《森友文書改ざん事件》佐川宣寿さんの尋問はなぜか却下 赤木雅子さんが法廷で聞きたかったこと
「大阪地検特捜部が近畿財務局に資料の任意提出を受けに訪れた際のこと。池田氏は強制捜査と混同して「ガサ入れに来た」と表現しているが、俊夫さんが池田氏に「これも出していいですか?」と示したのが、後に「赤木ファイル」として知られることになる、改ざんの詳細を記録した書類だった。池田氏は「全部出してください」と答えたという。
池田氏の話は録音データで残っている。この話から財務省が検察に資料を任意提出したこと、その中に「赤木ファイル」も含まれていたことは明らかだ。
俊夫さんの手帳にも、2017(平成29)年6月28日に「任ガサ」という文字が残っている。これは「任意のガサ」つまり「任意提出」を指す。「18:30特捜部来庁」の記載もある。
そこで、この経緯を記した本を証拠として裁判に出し、国の主張を覆そうという狙いだ。雅子さんは、総勢5人になった弁護団で反転攻勢に出る。そんな気持ちがLINEで届いた。
「ここまで叩き落とされ叩き潰されたから、あとはもう上がるしかないと思います。これからどう生きるかですね」」
反社認定(11)で予想したとおり、裁判所は、佐川氏の尋問申請を却下した。
こうなると、「公務員個人は責任を負わない」という判例に従った判決が下される流れだろう。
但し、この際、佐川氏個人の故意・重過失を裁判所が認定するかどうかは一つの見どころである。
というのも、国賠法1条は、2項で「公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。」と定めており、仮に判決で佐川氏の故意・重過失が認定された場合、国としては、「国の債権の管理等に関する法律(昭和三十一年法律第百十四号)第十条から第十二条まで、会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第六条等の規定するところに従って、遅滞なく、求償権につき弁済の義務を負う公務員に対してこれを行使すべき」ことになるからである(第170回国会(臨時会)答弁書第二六号)。
おそらく、裁判所は、「公務員個人は賠償責任を負わない」という一般論を述べた上で、「その余については判断するまでもなく」、請求を斥ける、つまり、佐川氏の故意・過失の有無については判断を回避するのではないだろうか?
そうなると、佐川氏を被告とする訴訟においては、国が佐川氏に対して求償権を取得するかどうかは決まらないことになるだろう。
他方、既に国は被告として請求を認諾しているので、これによって佐川氏の故意・過失の点について自白が成立したことになるのか、そして国が佐川氏に対して求償権を取得したことになるのかは、もう一つの問題だろう。
「大阪地検特捜部が近畿財務局に資料の任意提出を受けに訪れた際のこと。池田氏は強制捜査と混同して「ガサ入れに来た」と表現しているが、俊夫さんが池田氏に「これも出していいですか?」と示したのが、後に「赤木ファイル」として知られることになる、改ざんの詳細を記録した書類だった。池田氏は「全部出してください」と答えたという。
池田氏の話は録音データで残っている。この話から財務省が検察に資料を任意提出したこと、その中に「赤木ファイル」も含まれていたことは明らかだ。
俊夫さんの手帳にも、2017(平成29)年6月28日に「任ガサ」という文字が残っている。これは「任意のガサ」つまり「任意提出」を指す。「18:30特捜部来庁」の記載もある。
そこで、この経緯を記した本を証拠として裁判に出し、国の主張を覆そうという狙いだ。雅子さんは、総勢5人になった弁護団で反転攻勢に出る。そんな気持ちがLINEで届いた。
「ここまで叩き落とされ叩き潰されたから、あとはもう上がるしかないと思います。これからどう生きるかですね」」
反社認定(11)で予想したとおり、裁判所は、佐川氏の尋問申請を却下した。
こうなると、「公務員個人は責任を負わない」という判例に従った判決が下される流れだろう。
但し、この際、佐川氏個人の故意・重過失を裁判所が認定するかどうかは一つの見どころである。
というのも、国賠法1条は、2項で「公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。」と定めており、仮に判決で佐川氏の故意・重過失が認定された場合、国としては、「国の債権の管理等に関する法律(昭和三十一年法律第百十四号)第十条から第十二条まで、会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第六条等の規定するところに従って、遅滞なく、求償権につき弁済の義務を負う公務員に対してこれを行使すべき」ことになるからである(第170回国会(臨時会)答弁書第二六号)。
おそらく、裁判所は、「公務員個人は賠償責任を負わない」という一般論を述べた上で、「その余については判断するまでもなく」、請求を斥ける、つまり、佐川氏の故意・過失の有無については判断を回避するのではないだろうか?
そうなると、佐川氏を被告とする訴訟においては、国が佐川氏に対して求償権を取得するかどうかは決まらないことになるだろう。
他方、既に国は被告として請求を認諾しているので、これによって佐川氏の故意・過失の点について自白が成立したことになるのか、そして国が佐川氏に対して求償権を取得したことになるのかは、もう一つの問題だろう。
もちろん、国としては、「早期解決のために請求を認めただけで、事実関係まで認めたわけではない」などと反論するのかもしれない。