寺島しのぶ、99歳の老婆役に挑戦!三島由紀夫「卒塔婆小町」で
詩人:たしかに今夜、望みが叶うんだな。なんて妙な、淋しい、気怯れした気持なんだろう。もう望んでいたものを、手に入れたあとみたいな気持だ。
老婆「殿方にとっていちばんおそろしいのは、そのお気持かもしれないわね。」
詩人「望みが叶う、・・・・・・そうしていつか、もしかしたらあなたにも飽きる。あなたみたいな人に飽きたら、それこそ後生がおそろしい。そればかりか死ぬまでの永の年月がおそろしい。さぞかし退屈するだろうな。」
(中略)
詩人「僕は今すぐ死んでもいい。一生のうちにそんな折は、めったにあるものじゃないだろうから、もしあれば、今夜にきまっている。」
はたから見ると幸せの絶頂にいる人が、突然自殺することがある。
詳しく調べれば、おそらくうつ病などの疾患を抱えていることが多いのだろうが、「卒塔婆小町」に登場する詩人のように、生の最高の瞬間において、それを永遠化するために死を選ぶ人間を見ると、この種の自殺をする人の心理が少し分かるような気がする。
この詩人は、自分に訪れた最高の瞬間を喪失することを恐れているのである(ある意味、「細雪」で、雪子を見つめる幸子の心理に近いところがあるかもしれない。)。
おそらく健全な心理とは言い難いのだろうが、これは従前から脳科学者によって指摘されてきた現象らしい。
成功者が自殺してしまうのはなぜ? 脳科学的に「幸せになる方法」を教えてもらった
「はい。そうやってドーパミンを出しながらバリバリ頑張ってきた人は、頂上まで上った瞬間に、今まで以上の目標が設定できなくなってしまいます。
すると幸福感は薄れて、いずれは絶望感に襲われることになるでしょう。」
詩人:たしかに今夜、望みが叶うんだな。なんて妙な、淋しい、気怯れした気持なんだろう。もう望んでいたものを、手に入れたあとみたいな気持だ。
老婆「殿方にとっていちばんおそろしいのは、そのお気持かもしれないわね。」
詩人「望みが叶う、・・・・・・そうしていつか、もしかしたらあなたにも飽きる。あなたみたいな人に飽きたら、それこそ後生がおそろしい。そればかりか死ぬまでの永の年月がおそろしい。さぞかし退屈するだろうな。」
(中略)
詩人「僕は今すぐ死んでもいい。一生のうちにそんな折は、めったにあるものじゃないだろうから、もしあれば、今夜にきまっている。」
はたから見ると幸せの絶頂にいる人が、突然自殺することがある。
詳しく調べれば、おそらくうつ病などの疾患を抱えていることが多いのだろうが、「卒塔婆小町」に登場する詩人のように、生の最高の瞬間において、それを永遠化するために死を選ぶ人間を見ると、この種の自殺をする人の心理が少し分かるような気がする。
この詩人は、自分に訪れた最高の瞬間を喪失することを恐れているのである(ある意味、「細雪」で、雪子を見つめる幸子の心理に近いところがあるかもしれない。)。
おそらく健全な心理とは言い難いのだろうが、これは従前から脳科学者によって指摘されてきた現象らしい。
成功者が自殺してしまうのはなぜ? 脳科学的に「幸せになる方法」を教えてもらった
「はい。そうやってドーパミンを出しながらバリバリ頑張ってきた人は、頂上まで上った瞬間に、今まで以上の目標が設定できなくなってしまいます。
すると幸福感は薄れて、いずれは絶望感に襲われることになるでしょう。」