おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

読書「ヒトラーとは何者だったのか?」(阿部良男)学研M文庫

2013-11-28 23:18:39 | 読書無限
安倍帝国ついに完成 秘密“隠蔽”法案強行でもの言えぬ国に(dot.) - goo ニュース

 ドイツ国民を巧みに扇動し、権力を掌握したヒトラー。「第三帝国」ナチズムの成立から最期まで。筆者が3000冊にも及ぶヒトラー関連書からセレクトした220冊の著書の紹介と要約からヒトラーとその時代を明らかにしていこうとしたもの。
ヒトラーは、どのようにして権力を掌握したか?
ヒトラーは、どのような世界観をもっていたか?
ヒトラーは、ユダヤ人の絶滅を当初から意図していたか?
ヒトラーの、最期はどのようであったか?
ヒトラーは、戦後、どのように裁かれたか?

 筆者は、「ヒトラー関連文献」の刊行数は驚くべき多さ(世界では12万点に及ぶ)であり、中には、一般に流布している認識とは異なる多くの論考が存在している、と。

 この書での、筆者の立場は、
 「ヒトラーの『ファシズム』は、独自の政治理念を有してドイツ国民に熱く支持された強力な政治体制であり、・・・暴力機構を保有していた政治体制とはいえ、単に恐怖と圧政だけで国民を支配したのでなかった。当時の多くのドイツ国民にとって決して否定的な政治体制ではなかったことを認識しなければ、正しい理解を得られない」と。 

 同時代的な論述(市民の日記なども含む)を多く取り上げ、実態を解明していきます。その上で、ホロコーストやファシズムの犯罪性を追究する書物にもふれ、一方で、熱狂的に受け入れ、今もなお郷愁すら覚えるというドイツ国民の戦争責任へのあり方、そして、ヒトラー・ナチズムを受け入れていったドイツ国民の国民性などにも迫っています。

 特に、ドイツ国民に対してドイツ民族の優位性をことさらあげつらい、経済発展を基にした雇用改善(失業率0)、福祉政策など巧妙に仕組まれた政治体制の中で、ユダヤ人絶滅(計画)にまで手を貸すようになっていく一般国民の政治姿勢、生活意識、戦争観など注目すべき書物が紹介されます。

 今、議席の80%以上を自公さらにみんな、維新で占める国会。次々とアベ国家戦略が実を結び、多くの国民が熱狂的とは言わないが、支持している日本。行く末を占うのに、一石を投じる書だと思います。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 略礼服、お疲れ様。眼も白黒。 | トップ | 読書「戦後責任論」(高橋哲... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書無限」カテゴリの最新記事