同しているのは、ロシアとベラルーシとカザフスタンの3国だけのようです。旧ソ連圏だったウクライナやグルジア、トルキスタン、などなどはあまり乗り気ではないようです。勿論、ポーランド、チェコ、ソロバキヤ、ルーマニア、ブルガリアなどなどはEUへ参加したがっています。
プーチンさんがいくら頑張っても昔のソ連圏の団結と再編成は非常に困難なようです。むしろ日本、中国、韓国、台湾、アセアン諸国、そしてアメリカの太平洋自由貿易圏の確立のほうが容易なようです。
それにしても世界の歴史は毎日、毎日、どんどん変わって行くものです。
さて国内ニュースに目を向けると、郵便局がユニクロと提携してヒートテック下着の郵送販売を始めたという面白いニュースがありました。これが何故面白いのかと言うと、郵便局が小売業を始めて良いのかという問題になるからです。もしそれが許されるなら商品の流通が変化するでしょう。なにせ郵便局は個人情報を持っている上に販売した物を配達する機能を持っているからです。
その上、ユニクロは何時も混んでいてヒートテックがなかなか買えないのです。今日は郵便局へ買いに行こうと思っています。
急に我が家のニュース写真です。昨日、小金井公園に行きましたが隣の畑に夕顔がゴロゴロしているのを発見しました。
そうしたら家内がその傍にお茶の花が綺麗に咲いていると感激して写真を撮っていました。三木露風の、「わたしは茶の花が好きです・・・」という詩をくちずさんでいました。これは毎年、秋が深まると聞ける詩の一節です。下に夕顔とお茶の花の写真をお送りします。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。
藤山杜人