人を裁く裁判官、実はこんなに弱い立場の存在だった 三権分立とは言いながら、組織や人事にがんじがらめのその人生
「彼らはスーパーエリートのプライドもあるので、給料の多寡より、評価が落ちることへの恐怖の方がはるかに大きいんです。
そういう組織社会の中で、リベラルな活動に参加したために人事で差別された人もいるし、あるいは上司の出世のために良心に従った判断を下せず、最高裁の意向に従った判決を書いたりしたという人もいます。」
岩瀬氏によれば、多くの裁判官にとっての「第1のF」は、おそらく「ネガティヴな人事評価を受けること」である。
裁判官は、「裁かれる恐怖」に怯えているのである。
このことは、裁判官になるまでの過程を見れば、ある意味では当然だろう。
司法試験では起案や口頭試問で点数を付けられ、研修所の起案では1回でもD以下の評価を受ければ「肩叩き」をされてしまう。
このように、ポジティヴな評価を受け続けることがアイデンティティの中核となっているために、ネガティヴな評価を受けようものなら人格が崩壊しかねない。
任官後においては、最初は「上席の評価」、次は「処理件数」や「上訴審での逆転率の低さ」などで評価されるため、これに常時「恐怖」を感じながら仕事をすることになってしまう。
多くの裁判官はミトコンドリアの習性には逆らえないようで、岡口裁判官は数少ない例外の一つなのだろう。
「彼らはスーパーエリートのプライドもあるので、給料の多寡より、評価が落ちることへの恐怖の方がはるかに大きいんです。
そういう組織社会の中で、リベラルな活動に参加したために人事で差別された人もいるし、あるいは上司の出世のために良心に従った判断を下せず、最高裁の意向に従った判決を書いたりしたという人もいます。」
岩瀬氏によれば、多くの裁判官にとっての「第1のF」は、おそらく「ネガティヴな人事評価を受けること」である。
裁判官は、「裁かれる恐怖」に怯えているのである。
このことは、裁判官になるまでの過程を見れば、ある意味では当然だろう。
司法試験では起案や口頭試問で点数を付けられ、研修所の起案では1回でもD以下の評価を受ければ「肩叩き」をされてしまう。
このように、ポジティヴな評価を受け続けることがアイデンティティの中核となっているために、ネガティヴな評価を受けようものなら人格が崩壊しかねない。
任官後においては、最初は「上席の評価」、次は「処理件数」や「上訴審での逆転率の低さ」などで評価されるため、これに常時「恐怖」を感じながら仕事をすることになってしまう。
多くの裁判官はミトコンドリアの習性には逆らえないようで、岡口裁判官は数少ない例外の一つなのだろう。