左サイドバーの「推薦したいブログ」という欄があります。先日、突然に織田寧人さんの写真ブログを追加しました。
私の方針として一度推薦したいブログに決めたら、それは永久に推薦したいブログなのです。ですから本人にお会いしたり、あるいはその方のブログを数カ月見て、深い感動を覚えた場合のみにしています。
しかし織田寧人さんの写真ブログの場合は違います。数回写真集だけを見て一瞬にして決めました。少し軽率過ぎると後悔しつつ、その後、何度も織田寧人さんの写真ブログを開けて見ています。しかし現在は確信を持てるようになりました。
そこで、その本当の理由を書いて置きたいと思います。
世の中には高価な写真機を使って、根気良くシャッターチャンスを待って撮影した傑作写真が多くあります。大体は綺麗な自然の風景だったり、美しい鳥や動物の写真です。美しい樹林や棚田の写真も多いものです。そのような傑作作品に感動し、撮った人へ敬意を感じることも何度も経験しました。
しかし織田寧人さんの写真は少しだけ違います。鮮明で美しいだけではないのです。写真の中に死者との楽しい会話が写っているのです。悲しい会話もあります。祈りもあります。鎮魂もあります。現在の家族の様子を死者へ報告しているようでもあります。カトリックを信仰しているようでもあり仏教徒でもあるようです。本人が意識しているかいないかは定かではありません。兎に角、宗教的な雰囲気が写真の裏に写っているのです。これは私の間違いかもわかりません。しかしたとえ間違っていたとしても私にはそのように感じているのです。
初めて写真を見た時、こんな感じを受けたのです。彼のブログの名前は「風に吹かれて」です。そうして自己紹介欄に若くして亡くなった奥様の遺稿集が紹介してありました。その本の名前が「風を愛したひと」です。
これで私は判然としました。39歳で中学生の娘と小学生の息子を残して旅立った奥様との会話集なのです。すくなくとも私にはそのように思われたのです。
「風を愛したひと」と「風に吹かれて」は見事な対句になっています。美しい対句です。
その遺稿集を送って下さるというのでお願いしました。装丁の良い本を読んでいます。若くして亡くなった方への同情も深いものがあります。しかし今日は写真についてだけの感想文にとどめます。「風を愛したひと」という本の書評はいずれ書きます。もっと読みこんで、考えてから書評を書きたいと思います。
しかし思わず感心したことを一行だけ書いて置きます。遺稿集をすぐに出すことにして中学生の娘さんの意見を聞きました。「このたぐいの本はワンパターンになりがちだからあまり賛成出来ない」という意味の反対意見を述べてそうです。そうです。私もこの本を見るまでは重荷に感じていました。このたぐいの本は読了するのが大変なことがあるのです。しかし今回はまったくの間違いでした。
さてそれはそれとして、写真集にもどります。何故、織田寧人さんの写真が宗教的な感じがするか?いろいろな理由がありますが、一つには人間が全然写っていません。天気が良い日もありますが、曇った日、雪の日など光の取り扱い方が「この世」的ではないのです。その上数枚の写真を組写真にして割りつけていますが、その効果もこの世的でないのです。ですから1枚、1枚を取り出してこちらのブログに掲載すると全く別な印象になります。
こういう写真ブログは写真の表現の限界を超えていると思います。そのように思うのは私の勝手です。間違っているとも思いますが、それは私にとっては楽しい間違いなのです。
以上が私が「風に吹かれて」という写真ブログを「推薦したいブログ」に選んだ本当の理由です。皆様のご意見を頂ければ嬉しく思います(終り)
紅葉の北海道を旅して来ました。登別温泉の石水亭とキロロリゾートのホテル・ピアノに泊った2泊3日の旅でした。23日に羽田空港を出て、千歳着、バスで室蘭の工場の夜景を眺めてから登別温泉の旅館に泊りました。良い宿でした。温泉の泉質も硫黄系ですが肌に優しい滑らかな湯でした。
24日はオロフレ峠を越えて、ロープウェーに乗り昭和新山と有珠山の景観を楽しみました。洞爺湖の岸をバスで走り、ニセコパノラマラインへ登って行きます。高地の湿地帯の木道を往復2km歩いて神仙沼を見ました。ヒグマが見えると言う人がいて、皆が慌てて帰ってきました。本当にクマが居たか疑問でしたが、皆が興奮して面白そうでした。
暗くなるのなるのを待って小樽市の夜景を楽しむために毛無山展望台へ行ってからキロロリゾートへ到着しました。ホテル・ピアノは以前にも泊ったことのある良いホテルです。
次の日はバスで小樽市に行って町を散策したあとで「ニシン御殿・旧青山別邸」へ行き豪華な和風建築を見ました。酒田の本間邸に似た建物です。
その後は札幌を少し観光してから千歳空港から帰ってきました。
明日から「北海道への旅の誘い」と題した連載でその魅力的なところをご案内したいと思います。
北海道は何故か私にとっては何時までも憧れの土地であり、旧懐の情が掻き立てられるところです。土地の景観や目にする樹木がとてもヨーロッパ大陸に似ているのです。ヨーロッパに憧れ、若いころ家族と一緒に住んだことがあるドイツの風景に似ています。スエーデンの風景にも似ています。氷河が削った滑らかな丘、白樺やカラマツの林。ポプラ並木。そして何となくヨーロッパ的な牧場や農村地帯の風景が私の旧懐の情が掻き立てるのです。
今回は曇り日の連続でしたので写真が鮮明でありませんでした。紅葉の写真をお楽しみ頂ければ嬉しく思います。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。
藤山杜人