おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

芦野宿~白坂宿(実は白坂駅から黒田原駅まで)その5。(「奥州街道」をゆく。第4日目。)

2016-10-28 22:43:32 | 奥州街道
 (13:30)「板屋」を抜けると、国道を横切って右手の峯岸への道となります。

    

右手の山際に「峯岸館兵従軍之碑」「峯岸館従軍者の碑」。

 戊辰戦争の時、黒羽藩は官軍として戦ったが、藩領であった峯岸近隣の集落の農民がここに設けられた峯岸館で洋式の軍事訓練を受けて各地に転戦、戦功を挙げたその顕彰碑のようです。

    
                                  振り返って望む。そのうち忘れ去られる運命?

(13:37) 国道に合流して今度は右に入ります。
    

右手から来る道がおそらく旧道。

「べこ石の碑」が右手に。

 びっしり約3.500字が刻まれています。
    

べこ石の碑
 この碑は嘉永元年(1848)10月に芦野宿の問屋をつとめた戸村右内忠恕が撰文建立したもので、全文19段、約3500の文字を刻した碑文である。
 長文で孝行の大切さと善行をすすめ、堕胎の戒めと生命の尊重など実例や例えを用いながら儒教的精神を中心とした人の道を優しく教えている。
 この碑は、自然石に炎帝神農氏の姿か、昔時この地方でも牛を「べこ」と称し石の形が臥牛に似ているための呼称と思われる。
 この碑文を通して幕末期の民情風俗や社会、経済及び道徳思想を知る歴史的文献として貴重である。

                                 那須町教育委員会

べこ石の碑文の全文が解説板に載っています(省略)。

べこ石の碑と時代背景
 べこ石の碑が建立された嘉永元年(1848)の時代は、外国船が日本近海にしばしば来航し、通商を求めた時期にあたり、これに対し幕府は「外国船打払令」をもって対抗し、その後講和策が講じられている。国内では、大塩平八郎の乱や渡辺崋山・高野長英らが投獄された蛮社の獄を経て、水野忠邦による天保の改革が始まり、尊王攘夷思想の高まりとともに幕藩体制が崩壊に向う時期にあたり、徳川幕府にとってまさに外患内憂の時代といえる。
 碑は芦野宿の問屋職であった戸村忠恕(ただひろ)が晩年中風の身をもって、人倫道徳の本道を衆庶に教え論すために撰文したもので、路傍の石に彫らせ、建立したものである。
 戸村家は黒羽町須佐木の出身で、元禄年間(1688-1704)芦野に移り住み、酒造業を兼ねた。明治天皇の東北・北海道御巡幸に際し、三度行在所になった名家である。その元は佐竹の一族で、佐竹氏の秋田移封の時、帰農し須佐木に定住した一族である。
天保 8年(1837) 大塩平八郎の乱
天保10年(1839) 蛮社の獄
天保11年(1840) 天保の改革始まる
天保13年(1842) 異国船打払令を改め、薪水給与令復活
天保15年(1844) オランダ国王開国を進言
          フランス船、琉球に来航。薩摩藩に限り、琉球対仏貿易を許す
弘化 3年(1846) 海防の勅論、幕府に下る
          幕府、外船来航を奏上
          米使ピッドル浦賀に来航、通商を要求する
弘化 4年(1847) 島津氏、琉球を英・仏に開港
          信濃善光寺付近で大地震
嘉永元年(1848) べこ石の碑建立
嘉永 3年(1851) 朝廷、国難を七寺七社に祈願。再び海防の直論、幕府に下る
嘉永 6年(1853) ペリー浦賀に来航。開国
安政元年(1854) 日米和親条約調印。日英・日露和親条約調印

                              那須町教育委員会

「峯岸」バス停。

(13:40)みごとな土蔵造り。

集落を振り返って望む。

集落の外れ、右手に「岩倉右大臣歌碑」。

「みちのくの 鄙のはてまで あきらけき 御代の日彰を 傾かぬぞなき」。明治天皇の行幸に同行した岩倉具視の歌が刻まれています。

そこから「峯岸」集落を望む。

(13:46)「甦る豊郷」碑。

行く先の右奥に「遊行柳」が見えてきます。

(13:49)国道沿いにある「遊行庵」に到着。
    

 「芦野仲町」バス停の発車時間までまだまだありそう。ここで「季節の野菜カレー」とお酒を飲んでしばし休憩。店内は土曜なのに誰もいなくて、静かにJAZZが流れています。「遊行柳」はすぐそこなので、JAZZを聞きながら40分ほど、のんびり。

「遊行柳」入口。田んぼの中にあります。

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