Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

信頼が壊れるとき(1)

2020年12月09日 06時21分16秒 | Weblog
 川端康成・三島由紀夫 往復書簡を読むと、二人の作家の麗しい師弟・友人関係がよく分かる。
 昭和33年11月、川端夫妻が入院するにあたって三島が送った「御入院に必要な品目」リスト(p122~)などは実に微笑ましい。
 だが、二人の間の信頼関係は、ノーベル文学賞を巡ってなされた川端の言動によって壊れたと思われる。

三島由紀夫は何を遺したか(櫻井秀勲、きずな出版) 
 「この番組(2019年2月4日放送のNHK「クローズアップ現代」)で村松英子さんは、
「三島先生は川端さんのお宅に呼ばれて、『君はまだ若いから、私は年だから、今回は譲ってくれないか』とお頼まれになったと聞きました。ご自分が信じていた川端さんから、そういうことを言われたことがショックだったようです。」
と発言している。私が五十年前、彼女から聞いた内容通りだった。
 ここで正確を期すと、ノーベル文学賞委員会では二人を有力候補にしたものの、どちらに賞を与えるべきか、極東の小国だけに、日本の文壇に詳しい諸外国の評論家に打診していた、といわれる。その中で二人の間で決めてもらってはどうか、という話が持ち上がったようだ。
」(p116~117)

 
コメント
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